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知らないと損する肩関節周囲炎の理学療法診療ガイドライン

2018 2/27
知らないと損する肩関節周囲炎の理学療法診療ガイドライン
目次

はじめに

新人Aのアイコン画像新人A

エビデンスって言いますけど、講習会で技術を学んできましたし、結果を出すことの方が大事だと思うんですよね。

澁澤のアイコン画像澁澤

講習会で学んだ技術は確かに重要で結果にも繋がります。理学療法にはアートの部分とサイエンスの部分がありますので、技術は前者になります。後者はエビデンス。ガイドラインを活用することも大切ですよ!

新人Bのアイコン画像新人B

文献を読むとかですかね。ガイドラインってなんですか?

澁澤のアイコン画像澁澤

理学療法士協会の会員コンテンツから理学療法の診療ガイドラインが確認できます。認定理学療法士試験でもガイドラインは重視されており、積極的に使うことが推奨されています。今回は、肩関節周囲炎のガイドラインを一緒に見ていきましょう!

理学療法評価(指標)の推奨グレード

以下、推奨グレードA

MRI造影(MRI arthrography)

関節鏡(arthroscopy)

病理所見(pathological examination)

以下、推奨グレードB

理学所見(筋電図)

上部僧帽筋の活動は下部僧帽筋より高くなる傾向あり、下部僧帽筋の活動不足を凍結肩患者のリハビリで考慮すべき重要な点である。

理学所見(触診)

・凍結肩の82%で健側より皮膚温度分布に異常があり、その3/4が低下。

・烏口突起の圧痛は癒着性関節包炎の96.4%で認める特徴的所見。

理学所見(特殊テスト)

・肩外転運動時に肩甲骨が挙上するshrug sign(シュラグサイン)は癒着性関節包炎患者の94.7%に観察された。

評価表(上肢障害評価表:disability of the arm, shoulder and hand: DASH)

評価表(shoulder pain and disability index:SPADI)

磁気共鳴画像(MRI)

骨スキャン(bone scanning)

超音波所見(ultrasonography)

リスクファクター(リスクファクター全般)

リスクファクター(糖尿病)

特にインスリン依存型DMにおいて癒着性関節包炎の発症率が高い

リスクファクター(肩関節手術後)

術後に可動域制限を起こす原因として癒着性関節包炎も含まれる

リスクファクター(甲状腺疾患)

リスクファクター(血中脂質)

リスクファクター(職業)

合併症(デュピュイトラン拘縮)

以下、推奨グレードC

疫学(発症率)

癒着性関節包炎は50~70代に好発

疫学(予後)

癒着性関節包炎患者の90.6%は疼痛、可動域制限の順に症状が進行していた。

理学所見(可動域)

理学所見(交感神経)

凍結肩患者は交感神経作用が低下している

理学所見(動作解析)

単純X線(plain x-ray)

リスクファクター(心臓手術、心臓カテーテル)

リスクファクター(パーキンソン病)

リスクファクター(クモ膜下出血)

合併症(心理的影響)

デルファイ法

理学療法介入の推奨グレードとエビデンスレベル

以下、推奨グレードA

なし

以下、推奨グレードB

一般理学療法 エビデンスレベル2

理学療法単族あるいは治療との併用での介入に手症状を軽減、機能改善をもたらすが、癒着性関節包炎にどの程度効果的かを示すエビデンスはない。

運動療法(一般運動療法) エビデンスレベル3

運動療法(徒手療法) エビデンスレベル2

物理療法(温熱療法) エビデンスレベル2

物理療法(光線療法:レーザー療法) エビデンスレベル2

理学療法・薬物療法(理学療法・非ステロイド系抗炎症薬)エビデンスレベル2

理学療法・薬物療法(理学療法・ハイドロプラスティー) エビデンスレベル3

理学療法・薬物療法(理学療法・麻酔下マニュピュレーション〈MUA〉)エビデンスレベル3

理学療法・手術療法 エビデンスレベル3

鏡視下剥離術に関する論文が記載されている。

以下、推奨グレードC

物理療法(超音波療法)(C2)エビデンスレベル2

肩峰下滑液包炎患者に対してROM+超音波を行っても超音波の有益性はない。

運動療法と併用しても追加効果はない。

理学療法・注射(理学療法・ステロイド注射)(C1)エビデンスレベル3

現状と展望

  • DASHとSPADIの妥当性が示された。
  • 関節鏡所見、病理所見、画像所見より肩関節周囲炎では
  • 関節滑膜の炎症(一次性拘縮ではないとされる)と肥厚があること
  • 関節包、腱板疎部、烏口上腕靭帯が線維化して肥厚していること
  • 関節包の容量が少ないこと
  • 肩甲下筋下滑液包の閉塞が認められるが、関節内癒着は観察されないこと
  • 肩峰下滑液包の血流が増加していること

などが明らかになった。

筋の短縮以外の理学療法のターゲットとして

  • 関節包
  • 腱板疎部
  • 烏口上腕靭帯の伸張性低下と短縮
  • 肩甲下筋滑液包の閉塞
  • 肩峰下滑液包の閉塞
  • 肩峰下滑液包の滑動障害

 があげられる。

  • 今回の作業で運動療法単独あるいは他の治療との併用は概ね効果があることが分かった。
  • しかし、中には肩を含めた全身運動やセルフエクササイズに比べ,運動療法の積極的な介入、特に発症初期での介入が好ましくない影響を及ぼしていることを指摘する文献も見られた。
  • 早期の炎症収束と運動強度の選択の重要性を示していると思われる
  • 初期の痛みに対する局所注射の併用
  • 痛み閾値を超えないストレッチ
  • 徒手療法では痛みを出さない強さでの最終域でのモビライゼーションが勧められる。
  • 補助的治療としては深部温熱、超音波照射が勧められるが,悪影響を及ぼすことを指摘したものから効果を認めるものまで判定には大きなばらつきがある。
  • どの病期に何を狙って照射するか,深達度の選択や温熱効果の排除による差など更なる検討が必要である。
  • 理学療法を中心とした保存療法のみでは治療効果が得られない場合には,ハイドロセラピー,麻酔下マニピュレーション,手術などの外科的治療が選択されることがあり,その後に継続的な理学療法を併用することで大きな効果を示す。
  • 長期的には外科的に対応した群とそうでない群には大差がないということも明らかになったが、早期の回復を望む場合には外科的治療は大きな意味がある。
  • 日常生活の活動性に重点を置いた各種のアンケート形式の評価指標から得られた、年単位の長期的経過では、運動療法や外科的治療の積極的な介入による差がないが、それは即時的あるいは短期間の内に効果を出すために積極的に介入することが無意味であるということでは決してないし、代償動作を排した肩甲上腕関節の可動域を追求した場合には違った結論が得られるかも知れない。
  • 今後は,「積極的介入が好ましくない影響を及ぼす」ことがないように,病期を追った組織学的変化と,臨床症状はどの変化を反映しているのかを明らかにし,その起きている変化に合わせた適切な介入が何かを発見しなければならない。

考察

グレードBが非常に多く、グレードAは評価における

MRI造影(MRI arthrography)

関節鏡(arthroscopy)

病理所見(pathological examination)

のみである。

認定理学療法士試験ではグレードAを抑えておくことは重要になりますが、臨床においても評価や治療の選択肢として重要になります。ぜひ、知っておき、患者様に適切な正しい情報を提供できる理学療法士になることが重要です。

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