足首の骨折で手術や入院を終えて、いざ自宅に戻ってみると「どこまで足首を動かしていいのか」「いつから歩く練習を始めればいいのか」、不安でいっぱいになってしまうご家族は本当に多いんですよね。
この記事を読んでいただくと、荷重制限がある時期から、歩行練習を再開できるようになる時期まで、自宅でできる段階別のリハビリの進め方と注意点が具体的にイメージできるようになります。
荷重開始前のむくみ・可動域ケアから、荷重許可後の可動域訓練、筋力・バランス強化の自主トレ、そして安全な歩行練習の手順まで、医師の指示を前提としながら段階を追って実践できるようまとめました。
理学療法士としての専門知識と、医学的な回復過程に沿った公的な資料の両方をもとに、やってはいけないNG動作もあわせてお伝えしていきますね。
足首骨折のリハビリは自宅ケアで歩行能力を取り戻せる

足首骨折は関節内骨折であることが多く、固定・免荷期間が続くと足首が固まったり下肢筋力が落ちたりして、歩行が難しくなるケースもあります。だからこそ骨の癒合経過に合わせた段階的なリハビリが欠かせません。
2024年のコクラン系統的レビュー(Lewis SR, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2024)では、早期の荷重開始や可動式サポーターを使った運動が足首の機能をわずかに改善する可能性が報告されています[1]。ただしその差が臨床的に大きいとまでは言い切れず、効果の大きさには不確実な部分も残ります。
医師や理学療法士の指示のもと、
- 足指・足首の曲げ伸ばし(可動域練習)
- ふくらはぎなど下腿の筋力維持・強化
- 段階に応じた荷重・歩行練習
荷重開始前の自宅ケアでむくみと可動域を守る
荷重許可が出るまでの期間も、自宅でできるケアはちゃんとありますね。
むくみ対策としては、こんな方法があります。
- 座っている時や寝ている時に、足を心臓より高い位置に上げておく
- 弾性ストッキングや包帯を医師・PTの指示通りに使用する
- 足首から先の指をこまめに動かす(体重をかけない範囲で)
可動域を守るためには、以下を意識してみてください。
- 足の指の曲げ伸ばしを痛みのない範囲で行う
- 膝や股関節など、ギプス固定されていない関節は積極的に動かす
- 「痛気持ちいい」を超える無理なストレッチは避ける
ここで大事なのは、あくまで医師・担当理学療法士が指示した範囲内で行うということですね。
「早く良くなりたいから」と自己判断で体重をかけたり、強く動かしたりするのは絶対に避けていただきたいポイントです(焦る気持ち、すごくよく分かるんですが…)。
不安なことがあれば、遠慮せずに担当のPTさんに聞いてみるのがおすすめです。
荷重許可後は自宅で足首の可動域訓練を段階的に進める

医師から荷重の許可が出たら、いよいよ自宅での可動域訓練を少しずつ進めていける段階ですね。
とはいえ、ここでも焦りは禁物です。
(昔の私も「早くよくしてあげたい」と気持ちが先走ってしまうタイプだったので、この気持ち、すごくよく分かります…笑)
進め方の目安としては、以下のような順番がおすすめです。
- 足関節の自動運動(座った状態で、痛みのない範囲でつま先を上下・左右に動かす)
- タオルギャザーなど軽い運動を取り入れる
- 痛みが出ない範囲で体重を少しずつかける練習へ移行する
大切なのは、痛みを我慢してまで無理に動かそうとしないことですね。
必ず担当の理学療法士に「どこまで動かしていいか」を確認しながら、自宅での自主トレの強度を調整していただけると安心です。
自己判断で強度を上げてしまうと、せっかくの骨癒合に影響してしまうケースもあるので、その点だけは慎重に進めていきましょうね。
足首の筋力とバランスを自主トレで鍛え再発を防ぐ
骨折した足首は、ギプス固定などで動かさない期間が続くことで、筋力やバランス感覚がどうしても落ちてしまうんですね。
そのため、荷重許可が出て歩行が安定してきた段階からは、再発予防のための自主トレを取り入れていくことが大切になってきます。
具体的には、こんな内容がおすすめです。
- タオルギャザー:タオルを足の指でたぐり寄せ、足底の筋力を鍛える
- カーフレイズ:つま先立ちを繰り返し、ふくらはぎの筋力を高める
- 片脚立ち:机や壁に手を添えながら、バランス感覚を養う
ただし、これらはあくまで医師や担当理学療法士から荷重の許可が出た後に行うものです。
自己判断でタイミングを早めてしまうと、せっかく癒合してきた骨に負担をかけてしまう可能性もあるので、必ず指示の範囲内で進めていただけると安心ですね。
足首捻挫との違いを理解し骨折後リハビリを進める

ここまで骨折後の自主トレの進め方をお伝えしてきましたが、なぜここまで段階を踏む必要があるのか、捻挫との違いを知っておくとより納得しやすくなります。「捻挫と骨折って、そんなに違うの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実はここが、リハビリを進めるうえでとても大事なポイントになってきます。
捻挫の場合 – 骨そのものは折れていないため、痛みの範囲内で比較的早めに動かし始められるケースが多いですね
骨折の場合 – 骨がくっつくまでの「骨癒合期間」が必ず必要 – 医師の荷重許可が出るまでは、体重をかける動作は避ける必要があります
つまり、骨折後は「痛みが引いたから」「もう歩けそうだから」といった自己判断で荷重時期を早めることは禁物ということですね。
(早く治したい気持ち、本当によく分かるんですが…この焦りが一番のリスクになります・笑)
必ず医師・担当の理学療法士の指示範囲内で、段階を踏んで進めていただけると安心です。
歩行練習は自宅でも安全な手順を守れば再開できる
歩行練習は、自宅でも取り入れられる大切なリハビリの一つですね。
ただし、これはあくまで医師から荷重の許可が出た後の話になります。
荷重制限がある段階で歩く練習を進めてしまうのは、骨癒合を妨げるリスクがあるため絶対に避けていただきたいところです。
荷重許可後も、いきなり自己流で距離や回数を増やすのではなく、担当の理学療法士から指示された歩数・時間・杖や装具の使用方法を守ることが安心して再開するコツですね。
「もう大丈夫そう」と感じても、痛みや腫れが出たら無理せず一度立ち止まる、という姿勢を大切にしていただけると嬉しいです。
自宅リハビリで避けるべきNG動作と注意点を知っておく

自宅でリハビリを進めるうえで、注意しておきたいNG動作をまとめておきますね。
- 自己判断での早期荷重・過度な負荷:骨がまだしっかりくっついていない時期に勝手に体重をかけると、ズレや偽関節(骨がつかない状態)につながる恐れがあります
- 足首を無理にねじる動作:靭帯も傷んでいることが多いので、強い回旋ストレスは禁物です
- 痛みを我慢しての運動継続:「我慢すれば早く治る」というのは誤解で、炎症を悪化させてしまいます(昔はこういう根性論、私も信じがちでした…笑)
- 患部をかばう不自然な歩き方の継続:癖になると膝や腰への負担が増えてしまいます
どれも「早く治したい」という気持ちが裏目に出やすいポイントですね。焦らず、医師や理学療法士の指示範囲内で進めていただけると安心です。
まとめ:足首骨折のリハビリは自宅ケアで歩行能力を取り戻す
ここまで、足首骨折後のリハビリについてお伝えしてきましたね。
大切なポイントをおさらいしておきましょう。
- 荷重時期は必ず医師の指示に従う(骨癒合の状態は自己判断できません)
- 荷重許可前と許可後で、行っていい運動内容がはっきり変わる
- 自宅ケアも、担当理学療法士の指示範囲内で行うことが大前提
「早く歩けるようになりたい」というお気持ち、本当によく分かります。
ただ、焦って荷重時期を早めてしまうと、かえって回復が遠回りになってしまうことがあるので、慎重に進めていただきたいです(私自身、自分が無理をしすぎて後で体調を崩してしまったことがありますので、これは強くお伝えしたいところです)。
無理のないペースで、一歩ずつ進めていくという視点を持ってみていただけると嬉しいです。
不安なことがあれば、遠慮なく主治医や担当のリハビリスタッフに相談してみてくださいね。
引用文献
[1] Lewis SR, Pritchard MW, Parker R, Searle HKC, Beckenkamp PR, Keene DJ, Bretherton C, Lin C-WC. Rehabilitation for ankle fractures in adults. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2024, Issue 9, Art. No. CD005595. DOI: 10.1002/14651858.CD005595.pub4. アクセス日: 2026年09月23日. https://www.cochrane.org/CD005595/MUSKINJ_rehabilitation-for-ankle-fractures-in-adults





