「40代で転職は遅いのかな」「若い人のほうが有利なのでは」と不安になって、動けずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。年齢が気になる気持ちは、自然なことです。
この記事では、理学療法士の年代構成や、募集・採用における年齢の考え方など、公的な情報で確認できることを整理します。あわせて、40代の方が転職を考えるときに、職務経歴の整理や、応募・面接で意識しておきたい点を紹介します。
理学療法士の年代構成から見る40代

日本理学療法士協会の会員統計(2026年3月末現在)では、会員の平均年齢は、男性36.9歳、女性35.9歳です[1]。
年代別の人数は、5歳刻みで公表されています。41〜45歳が男女合わせて17,307人、46〜50歳が13,245人で、会員全体は144,943人です[1]。
41〜50歳は、合わせて約21%にあたります[1]。この区分は、一般的な40代(40〜49歳)とは範囲が異なります。また、これは、40代の理学療法士が一定数働いているという情報で、転職しやすさの証拠ではありません。これらの統計からは、40代で転職した方の割合や、転職後の年収の変化までは分かりません。
年齢にかかわらず応募できる機会の考え方
年齢が気になるとき、法律上の考え方も知っておきましょう。労働施策総合推進法の第9条では、事業主は、労働者の募集と採用について、厚生労働省令で定めるときは、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないとされています[2]。つまり、募集や採用では、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることが、求められています。ただし、厚生労働省令には例外も定められています。たとえば、定年の年齢を下回ることを条件として、期間の定めのない労働契約で募集・採用を行う場合や、法令で特定の年齢の範囲の就業が制限されている業務の場合などです[3]。
ただし、実際の採用では、求められる経験や役割、職場の人員構成など、さまざまな要素が見られます。求人によって必要な経験や役割は異なります。年齢だけで判断せず、募集条件と自分の経験が合っているかを確認しましょう。
求人の状況をどう読むか
job tagに掲載された全国の有効求人倍率は4.67(令和7年度)です。ただし、地域や希望条件によって求人状況は異なり、この数値だけで自分に合う職場の見つけやすさは判断できません。[4]
また、この倍率は、40代に限った数値ではありません。40代の転職のしやすさや、条件の良い求人の数までは、この数字からは分かりません。
40代の転職で整理しておきたいこと

40代で転職を考えるときは、次の点を整理しておくと、判断しやすくなります。
- これまでの経験の棚卸し:担当してきた領域、後輩の指導、チームでの役割など
- 転職の目的:給与、働き方、役割、生活との両立のうち、何を優先するか
- これから関わりたい形:臨床の専門性を深める、教育に関わる、働き方を変える、これまで経験のない領域に挑戦するなど
- 家庭やお金の事情:収入の下限、勤務地、勤務時間の条件
職務経歴の整理例
次のように、職歴を書き出してみると、応募書類や面接で伝える材料になります。以下は、架空の整理の例です。
| 時期(例) | 職場・領域(例) | 担当した業務(例) | 次の職場で活かしたいこと(例) |
|---|---|---|---|
| 前半 | 急性期の病院 | 脳血管疾患のリハビリ、カンファレンスへの参加 | 多職種との連携 |
| 中盤 | 回復期の病院 | 退院に向けた調整、新人の指導 | 指導や教育の経験 |
| 現在 | 介護施設 | 通所でのリハビリ、家族への説明 | 生活の場での関わり |
書き出したあとに、「次の職場でも活かしたいこと」と「変えたいこと」を分けておくと、応募先の募集条件と照らし合わせやすくなります。
応募・面接・条件確認で意識したいこと
経験の伝え方
40代では、担当してきた領域に加えて、後輩の指導やチームでの役割といった経験も、伝える材料になります。ここでは、これまでの経験が、応募先の募集条件にどうつながるかを、自分の言葉で説明できるよう準備しておきましょう。
年齢の近い、あるいは年下の方が上司や指導者になる職場
職場によっては、年齢の近い、あるいは年下の方が、上司や指導者になることもあります。役割や指示系統、相談できる体制を、面接や見学で、事前に確認しておくと安心です。
条件が変わる可能性の確認
募集の段階で示された条件が、変更される場合もあります。入職前に、労働条件を書面で確認し、募集の内容と違いがないかを見比べましょう。
よくある質問
Q. 40代でも、応募できる求人はありますか?
A. 求人は職場によって、必要な経験や役割が異なります。年齢だけで判断せず、募集条件と自分の経験が合っているかを、求人票で確認しましょう。
Q. 年齢を理由に、募集で不利に扱われることはありますか?
A. 労働施策総合推進法の第9条は、募集と採用で、年齢にかかわりなく均等な機会を与える考え方を定めています。実際の選考では、経験や役割も見られるため、これまでの経験を整理して伝えることが大切です。
Q. 40代で転職した人は、どのくらいいますか?
A. 今回確認した公的な統計からは、40代で転職した方の割合は分かりませんでした。
Q. これまで経験のない領域に挑戦してもよいですか?
A. 選択肢の一つです。募集条件や教育体制を確認し、自分の経験とのつながりを整理してから検討しましょう。
まとめ:年齢への不安は事実と役割で整理する
- 協会会員の約21%が41〜50歳で、40代も一定数が働いている(41〜50歳の区分は40代と同一ではなく、転職のしやすさを示すものでもない)
- 募集と採用では、年齢にかかわりなく均等な機会を与える考え方が法律にある(例外もある)
- 求人によって必要な経験や役割は異なるため、募集条件と自分の経験が合っているかを確認する
- 職務経歴を整理し、応募や面接での伝え方を準備しておく
年齢への不安は、確認できる事実と、自分の経験や希望に分けて整理していくと、次に何をすればよいかが見えてきます。
引用文献
[1] 日本理学療法士協会. 統計情報. https://www.japanpt.or.jp/activity/data/. 2026年3月末現在. 2026年10月20日アクセス.
[2] 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第9条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132. 2026年10月20日アクセス.
[3] 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則(昭和41年労働省令第23号)第1条の3. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/341M50002000023. 2026年10月20日アクセス.
[4] 厚生労働省. 理学療法士(PT). 職業情報提供サイト(job tag). https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/167. 発行年不明. 2026年10月20日アクセス.





