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2025年1月23日~ブログを一時的に閉鎖、5月18日より順次記事を更新していきます。ご迷惑をおかけしておりますがよろしくお願いしたします。

【2025年版】3学会合同呼吸療法認定士とは?理学療法士が知るべき取得メリットと勉強法

呼吸
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はじめに:呼吸リハビリテーションの専門性を高めたいあなたへ

理学療法士としてキャリアを積む中で、「呼吸器疾患の患者さんにもっと専門的なアプローチをしたい」「チーム医療における呼吸療法のスペシャリストとして貢献したい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時、目標の一つとなるのが「3学会合同呼吸療法認定士」の資格です。

2021年、私自身もこの資格取得を目指し、コロナ禍での試験延期などを経験しながら準備を進めていました。この記事では、当時の経験と情報収集を元に、3学会合同呼吸療法認定士の資格取得を目指す理学療法士の方々に向けて、

  • 資格取得の意義とメリット
  • 最新の受験資格と取得までの道のり(2025年時点)
  • 効果的な学習方法のヒント

などを、網羅的に解説していきます。呼吸リハビリテーションの専門性を高めたいと考えているあなたの、次の一歩を後押しできれば幸いです。

1. 3学会合同呼吸療法認定士とは?その役割と重要性

3学会合同呼吸療法認定士は、日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会の3学会が合同で認定する資格です。呼吸療法に関する専門的な知識と技術を有し、医師の指導のもとで質の高い呼吸ケアを実践できる医療従事者を育成することを目的としています。

理学療法士だけでなく、看護師、臨床工学技士、作業療法士なども対象としており、チーム医療における呼吸療法のキーパーソンとしての役割が期待されています。

2. 資格取得のメリット:理学療法士にとってどんな意味がある?

この資格を取得することには、理学療法士にとって以下のようなメリットが考えられます。

  • 専門知識・技術の向上と体系的な学習: 資格取得のための学習過程を通じて、呼吸生理学、人工呼吸管理、呼吸リハビリテーション、関連法規など、呼吸療法に関する幅広い知識を体系的に学ぶことができます。これは、日々の臨床におけるアセスメント能力や介入の質の向上に直結します。
  • 職場での専門性の発揮と貢献:
    • 施設基準への貢献: 呼吸リハビリテーション料の算定において、施設基準の一つとして認定士の配置が求められる場合があります。資格取得者がいることで、病院の収益確保や質の高い呼吸ケア提供体制の構築に貢献できます。
    • チーム医療での役割拡大: 呼吸サポートチーム(RST)などにおいて、専門的な知識を活かして他職種と連携し、より質の高い呼吸ケアを推進する役割を担うことができます。
    • 後輩指導・教育: 呼吸療法に関する知識や技術を後輩に指導する際にも、資格は一定の信頼性と説得力を与えてくれます。
  • キャリアアップと自己成長:
    • 専門性を高めることで、自身のキャリアパスをより明確にし、専門分野での活躍の場を広げることができます。
    • 資格取得という目標を持つことで、学習意欲が刺激され、継続的な自己研鑽のきっかけとなります。
  • 資格手当など(職場による): 職場によっては、資格手当が支給される場合もあります。

3. 3学会合同呼吸療法認定士になるには?受験資格と取得までの流れ(2025年時点の確認が必須)

資格を取得するためには、認定講習会を受講し、その後の認定試験に合格する必要があります。以下は一般的な流れですが、必ず最新の公式情報を3学会合同呼吸療法認定機構のウェブサイトで確認してください。

3.1. 受験資格の確認

受験資格は、主に以下の2つの要件を満たす必要があります。(2021年当時の情報を元に記載しており、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください)

  1. 免許および実務経験年数:
    • 理学療法士の場合:免許取得後、2年以上の実務経験が必要(免許登録日から証明書類作成日まで)。
    • その他、臨床工学技士、看護師、准看護師、作業療法士もそれぞれ規定の実務経験年数が定められています。
  2. 認定委員会が認める学会や講習会への出席と点数取得:
    • 受講申し込み時から過去5年以内に、認定委員会が指定する学会や講習会に参加し、規定の点数(例:12.5点以上)を取得している必要があります。
    • 対象となる学会や講習会、点数については、認定機構のウェブサイトで詳細が公開されています。

私自身、2021年当時は回復期・一般病棟での勤務経験があり、院長に実務経験証明書を作成していただきました。また、講習会ポイントは1回の参加で必要点数を満たせるセミナーを選んで受講しました。

3.2. 認定講習会の受講

受験資格を満たしたら、認定講習会に申し込み、受講します。この講習会は、試験範囲となる公式テキストの内容を網羅するもので、非常にボリュームがあります。近年ではe-ラーニング形式での受講も可能になっている場合がありますので、最新情報を確認しましょう。

3.3. 認定試験

講習会修了後、認定試験を受験します。

  • 試験形式: マークシート方式(例:午前・午後で各70問、合計140問の五肢択一など)。
  • 試験範囲: 認定講習会の公式テキストが主な範囲となります。

私自身は、2020年度の受験予定がコロナ禍で延期となり、2021年11月に受験する予定でした。試験日程や形式についても、必ず最新の公式情報を確認してください。

4. 効果的な学習方法:広範囲な知識をどう攻略するか?

3学会合同呼吸療法認定士の試験範囲は広大であり、効率的な学習計画が不可欠です。以下に、私が当時検討したり、一般的に推奨されたりする学習方法を挙げます。

  • 公式テキストの徹底的な読み込み: これが基本中の基本です。講習会の内容と照らし合わせながら、隅々まで理解を深めましょう。
  • 過去問題集の活用: 過去に出題された問題を解くことで、出題傾向を把握し、自分の弱点を見つけることができます。解説付きの問題集であれば、理解を深めるのに役立ちます。
  • 予備校や教材の利用: 独学が難しいと感じる場合や、効率的に学習を進めたい場合は、専門の予備校が提供する対策講座や教材(例:アステッキ社の教材など、2021年当時に私が検討したもの)を利用するのも一つの方法です。これらは、重要ポイントの整理や模擬試験などが含まれていることが多いです。
  • 学習計画の立案と進捗管理: 試験日から逆算して、無理のない学習計画を立て、定期的に進捗を確認しましょう。
  • 仲間との学習: 同じ資格を目指す同僚や友人と一緒に勉強することで、モチベーションを維持しやすくなったり、疑問点を教え合ったりすることができます。
  • スキマ時間の活用: 通勤時間や休憩時間などを利用して、一問一答形式の問題を解いたり、暗記項目を見直したりするのも効果的です。

私自身の経験から: 2018年当時の記事でも触れていますが、私は「インプット→整理→アウトプット(スライド化、ブログ化など)」という学習スタイルを取ることが多いです。この方法は理解度を高めるのに有効ですが、時間がかかるというデメリットもあります。認定試験のように範囲が広い場合は、全ての内容を同じ深さで学ぶのではなく、重要度や自分の理解度に応じて学習の濃淡をつけることが重要だと感じました。

5. EBPTと臨床推論の視点から見た資格取得の意義

EBPT(根拠に基づく理学療法)の観点からも、クリニカルリーズニング(臨床推論)の質を高めるという観点からも、この資格取得のための学習は非常に有益です。

  • エビデンスに基づいた介入選択能力の向上: 呼吸療法に関する最新のガイドラインや研究論文に触れることで、より根拠に基づいた評価や治療アプローチを選択できるようになります。
  • 病態理解の深化: 呼吸器疾患の病態生理を深く学ぶことで、患者さんの状態をより正確に把握し、適切な臨床推論を行うための土台が築かれます。
  • 多職種連携における共通言語の獲得: 医師や看護師、臨床工学技士など、他職種と呼吸療法に関する専門的な議論を行う際に、共通の知識基盤を持つことは円滑なコミュニケーションに繋がります。

2018年の記事で「もう少し介入前に考えることを増やした方がいいのかな」と考察していましたが、まさにこの「考える」質を高めるために、体系的な知識の習得は不可欠です。

まとめ:呼吸療法の専門性を高め、理学療法士としての価値を向上させる

3学会合同呼吸療法認定士の資格は、取得すること自体がゴールではありません。そこで得た知識やスキルを日々の臨床に活かし、患者さんにより質の高いケアを提供し、チーム医療に貢献していくことが真の目的です。

資格取得のメリットを十分に理解し、自分自身のキャリアプランと照らし合わせた上で挑戦するかどうかを決定することが大切です。もし取得を目指すと決めたならば、計画的に学習を進め、ぜひ合格を勝ち取ってください。

私自身、2021年に受験を目指していた経験は、たとえ試験日程が変動したとしても、呼吸療法に関する知識を深める貴重な機会となりました。「いくら勉強しても臨床で使わなければ、物知りで終わる」という言葉を胸に、得た知識を日々の実践に繋げていくことが、理学療法士としての成長に不可欠だと改めて感じています。

この記事が、3学会合同呼吸療法認定士を目指す方々、あるいは呼吸リハビリテーションに関心のある方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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