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2025年1月23日~ブログを一時的に閉鎖、5月18日より順次記事を更新していきます。ご迷惑をおかけしておりますがよろしくお願いしたします。

症例報告勉強会を通して学ぶ:グループリーダーの役割と疼痛介入の深淵へ

症例報告勉強会を通して学ぶ:グループリーダーの役割と疼痛介入の深淵へ
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こんにちは。PTケイです。

今回は、私が担当することになったPT勉強会について、その準備過程や内容、そして、私が感じている課題や今後の展望について詳しくお話ししたいと思います。

勉強会の背景

当院では、理学療法士としての知識・技術の向上を目的として、月に一度、グループごとにPT勉強会を開催しています。各グループが持ち回りでテーマを設定し、30分程度の勉強会を実施するという形式です。

12月は、私の所属するグループが担当となり、私がリーダーを務めることになりました。

そこで、今回は「疼痛の介入について」というテーマを掘り下げていくことにしました。

30分間の学びを最大限に:内容の構成

「疼痛の介入」というテーマは、非常に奥深く、多岐にわたる領域です。限られた30分間で、参加者にとって有益な学びを提供するためには、綿密な計画と内容の絞り込みが不可欠です。

そこで、私は以下の3つの柱を軸に勉強会を構成することにしました。

  1. 疼痛の介入:基礎知識の確認

    • 臨床で頻繁に用いられる疼痛介入方法について、その種類や特徴、そして、それぞれの根拠となる理論を概説します。
    • 具体的には、薬物療法、物理療法、運動療法、心理療法などを挙げ、それぞれの具体的な方法や適用となる症例、注意点などを解説します。
    • 特に、近年注目されている認知行動療法やマインドフルネスなど、心理的なアプローチについても触れ、疼痛に対する多角的な理解を促します。
  2. 症例を通して学ぶ:実践的な介入

    • 2つの症例を取り上げ、具体的な疼痛介入の適用例を紹介します。
    • 1つ目は、私が担当した症例で、TKA(人工膝関節全置換術)後疼痛が増悪し、再入院となった方に対する介入についてです。
    • もう1つは、他のメンバーが担当した症例で、慢性腰痛患者に対する介入についてです。
    • 各症例について、患者の背景、疼痛の評価、介入方法、経過、そして、考察を詳しく説明することで、より実践的な知識を習得できる機会を提供します。
  3. ディスカッション:多角的な視点から考察

    • 症例報告を基に、参加者全員で活発な意見交換を行います。
    • それぞれの症例に対して、どのような介入方法が考えられるか、他に考慮すべき点はなかったかなど、多角的な視点から議論することで、より深い理解へと繋げます。
    • また、参加者自身の臨床経験を共有することで、新たな発見や気づきを得られる場となることを目指します。

グループワークで深める学び

私たちのグループは、私を含めて4名で構成されています。勉強会をスムーズかつ効果的に進めるために、それぞれの役割を明確化しました。

  • 講義担当:私
    • 上記の「疼痛の介入:基礎知識の確認」を担当します。
    • 事前に文献や資料などを用いて十分な準備を行い、分かりやすく解説することを心がけます。
  • 症例報告担当:2名
    • それぞれの症例について、詳細な報告を行います。
    • 報告内容を事前に共有し、互いにフィードバックすることで、質の高い報告を目指します。
  • ディスカッション進行担当:私
    • ディスカッションを円滑に進める役割を担います。
    • 参加者全員が積極的に意見交換できるよう、雰囲気作りや時間配分などに配慮します。

症例報告へのフィードバックを通して

先日、メンバーの一人が担当する症例報告のフィードバックを行いました。

症例は、TKA後疼痛が増悪し、再入院となった方に対する介入についてでした。

フィードバックでは、以下の点に焦点を当てて意見交換を行いました。

  • 疼痛の分析
    • 手術前の疼痛期間、体重、膝関節の熱感など、患者の状態を詳細に分析することの重要性を確認しました。
    • 特に、リハビリ前後での熱感の変化に着目し、メカニカルストレスの影響について深く考察しました。
  • 介入アプローチの検討
    • 疼痛に対して、保護と荷重練習のどちらを優先すべきか、それぞれのメリットとデメリットを比較検討しました。
    • また、患者の心理面への配慮として、fear-avoidanceモデル(恐怖回避モデル)とスタンダードPTのどちらが適しているか、具体的な適用方法について議論しました。
      • fear-avoidanceモデルとは、痛みを避ける行動が、かえって痛みを増強させ、活動性を低下させるという悪循環に陥ることを説明するモデルです。
    • さらに、疼痛に対する直接的介入と間接的介入の使い分けについても意見交換を行いました。

フィードバックを通して、相手に伝えたいことを明確に整理することの重要性を改めて認識しました。情報を整理し、簡潔に伝えることで、より理解しやすくなるだけでなく、限られた時間の中での効果的な情報伝達が可能となります。

今後の課題と展望

今回の勉強会を通して、チーム全体で疼痛介入に対する知識・技術を向上させ、日々の臨床に活かしていけるように尽力していきます。

私自身も、

  • 疼痛に関する最新の情報収集
  • 過去のレポートなどを整理し、講義資料の作成
  • プレゼンテーションスキルの向上

など、更なる努力を続けていきたいと思います。

そして、今回の勉強会が、参加者一人ひとりの学びを深め、患者さんのQOL向上に貢献できるような、実りあるものになることを願っています。

症例報告勉強会を通して学ぶ:グループリーダーの役割と疼痛介入の深淵へ

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