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研修効果を最大化!学んだ知識を実践に変える思考整理術

研修効果を最大化!学んだ知識を実践に変える思考整理術
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「せっかく高い費用と時間をかけて講習会に参加したのに、資料の山に埋もれて何から手をつけていいか分からない…」「学んだ直後はやる気に満ちていたのに、日常業務に戻ったらすっかり内容を忘れてしまった…」

あなたも、このような経験はありませんか?

講習会や研修で得られる知識は、私たちの成長にとって貴重な糧となるはずです。しかし、大量の情報をインプットしただけで満足してしまい、実践に繋げられなければ、その価値は半減してしまいます。まるで、素晴らしい食材を手に入れたのに、調理法が分からずキッチンで途方に暮れているようなものです。

こんにちは、理学療法士のPTケイです。私自身、理学療法士として、また管理者を目指す立場として、数多くの講習会に参加してきました。その中で、学んだ知識を単なる「点」で終わらせず、実践という「線」で繋ぎ、さらには成果という「面」にまで広げていくためには、受講後の「思考の整理術」が決定的に重要だと痛感しています。

この記事では、私が実践している、講習会で得た膨大な知識を整理し、着実に実践へと繋げるための具体的な3つのステップをご紹介します。この記事を読めば、あなたは学んだ知識を確実に自分のものにし、明日からの行動を変えるための具体的な武器を手に入れることができるでしょう。

目次

なぜ、学んだだけではダメなのか?思考整理が必須な理由

講習会で学んだ直後は、「よし、やるぞ!」と意気込んでも、数日経つと情熱が薄れ、結局何も変わらなかった…という経験は誰にでもあるはずです。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。それには、ちゃんとした理由があります。

脳は「忘れる」ようにできている

そもそも人間の脳は、すべての情報を記憶しておくことができません。膨大な情報の中から「重要でない」と判断したものを効率的に忘れることで、脳の容量を確保しています。これを心理学では「忘却」と呼びます。

忘却(ぼうきゃく) 記憶した事柄を思い出すことができなくなる現象のこと。特に、新しい情報をインプットしただけでは、脳はそれを一時的な情報と判断し、時間と共に忘れてしまいます。

せっかく学んだ知識も、ただインプットしただけでは、この「忘却」の波に飲み込まれてしまうのです。学びを定着させるためには、情報を自分なりに「整理し、意味付けする」というひと手間が不可欠なのです。

「暗黙知」から「形式知」へ

あなたが長年の経験で培ってきた知識やスキル、いわゆる「コツ」や「カン」を、他の人に言葉で説明するのは難しいと感じたことはありませんか?このように、言葉で説明しにくい主観的な知識を「暗黙知」と呼びます。

暗黙知(あんもくち) 個人の経験や勘に基づく、言語化することが難しい知識のこと。例えば、自転車の乗り方や、ベテラン職人の技術などがこれにあたります。

講習会で学んだ知識も、最初は自分の中にぼんやりと存在する「暗黙知」の状態です。これを、誰にでも分かるように言葉や図で表現された「形式知」に変換する作業が、思考整理です。

形式知(けいしきち) 言葉や文章、図表、数式などを用いて、客観的に表現された知識のこと。マニュアルや設計図などが代表例です。

知識を形式知化することで、自分自身の理解が深まるだけでなく、チーム内での共有や後輩への指導も可能になります。組織全体のレベルアップにも繋がる、非常に重要なプロセスなのです。

学びを実践に変える!具体的な3つの思考整理ステップ

それでは、具体的にどのように思考を整理していけば良いのでしょうか。私が実践している、誰でも簡単に始められる3つのステップをご紹介します。必要なのは、ノートとペン、もしくはPCのメモアプリやWordだけです。

ステップ1:3つの視点で情報を「仕分け」する

講習会で得た大量の情報を前にして、いきなり全てを実践しようとすると、そのあまりの多さに圧倒されてしまいます。まずは、学んだ内容を以下の3つの視点で仕分けしてみましょう。

  1. 【個人レベル】明日から自分一人で始められること
    • これは、最も手軽に、そしてすぐに行動に移せる項目です。例えば、「学んだ〇〇というコミュニケーション術を、明日の朝礼で使ってみる」「新しい評価方法を、次の担当患者さんで試してみる」など、他者の許可や協力がなくても実践できることです。小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションを維持する効果もあります。
  2. 【リーダー・チームレベル】周りを巻き込んで実践すること
    • 自分一人では完結せず、同僚や部下など、チームの協力が必要な項目です。例えば、「学んだ業務改善ツールを、自分のチームで導入できないか提案する」「勉強会を開いて、講習会の内容をチームメンバーに共有する」などです。このレベルの施策は、周囲への丁寧な説明と合意形成が成功の鍵となります。
  3. 【部門・組織レベル】組織として取り組むべきこと
    • より大きな視点で、部署全体や会社組織としての仕組みやルールに関わる項目です。例えば、「新しい人事評価制度の導入」「部門全体でのアウトカム管理指標の策定」などが挙げられます。これは、すぐに実現するのは難しいかもしれませんが、長期的な視点で組織に働きかけていくべき重要なテーマです。まずは、なぜそれが必要なのかを深く考え、上司に提案するための材料を整理することから始めましょう。

この「仕分け」作業には、PCをお持ちであればWordのアウトライン機能が非常に便利です。大項目を3つのレベルに設定し、学んだキーワードを箇条書きでどんどん入力していくだけで、頭の中が驚くほどスッキリします。

ステップ2:2つの軸で「優先順位」を決める

情報を3つのレベルに仕分けしたら、次はその中で「何から手をつけるか」という優先順位を決めます。ここで役立つのが、「効果の大きさ」と「実行の容易さ」という2つの軸で考えるマトリクスです。

(この画像はイメージです)

横軸に「実行の容易さ(簡単⇔難しい)」、縦軸に「効果の大きさ(小⇔大)」を取り、仕分けした各項目を4つの領域に配置していきます。

  1. 【A:すぐに着手すべき領域】(効果:大 × 実行:簡単)
    • 最も優先して取り組むべき項目です。少ない労力で大きな成果が期待できるため、真っ先に実行計画を立てましょう。
  2. 【B:計画的に挑戦する領域】(効果:大 × 実行:難しい)
    • 大きな成果が見込めるものの、時間や労力がかかる項目です。ステップ1で分類した「部門・組織レベル」の課題などがここに入ることが多いでしょう。これは、長期的な目標として設定し、達成までの道のりを細分化して計画を立てることが重要です。
  3. 【C:隙間時間で取り組む領域】(効果:小 × 実行:簡単)
    • すぐにできますが、大きな効果は期待できない項目です。日々の業務の隙間時間などを活用して、サッと片付けてしまいましょう。
  4. 【D:後回し、またはやらない領域】(効果:小 × 実行:難しい)
    • 労力がかかる割にリターンが少ない項目です。リソースは限られています。思い切って「やらない」と決断することも、時には重要です。

この作業を行うことで、やるべきことが明確になり、「何から手をつけていいか分からない」という状態から解放されます。

ステップ3:PDCAサイクルで「行動計画」に落とし込む

優先順位が決まったら、いよいよ具体的な行動計画に落とし込みます。ここで意識したいのが「PDCAサイクル」です。

PDCAサイクル Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのステップを繰り返すことで、継続的に業務を改善していくためのフレームワークです。

優先順位が高い項目(特にA領域とB領域)について、以下の4つの視点で具体的なアクションを書き出してみましょう。

  • Plan(計画): いつ、誰が、何を、どのように行うのかを具体的に計画します。「〇月〇日までに、学んだタスク管理術を使って自分の業務リストを作成する」というように、期限と具体的な行動をセットで考えるのがポイントです。
  • Do(実行): 計画に沿って、実際に行動します。完璧を目指さず、まずは「やってみる」ことが大切です。
  • Check(評価): 実行した結果どうだったか、計画通りに進んだか、どんな効果があったかを振り返ります。「タスクリストを作ったことで、業務の抜け漏れが減ったが、作成に時間がかかりすぎた」など、客観的に評価します。
  • Action(改善): 評価の結果を踏まえて、次の行動をどう改善するかを考えます。「次はテンプレートを使って、リスト作成時間を短縮しよう」といった改善策を考え、次のPlanに繋げます。

このサイクルを回し始めることで、講習会で得た知識は、あなたの中で単なる情報から、生きたスキルへと昇華していくのです。

さあ、あなたの学びを「価値」に変えよう

ここまで、講習会の学びを無駄にせず、実践へと繋げるための思考整理術をお伝えしてきました。

「なんだか大変そう…」と感じたかもしれません。しかし、最初から完璧にやろうとする必要はありません。まずは、次の講習会が終わった後、カフェにでも立ち寄って、ノートに殴り書きで「自分にできること」「チームでやること」「組織でやること」の3つを書き出すだけでも、大きな一歩です。

その小さな行動が、あなたの学びを忘れられない記憶として定着させ、未来のあなたを助ける強力な武器へと変えてくれます。大量の情報という原石を、思考の整理術で磨き上げ、あなただけの輝く宝石に変えていきましょう。

まとめ

今回は、講習会の学びを最大化するための思考整理術について解説しました。

  • 学びを定着させるには、インプット後の「思考整理」が不可欠。
  • ステップ1:【個人】【チーム】【組織】の3つの視点で情報を「仕分け」する。
  • ステップ2:【効果の大きさ】と【実行の容易さ】の2軸で「優先順位」を決める。
  • ステップ3:PDCAサイクルを意識して、具体的な「行動計画」に落とし込む。

この3つのステップを踏むことで、あなたは研修で得た知識を着実に実践に移し、自分自身の成長、そして組織への貢献に繋げていくことができるはずです。

健康・医学関連情報の注意喚起

本記事は、学習法や思考整理に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 心理的なお悩みなどが業務に影響している場合は、必要に応じて専門家や医療従事者にご相談ください。

研修効果を最大化!学んだ知識を実践に変える思考整理術

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