「よし、今日から早起きするぞ!」
「毎日勉強を続けるんだ!…」
そんな風に意気込んで新しい習慣を始めてみたものの、なんだかうまくいかない、続けるのが辛くなってきた、ということはありませんか?
せっかく始めた習慣が、気づけばフェードアウト…なんて、誰しも経験があるかもしれません。
実は、習慣化は「始めてから」が本当のスタートライン。順調に進んでいるように見えても、続けていく中で必ず何かしらの課題やズレが生じてくるものです。
この記事では、現在進行形で「早寝早起き→朝ブログ執筆」という習慣化に挑戦中の理学療法士である私が、PDCAサイクルを用いた「振り返り」の重要性と、その具体的な実践方法、そして実際に見えてきた課題と改善策について、リアルな体験談を交えてご紹介します。
もしあなたが習慣化の壁にぶつかっているなら、この記事に継続のためのヒントが隠されているはずです。
習慣化は一直線じゃない!だからPDCAサイクルで軌道修正する
新しい習慣を始めるとき、私たちはつい「一度決めたら、そのまま完璧にやり遂げなければ」と考えがちです。しかし、現実はそんなに単純ではありません。
実際にやってみると、
「計画通りにいかない」
「思ったより時間がかかる」
「別の問題が発生した」など、
予期せぬ事態が起こるのが普通です。
ここで重要になるのが、定期的な「振り返り」と「軌道修正」です。
ビジネスの世界でよく使われるPDCAサイクルという考え方は、習慣化を継続する上でも非常に有効なフレームワークとなります。
- Plan(計画): どのような習慣を、いつ、どのように行うか計画を立てる。
- Do(実行): 計画に基づいて実際に行動する。
- Check(評価・振り返り): 実行した結果どうだったか、計画通りに進んでいるか、問題点はないかなどを評価・分析する。
- Act(改善): 評価・分析結果に基づいて、計画や行動を改善し、次のサイクルにつなげる。
このサイクルを回していくことで、私たちは習慣化のプロセスで生じる問題を早期に発見し、より現実的で効果的な方法へと改善していくことができます。特に重要なのがCheck(振り返り)のステップ。
ここを丁寧に行うことで、なぜうまくいかないのか、どうすれば続けられるのかが見えてくるのです。
闇雲に頑張り続けるのではなく、定期的に立ち止まって現状を確認し、必要なら計画ややり方を見直す。
これが、挫折を防ぎ、習慣化を成功に導く鍵となります。
【Plan Check】計画は妥当か?私の朝活習慣プラン
では、実際に私の「早寝早起き→朝ブログ執筆」習慣について、PDCAサイクルに沿って振り返ってみましょう。まずはPlan(計画)の妥当性からです。
私の計画は以下の通りです。
- 夜: 22時30分に就寝する(目標睡眠時間:7時間30分)
- 朝: 6時に起床し、シャワーを浴び、6時20分から30分間ブログを書く
この計画で1週間ほど過ごしてみました。
結果として、朝6時起床とブログ執筆開始時間はほぼ守れており、習慣の骨格自体は機能していると感じています。
睡眠時間も、多少の変動は許容できる範囲で設定しており、万が一寝るのが少し遅くなっても、翌日の活動に致命的な影響は出ていません。
したがって、現時点での判断としては、この基本計画(Plan)を大きく変更する必要はないと結論づけました。
まずはこの計画をベースに、行動の定着を目指すのが良さそうです。
【Do Check】実際どうだった?ゼロ秒思考で行動を洗い出す
次に、Do(実行)の段階で、実際に1週間行動してみてどうだったか、感じたことや起こった事実を客観的にCheck(評価・振り返り)します。ここでは、頭の中だけで考えるのではなく、具体的に書き出すことが非常に有効です。
私は思考整理ツールとしてゼロ秒思考を活用し、感じたことをそのまま書き出してみました。
- ゼロ秒思考とは?
- マッキンゼーで活躍された赤羽雄二氏が提唱する思考トレーニング法。A4用紙に1件1分でテーマに関する考えをとにかく書き出すことで、思考のスピードと質を高めることを目指します。
【1週間の振り返りメモ(ゼロ秒思考より抜粋・整理)】
- 夜について:
- 22時30分就寝は、意識しないと達成が難しい。かなり忙しい。
- 妻の協力があってなんとか成り立っている部分もある。
- 帰宅時間によっては、帰宅から寝るまでの自由時間がほとんどない。
- 以前確保していた勉強時間(約40分)や運動、リラックスの時間が取りにくい。
- 22時30分に寝られない日も数日あった(ただし、23時までには就寝)。
- 22時半頃になると、体が慣れてきて自然と眠気を感じるようになったのは良い変化。
- しかし、夜中に目が覚める回数が増えた気がする(1~3回程度)。睡眠の質は大丈夫か?
- 朝について:
- 6時起床は、今のところ毎日クリアできている。
- シャワーを浴びて、6時20分までにPCの前に座ることも問題なくできている。
- 問題はブログ執筆時間。計画では30分だが、実際は40~50分かかっている日がほとんど。
- ブログを書く際、内容を考えながら書いたり、過去記事のデザイン修正をしたりして時間がかかっている。
- 音声入力を試したが、まだ慣れず、結局タイピングがメインになっている。
- ブログ執筆時間が延びた結果、朝食を慌ただしく済ませて出勤する日が増えた。
このように具体的に書き出すことで、漠然と感じていた問題点や、計画と実行の間のギャップが明確になりました。
【Analysis】見えてきた課題:時間、睡眠、そして計画との「ズレ」
書き出した事実(Do Checkの結果)を元に、現状の課題を分析します。
- 課題①:タイトな夜時間(帰宅後~就寝)のマネジメント 帰宅してから寝るまでの時間が短く、やりたいこと(勉強、運動、リラックス)と早寝との両立が難しい状況です。「寝る時間を守る」ことへのプレッシャーも感じています。これは、今後、帰宅後の過ごし方について新たな計画が必要であることを示唆しています。
- 課題②:睡眠の質への懸念 寝つきは良くなったものの、夜中に目が覚める回数が増えた点は気になります。睡眠時間は確保できていても、質が低下している可能性も考えられます。原因はストレスなのか、生活リズムの変化なのか、もう少し観察が必要です。
- 課題③:ブログ執筆時間の恒常的な超過 これが現時点で最も明確な「計画とのズレ」であり、朝の時間を圧迫している直接的な原因です。計画では30分でしたが、実際には大幅にオーバーしています。原因は、執筆中の思考や推敲、デザイン修正などに時間をかけすぎていることにあるようです。
このように、振り返りを行うことで、「なんとなく上手くいっていない」状態から、「具体的に何が問題なのか」を特定することができました。
【Act】次の改善策:焦らず、ボトルネックから潰していく
課題が明確になったところで、いよいよAct(改善)のステップです。特定した課題に対して、具体的な改善策を考え、次の行動計画に反映させます。
まず考えたのは、課題①の「夜時間のマネジメント」について、新たな習慣(例えば、帰宅後すぐ勉強するなど)を追加することでした。しかし、現在の「早寝早起き→朝ブログ」習慣がまだ完全に定着したとは言えない段階で、さらに新しい習慣を追加するのは、かえって負荷を増やし、挫折のリスクを高める可能性があると判断しました。
したがって、今回の改善(Act)としては、焦って新しいことを始めるのではなく、まずは現在の習慣を安定させることに注力します。
そのために、最も影響が大きい 課題③「ブログ執筆時間の超過」への対策 を最優先で行うことにしました。具体的な改善アクションは以下の通りです。
- ブログ執筆時間を厳守する(目標30分):
- スマートフォンのタイマーをセットし、30分経過したら強制的に作業を終了する。
- 執筆前に、記事の構成や要点をメモ程度にまとめておく(見切り発車を防ぐ)。
- 執筆中は内容生成に集中し、デザイン調整や細かな推敲は後回しにする(もしくは別の時間に行う)。
- 「完璧な記事を30分で」ではなく、「30分でできるところまでやる」という意識を持つ。
まずはこの改善策を実行し、ブログ執筆時間をコントロールできるようになることを目指します。
これにより、朝の時間に余裕が生まれ、精神的なプレッシャーも軽減されるはずです。
課題①(夜時間)と課題②(睡眠の質)については、すぐに対策を打つのではなく、ブログ時間改善の影響を見ながら、引き続き状況を観察し、必要であれば別途対策を検討していく方針としました。
あなたの習慣は大丈夫?今すぐできる「5分振り返り」のススメ
ここまで、私の個人的な振り返りプロセスをご紹介しましたが、この「振り返り」は、どんな習慣にも応用できる非常に有効なツールです。
もしあなたが、何か習慣化に取り組んでいる途中なら、ぜひ一度立ち止まって、簡単な振り返りを行ってみてください。
【簡単セルフチェック・5分振り返り】
- 何を習慣にしようとしていますか?(Plan)
- 計画通りに実行できていますか?(Do Check – 事実) (例:週3回ジムに行く計画 → 実際は週1回)
- 実際にやってみて、どう感じていますか?(Do Check – 感想) (例:楽しい、辛い、時間が足りない、効果を感じる、等)
- 何か問題点や改善できそうなことはありますか?(Check & Act) (例:行く曜日を変える、時間を短くする、目標を少し下げる、等)
深く考えすぎず、5分程度で構いません。紙に書き出してみると、より客観的に状況を把握できます。
大切なのは、「完璧にできていない自分」を責めるのではなく、「どうすれば続けられるか?」という視点で改善策を探すことです。
うまくいかないことがあっても大丈夫。小さな修正を繰り返しながら、自分に合ったペースで進めていくことが、習慣化成功への一番の近道です。
まとめ:振り返りが「継続する力」を育む
習慣化を成功させ、それを維持していくためには、ただやみくもに頑張るだけでなく、定期的に自分の行動を振り返り、計画を修正していくプロセスが不可欠です。
今回は、PDCAサイクル、特に Check(評価・振り返り)とAct(改善)の重要性を、私自身の朝活習慣の事例を通してご紹介しました。
- 習慣化は一直線ではなく、問題発生は当たり前。
- PDCAサイクル(特にCheck & Act)で軌道修正することが継続の鍵。
- 振り返りでは、計画の妥当性と実際の行動の両面をチェックする。
- ゼロ秒思考などを活用し、感じたことや事実を具体的に書き出すと効果的。
- 分析して課題を特定し、焦らず優先順位をつけて改善策(Act)を実行する。
- 完璧を目指さず、小さな改善を積み重ねることが大切。
私の場合は、「ブログ執筆時間の超過」という課題が見つかり、「30分厳守」という改善策を試すことにしました。あなたもぜひ、ご自身の習慣について「5分振り返り」を実践し、継続のための次の一歩を見つけてみてください。振り返る力こそが、あなたの「継続する力」を確実に育んでくれるはずです。
健康・医学関連情報の注意喚起
本記事は、習慣化、時間管理、PDCAサイクルに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 特定の疾患や睡眠に関する問題などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。