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【理学療法士が解説】子どもの睡眠時無呼吸症候群、その意外な原因とは?

【理学療法士が解説】子どもの睡眠時無呼吸症候群、その意外な原因とは?
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子どもでも睡眠時無呼吸症候群になりうる

「最近、うちの子、寝ているときによくイビキをかいていて…。」

「朝起きてもスッキリしないみたいで、日中も眠そうなんです…。」

そんな悩みをお持ちのママさん、もしかしたらお子さんは睡眠中に呼吸が止まる病気かもしれません。

医学的には「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれるこの病気は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなる病気です。

「え?子どもでもなるの?」

そう思われた方もいるかもしれません。実は、大人だけでなく、子どもにも起こる病気なんです。

今回は、子どもの睡眠時無呼吸症候群について、理学療法士の視点から詳しく解説していきます。

睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に上気道が狭くなる、または塞がることで、呼吸が止まる、または浅くなる病気です。

主な症状としては、

  • 大きなイビキ
  • 睡眠中の無呼吸
  • 頻繁な夜泣き
  • 寝汗
  • 朝起きてもスッキリしない
  • 日中の眠気
  • 集中力や記憶力の低下
  • 成長障害

などがあります。

放置すると体に悪影響?!

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、様々な体の不調につながることがあります。

例えば、

  • 高血圧: 心臓に負担をかけるため、高血圧のリスクが高まります。
  • 心臓病: 心臓病のリスクを高める可能性があります。
  • 脳卒中: 脳卒中のリスクを高める可能性があります。
  • 糖尿病: 糖尿病のリスクを高める可能性があります。
  • 発達障害: 子どもの発達に悪影響を与える可能性があります。

など、深刻な病気のリスクを高める可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群の原因は?

睡眠時無呼吸症候群の原因は様々ですが、主な原因としては、

  • 扁桃腺肥大
  • アデノイド肥大
  • 肥満
  • アレルギー性鼻炎
  • 副鼻腔炎

などが挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群になりやすいのはどんな子?

最近の研究で、睡眠時無呼吸症候群になりやすい子どもの特徴が明らかになってきました。

アメリカの研究(1)では、2歳から18歳の子どもを対象に調査した結果、

  • 肥満の子ども
  • アフリカ系アメリカ人の子ども
  • 上気道や下気道の問題がある子ども (鼻炎や喘息など)

これらの特徴に当てはまるお子さんは、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高い可能性があることが分かりました。

どうすれば睡眠時無呼吸症候群を防げるの?

睡眠時無呼吸症候群を予防するためには、

  • 肥満の予防: バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。
  • アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療: 鼻づまりがあると、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。適切な治療を受けましょう。
  • 寝室環境の改善: 寝室の湿度を適切に保ち、ハウスダストやダニを減らすようにしましょう。
  • 睡眠姿勢: うつ伏せ寝は、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める可能性があります。横向き寝や仰向け寝をさせましょう。

などが効果的です。

最後に

子どもの睡眠時無呼吸症候群は、放置すると様々な体の不調につながる可能性があります。

「もしかしたらうちの子も…?」

そう思われた方は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

理学療法士は、呼吸機能の改善や運動療法などを通して、睡眠時無呼吸症候群の治療や予防をサポートすることができます。

お気軽にご相談ください。


参考文献

(1) Redline S, Tishler PV, Schluchter M, Aylor J, Clark K, Graham G. Risk factors for sleep-disordered breathing in children. Am J Respir Crit Care Med. 1 1999 Jan;159(1):150-6.  

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