「ストレス社会」と言われる現代、誰もがストレスを感じながら生活しています。
あなたは、ストレスとどのように向き合っていますか?
今回は、東邦大学医学部の坪井康次先生の論文を参考に、自分でできるストレスマネジメント術をご紹介いたします。(坪井, 2010)
ストレスってそもそも何?
ストレスとは、外部からの刺激やプレッシャーによって、心身に負担がかかった状態のこと。
ストレスを感じると、
- 心理面: イライラ、不安、落ち込み…
- 身体面: 動悸、息切れ、頭痛…
- 行動面: 食欲不振、睡眠不足、過食…
など、様々な症状が現れます。
ストレスとの上手な付き合い方「ストレスコーピング」
ストレスをうまくコントロールし、心身の健康を保つために重要なのが**「ストレスコーピング」**です。
ストレスコーピングとは、ストレスに効果的に対処するための方法のこと。
坪井先生によると、ストレスコーピングには、大きく分けて以下の5つの種類があります。
- 問題焦点型コーピング: ストレスの原因となる問題を解決しようと行動すること。
- 例:仕事の締め切りが迫っている → 優先順位をつけて計画的に進める、他者の強力を得る
- 情動焦点型コーピング: ストレスによる感情をコントロールすること。
- 例:プレゼンで失敗して落ち込んでいる → 友人や家族に話を聞いてもらう
- 認知的再評価型コーピング: ストレスに対する考え方を変えること(前向き思考へ変える)。
- 例:仕事でミスをしてしまった → 「次は気をつけよう」と前向きに考える
- 社会的支援探索型コーピング: 周囲のサポートを得ながら、ストレスに対処すること。
- 例:仕事で悩んでいる → 上司や同僚に相談する(認めてもらう、励ましてもらう)
- 気晴らし型コーピング: 気分転換をしてストレスを解消すること。
- 例:運動、趣味、レジャーを楽しむ
未来のストレスにも備えよう!「Proactive Coping」
最新のストレスコーピング理論では、「Proactive Coping」という考え方が注目されています。
これは、将来起こりうるストレスを予測し、事前に準備しておくという方法。
Proactive Coping理論では、Reactive Coping:、Anticipatory Coping、Preventive Coping、Proactive Copingといった4つに分類されます。

Proactive Copingは、「挑戦的な目標や個人的成長を促進させるための資源の構築に関する努力」と定義されています。
つまり、ストレスを「害」や「脅威」と捉えるのではなく、「挑戦」と捉え、自己成長の機会と捉えることが重要です。
例えば、
- 新しいプロジェクトに挑戦する → 新しいスキルを身につけるチャンス!
- 人間関係で難しい問題に直面する → コミュニケーション能力を高めるチャンス!
のように、目標として捉えることで、ストレスを成長の糧に変えることができます。

特に今の世の中では将来において、不確実性は高まっております(終身雇用制の崩壊やAIや少子高齢化による仕事の変化など)。どんな情報を信じればよいのか?そしてどのような未来になるのかは誰もわかりません。その中でも。自分にとって驚異的なことに対して備えていく、対策をすること自体が安心感へと繋がるのと、前向きに挑戦していこうといったような気持ちにさせてくれるのではないかと思います。
考え方を変えてストレスを減らす「認知行動療法」
ストレスに対する考え方を変えることで、ストレス反応を減らす方法として「認知行動療法」があります。
認知行動療法では、
- 「自分はダメだ…」
- 「どうせうまくいかない…」
といったネガティブな思考パターンに気づき、
- 「次は頑張ろう!」
- 「できることからやってみよう!」
と、より前向きな考え方に変えていくことで、ストレスを軽減していきます。
ストレスを味方につける!
ストレスは、必ずしも悪いものではありません。
適度なストレスは、集中力やモチベーションを高め、パフォーマンス向上に繋がることもあります。
ストレスと上手に向き合い、ストレスを味方につけることができれば、より充実した毎日を送ることができるでしょう。
参考文献
- 坪井康次 (2010). ストレスコーピング ─自分でできるストレスマネジメント─. 心身健康科学, 6(2), 59-64.