こんにちは、PTケイです。
前回は、うつ病について解説しました。
今回は、 青年期のうつ病 に対する 運動の効果 についてお話します。
近年、子どもや若者の間でうつ病が増加傾向にあり、深刻な問題となっています。
学業や友人関係、将来への不安など、様々なストレスにさらされる青年期は、心身のバランスを崩しやすく、うつ病のリスクも高まります。
しかし、最新の研究によると、運動が青年期のうつ病に効果的なことが明らかになってきました。
今回は、その研究結果を踏まえ、青年期のうつ病を改善するための運動法について詳しく解説していきます。
なぜ運動がうつ病に効果的なの?
運動すると、セロトニンやドーパミンといった “幸せホルモン” が分泌されます。
これらのホルモンは、気分の高まりや幸福感、リラックス効果をもたらし、うつ病の改善に役立ちます。

運動で得られる効果
- うつ症状の改善
- ストレス解消
- 自尊心の向上
- 睡眠の質向上
- 集中力アップ
- 体力向上
最新の研究結果:どんな運動が効果的なの?
Wangら(2022)は、青年期のうつ病に対する運動の効果を調べた研究をまとめて分析しました。
その結果、運動は青年期のうつ病の改善に 中程度の効果 があることがわかりました。
これは、薬物療法や精神療法にも匹敵する効果です。
さらに、運動の種類や時間、頻度によって効果が異なることも明らかになりました。
うつ病と診断された青少年の場合
- 有酸素運動 が効果的
- 週に 3~4回 、 30分 程度の運動が効果的
- プログラム期間は 6週間 が効果的
うつ病の症状がある青少年の場合
- 有酸素運動 と レジスタンス運動 の組み合わせが効果的
- 週に 3回 、 75~120分 程度の運動が効果的
- プログラム期間は 8週間 が効果的
- 中強度 の運動が効果的
注意点
- ヨガ(※)は、今回の研究では効果が認められませんでした。
- 運動の効果には個人差があります。
おすすめの運動
- 有酸素運動: ランニング、ウォーキング、水泳、サイクリング、ダンスなど
- レジスタンス運動: 筋力トレーニング、自重トレーニングなど
これらの運動を、上記の研究結果を参考にしながら、組み合わせるのがおすすめです。

例えば、うつ病と診断された青少年であれば、
週に3~4回、30分程度のランニングを6週間続けることから始めてみましょう。
うつ病の症状がある青少年であれば、
週に3回、75~120分程度の筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせたプログラムを8週間続けるのが良いでしょう。
運動を始める際の注意点
- 病気や怪我がある場合は、事前に医師に相談しましょう。
- 自分のペースで、徐々に運動量を増やしていきましょう。
- 毎日でなくても良いので、習慣化することが大切です。
- 運動の効果を感じられない場合は、運動の種類や時間、頻度を見直してみましょう。
- 専門家の指導を受けることも有効です。
運動で心も体もリフレッシュ!
運動は、うつ病の改善だけでなく、心身の健康にも繋がります。

ぜひ、日常生活に運動を取り入れて、心も体もリフレッシュしましょう!
重要なお知らせ
本記事は、うつ病に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 うつ病などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。
※また、あくまで研究の結果を参考にしているので、ヨガの効果がないわけではありません。ヨガをやりたいと思っている場合は、ぜひチャレンジしてみる方が良いかと思います。
参考文献
Wang, S., Cai, Z., Jiang, W., Fan, Y., Sun, W., & Wang, X. (2022). Effects of exercise on depression in adolescents: A systematic review and meta-analysis. Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health, 16(1), 1-14.

