血液透析を受けている患者さんは、様々な体の不調を抱えていることが多いですよね。
むずむず脚症候群や、うつ病、疲労感など、辛い症状に悩まされている方もいるかもしれません。
これらの症状を和らげるために、運動療法が効果的である可能性を示した、画期的な研究結果が発表されました。
なんと、この研究は、世界中の血液透析患者さんを対象とした運動療法の研究結果を、くまなく集めて分析した初めてのメタアナリシスなんです!

今回は、2017年に中国の四川省の科学技術計画プロジェクトが行った、この画期的なメタアナリシスの結果をもとに、運動療法が血液透析患者さんの体にどのような影響を与えるのか、詳しく解説していきます。
運動療法の効果
この研究では、PubMed、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature、PsycINFO、Web of Scienceといった医学系のデータベースから、1997年から2017年までに発表された、血液透析患者を対象とした運動トレーニングのランダム化比較試験を収集し、分析を行いました。
その結果、運動トレーニングは、血液透析患者のむずむず脚症候群、うつ病、疲労の重症度を軽減するのに役立つ可能性があることが示されました。
むずむず脚症候群への効果
むずむず脚症候群は、脚に不快な感覚があり、脚を動かしたいという衝動に抵抗できない神経障害です。

血液透析患者では、むずむず脚症候群の有病率が高いことが知られています。
運動トレーニングは、むずむず脚症候群の症状を軽減するのに役立つ可能性があります。
うつ病への効果
うつ病は、気分の落ち込み、興味や喜びの喪失、疲労感、集中力や睡眠の障害などの症状を特徴とする精神疾患です。
血液透析患者では、うつ病の有病率が高いことが知られています。
運動トレーニングは、うつ病の症状を軽減するのに役立つ可能性があります。
疲労への効果
疲労は、体力的、精神的な活動を行うことが困難な状態です。血液透析患者では、疲労の有病率が高いことが知られています。

運動トレーニングは、疲労感を軽減するのに役立つ可能性があります。
睡眠の質への影響
今回の研究では、運動が血液透析患者の睡眠の質に与える影響については、はっきりとした結論は得られませんでした。運動が睡眠の質を改善するという研究結果もありますが、改善しないという研究結果もあり、さらなる研究が必要です。
この研究の強みと限界
この研究は、血液透析患者の様々な症状に対する運動療法の効果を調べた、質の高い研究です。
強みとしては、
- 世界中の様々な医学研究の結果をまとめて分析しているため、信頼性が高い
- 血液透析患者における運動療法の効果を包括的に調べている
点が挙げられます。
一方、限界としては、
- 運動の種類や強度、頻度などが異なる研究をまとめて分析しているため、結果の解釈が難しい
- 睡眠の質への影響については、はっきりとした結論が得られなかった
点が挙げられます。
まとめ
運動トレーニングは、血液透析患者さんのむずむず脚症候群、うつ病、疲労の重症度を軽減するのに役立つ可能性があります。
血液透析を受けている方で、これらの症状に悩まされている方は、運動療法を試してみる価値はあるかもしれません。
ただし、運動療法を始める前に、必ず医師に相談してください。
参考文献
- Song YY, Hu RJ, Diao YS, Chen L, Jiang XL. Effect of exercise training on restless legs syndrome, depression, sleep quality and fatigue in hemodialysis patients: a systematic review and meta-analysis. Int Urol Nephrol. 2017 Nov;49(11):1943-1954. doi: 10.1007/s11255-017-1674-8. Epub 2017 Sep 7. PMID: 28884266.
重要なお知らせ
本記事は、血液透析患者における運動療法に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。
むずむず脚症候群、うつ病、疲労などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。