「ストレス社会」という言葉をよく耳にする現代。仕事や人間関係、将来への不安など、様々なストレスに悩まされている方は多いのではないでしょうか?
ストレスは様々な病気の原因にもなり、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
「何か効果的なストレス解消法はないかな?」
そんな風に思っている方もいるかもしれません。
実は、瞑想がストレス軽減に効果があるという研究結果が多数報告されています。
今回は、瞑想がストレス関連疾患に及ぼす影響について、過去30年間の研究を網羅的に再分析した論文をもとに解説していきます。
瞑想に関する日本の文献レビュー
2013年日本 の奥野元子は、 ストレス関連疾患に対する瞑想の有効性についての レビューを行いました。その結果、 超越瞑想(TM)は血圧を下げ、高血圧や心血管疾患を軽減し、マインドフルネスに基づくストレス低減法(MBSR)は免疫機能を改善し、患者の生活の質を向上させ、慢性疼痛症状を軽減し、禅瞑想(ZM)は自律神経系を安定させることが報告されました。

3つの瞑想を比較
この研究では、過去30年間の瞑想と疾患に関する研究論文を分析し、瞑想がストレス関連疾患にどのような影響を与えるかを調査しました。
その結果、これらの瞑想は、ストレス関連疾患の予防や症状の軽減に役立つ可能性を示唆しています。
以下にウィキペディアの情報ですが、3つの瞑想の違いについて整理してみました。結果の欄は今回の研究からわかった内容のみを記載しました。
瞑想の種類 | 超越瞑想(TM) | マインドフルネスストレス低減法(MBSR) | 禅瞑想(ZM) |
概要 | 特定の音声(マントラ)を繰り返し唱えることで、思考を静め、意識を深い休息状態へと導く瞑想法 | 呼吸や身体感覚に意識を向け、「今この瞬間」に集中する瞑想法 | 座禅を組んで姿勢を正し、呼吸を整え、無念無想の状態を目指す瞑想法 |
指導者 | 資格を持った教師 | ジョン・カバットジン博士 | 禅僧 |
瞑想時間 | 1日に10〜20分、2回 | プログラムにより異なる(例:8週間のプログラム) | 特に決まっていない(個人のペースに合わせて行う) |
瞑想中の姿勢 | 楽な姿勢で座る | 座る、横になる、歩くなど様々な姿勢で行う | 座禅を組む |
呼吸法 | 自然な呼吸 | 呼吸に意識を向ける | 呼吸を意識する |
瞑想中に意識すること | マントラを唱える | 今この瞬間の呼吸や身体感覚に意識を向ける | 無念無想の状態を目指す |
期待される効果 (今回の研究からわかったこと) | 血圧を下げ、高血圧や心血管疾患を軽減する効果がある | 免疫機能を改善し、生活の質を向上させ、慢性疼痛を軽減する効果がある | 集中力・洞察力の向上、自律神経系を安定させる効果がある |
その他 | マントラは、資格を持った教師から個人的に伝授される | ヨガやボディスキャンなど、様々な瞑想技法を学ぶ | 厳しい修行を伴う場合がある |
どのような人におすすめか | 瞑想初心者、短時間で効果を実感したい人 | ストレスや痛みを抱えている人、感情コントロールや自己理解を深めたい人 | 精神的な安定を求めたい人、自己の内面を探求したい人 |
参考資料 | 超越瞑想 – Wikipedia | マインドフルネスストレス低減法 – Wikipedia | 坐禅 – Wikipedia |
瞑想を日々の行動に落とし込むには?
瞑想は、特別な道具や場所を必要とせず、どこでも手軽に行うことができます。

ストレスを感じた時や、リラックスしたい時には、数分だけでも瞑想を試してみてはいかがでしょうか。
瞑想の方法は様々ありますが、初心者の方には、呼吸に意識を集中する瞑想がおすすめです。
- 静かな場所で楽な姿勢で座る
- 目を閉じ、数回深呼吸をする
- 呼吸に意識を集中し、呼吸をするたびに「吸う」「吐く」と心の中で繰り返す
- 雑念が浮かんでも気にせず、また呼吸に意識を戻す
まとめ
この記事では、瞑想がストレス関連疾患に及ぼす影響について解説しました。
瞑想は、ストレスを軽減し、心身の健康を改善する効果が期待できます。
ぜひ、日々の生活に瞑想を取り入れて、心身ともに健やかな毎日を送りましょう。
参考文献
- 奥野 元子. (2013). ストレス関連疾患に対する瞑想の有効性についてのレビュー. 人体科学, 22(1), 19-31.
重要なお知らせ
本記事は、ストレス関連疾患に対する瞑想の効果に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。
メンタル関連疾患の診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。