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【要注意!?】転倒経験が心身に与える影響と、今日からできる対策

【要注意!?】転倒経験が心身に与える影響と、今日からできる対策
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皆さん、こんにちは!理学療法士のPTケイです。

高齢になると、ちょっとしたことで転んでしまう…なんてこと、ありますよね。でも、「転んだくらい、大したことない」と軽く考えていませんか?

実は、転倒は、その後の心身の健康に大きな影響を与える可能性があるんです!今回は、転倒と、その後の歩行や運動機能、メンタルヘルスとの関係について、最新の研究結果をもとに解説していきます。

えっ、転ぶとこんなに影響が!?

2022年8月30日 キャサリン・パーク氏らの研究グループは、International Journal of Environmental Research and Public Healthに掲載された論文において、転倒歴と歩行、バランス、身体活動、うつ病、転倒恐怖症、および運動能力との関連を6ヶ月間の追跡調査で明らかにしました。

この研究では、65歳以上の高齢者163人を対象に、

  • 過去1年間に転んだことがあるかどうかで、2つのグループに分け
  • ウェアラブルセンサーを使って、歩行やバランス、身体活動を詳しく測定
  • アンケートで、うつ状態や転倒への不安感を評価
  • 運動能力テスト(Timed Up and Goテスト)を実施

図 1.

(A)歩行およびバランスパフォーマンス評価のためのウェアラブルセンサーとその配置。

(B)身体活動評価のためのペンダントセンサーとその配置。

※下記の、参考文献の引用です。

という方法で、6ヶ月間にわたって、転倒経験の有無が心身に与える影響を調べました。

この研究は、過去の研究と比較して、ウェアラブルセンサーを用いて、歩行、バランス、身体活動を客観的に評価した点と転倒歴のある高齢者とない高齢者を6ヶ月間追跡調査した点が優れているといえます。

研究でわかったこと:転倒経験者は、心身の機能低下が加速する!

この研究から、過去に転んだことがある人は、転んだことがない人に比べて、

  • 歩くのが遅くなる
  • 身体活動量が減る
  • うつ状態になりやすい
  • 転倒への不安感が強い
  • 運動能力が低い

ということがわかりました。

さらに、転倒経験者は、6ヶ月後には、

  • 身体活動量の低下が加速する
  • 運動能力の低下が加速する

ということも明らかになりました。

数字から見えてくる注意点

転倒はフレイルの前兆かもしれません。 この研究はフレイルに関する研究ではありませんが、転倒によってフレイルが加速してしまうことが考えられます。

フレイルについて詳しく知りたい方は、【フレイル予防のカギは”健康リテラシー”!?】 知って得する、健康長寿の新常識!をご覧ください。

この研究は、「転倒経験」と「心身の機能低下」の関連性を示していますが、直接的な因果関係を証明するものではありません。

なぜなら、この研究は「観察研究」と呼ばれるデザインだからです。観察研究では、研究者が参加者の生活に介入せず、データを集めて分析します。そのため、「転倒が心身の機能低下を引き起こす」のか、「心身の機能が低下しているから転びやすい」のか、あるいは「別の要因が両方に影響している」のかを区別することが難しいのです。

今日からできる!転倒予防のための3つの対策

転倒を防ぎ、心身の健康を維持するためには、どうすればよいのでしょうか?今日からできる、3つの対策をご紹介します!

  1. バランスと筋力を鍛える運動:
    • ウォーキングや水中運動、ヨガ、太極拳など、無理のない範囲で運動を続けましょう。
    • 片足立ちやスクワットなど、自宅でできる簡単なトレーニングも効果的です。
  2. 安全な住環境を整える:
    • 床の段差をなくしたり、手すりをつけたりするなど、転びにくい環境を整えましょう。
    • 照明を明るくし、足元が見えやすいようにしましょう。
    • 滑りやすい床には、滑り止めマットを敷きましょう。
  3. 定期的な健康チェック:
    • かかりつけ医に相談し、定期的に健康状態をチェックしましょう。
    • 視力や聴力、骨密度などの検査も、必要に応じて受けましょう。
    • 薬の副作用でふらつきが出ることがあるので、服用している薬があれば医師や薬剤師に相談しましょう。

まとめ:転倒を予防して、健康寿命を延ばそう!

今回の研究結果は、転倒が、その後の心身の健康に、いかに大きな影響を与えるかを示しています。

「転んだくらい…」と軽く考えずに、今日からできる転倒予防対策を実践して、健康寿命を延ばしましょう!

参考文献:

  • Park, K.; Atique, M.M.U.; Mishra, R.; Najafi, B. Association between Fall History and Gait, Balance, Physical Activity, Depression, Fear of Falling, and Motor Capacity: A 6-Month Follow-U 1 p. Int. J. Environ. Res. Public Health 2022, 19, 10785.  

健康・医学関連情報の注意喚起:

本記事は、転倒予防に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 持病のある方や、転倒のリスクが高い方は、必ず医療従事者にご相談ください。

【要注意!?】転倒経験が心身に与える影響と、今日からできる対策

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