皆さん、こんにちは!PTケイです。
新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちの生活に大きな影響を与えました。特に、高齢者の皆さんにとっては、外出自粛や社会的交流の制限など、つらい状況が続いているのではないでしょうか。
今回は、コロナ禍における高齢者の運動不足とうつ病の増加について、最新の研究結果をもとに解説していきます。
えっ、座りっぱなしがうつ病を悪化させる!?動かないことが想像以上に良くない
2021年4月29日 ラムキンカー・ミシュラ氏らの研究グループは、Sensorsに掲載された論文において、COVID-19パンデミック中の移動性の低下と高齢者のうつ病の増加との関連をウェアラブルセンサを用いた縦断的遠隔移動モニタリングで明らかにしました。

この研究では、高齢者の方々に、
- ペンダント型のウェアラブルセンサーを装着
- パンデミック前後の身体活動と睡眠を測定
- うつ病のアンケートに回答
という方法で、コロナ禍での生活の変化を詳しく調べました。
研究でわかったこと:コロナ禍で高齢者の生活はどう変わった?
この研究から、コロナ禍で高齢者の生活に以下のような変化が見られたことがわかりました。
- 立っている時間が32.7%減少
- 歩く時間が52.2%減少
- 1日の歩数が55.1%減少
- 座っている時間が20.5%増加
- うつ病の症状が150%増加
さらに、
- うつ病の悪化は、長時間の座りっぱなし、歩く速さの低下、睡眠時間の短縮と関係している
ということも明らかになりました。
今回の研究の注意点
この研究は、観察研究であり「コロナ禍での移動性の低下」と「うつ病の増加」の関連性を示していますが、直接的な因果関係を証明するものではありません。
しかし、座りっぱなしの生活や運動不足が、心身の健康に悪影響を与えることは、多くの研究で示されています。
また、今回の研究はサンプルサイズが10人と少ない点に注意が必要です。デザインは悪くないですが、もう少し、サンプルサイズを増やした研究が今後必要という状態ではあります。
外出できなくてもできる運動不足解消法
コロナ禍でも、自宅でできる運動はたくさんあります!

1. 椅子を使った簡単エクササイズ
- 椅子に座ったまま、足踏みをする
- 椅子に座ったまま、足首を回す
- 椅子に座って、背筋を伸ばしたり、体をひねったりする
2. 室内ウォーキング
- テレビを見ながら、部屋の中を歩き回る(もしくは足踏みをする)
- 音楽に合わせて、足踏みをする
- 廊下や階段を使って、ウォーキングをする
3. オンライン動画を活用
- YouTubeなどの動画サイトで、高齢者向けの体操やストレッチ動画を探してみる
- オンラインフィットネスサービスを利用する
まとめ:コロナ禍でも、心と体の健康を守ろう!
今回の研究結果は、コロナ禍で高齢者の運動不足とうつ病が深刻化していることを示しています。
「外に出られないから…」 「運動は苦手だから…」
と諦めずに、ぜひ今日から、自宅でできる運動を始めてみましょう!
参考文献:
- Mishra, R., Park, C., York, M. K., Knick, M. E., Wung, S. F., Naik, A. D., & Najafi, B. (2021). Association between Reduced Mobility during COVID-19 Pandemic and Increased Depression in Older Adults: A Longitudinal Remote Mobility Monitoring Using Wearable Sensors. Sensors, 21(9), 3090.
健康・医学関連情報の注意喚起:
本記事は、COVID-19パンデミック中の高齢者の運動不足とうつ病に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 うつ病などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。