こんにちは、PTケイです。
あなたの腸内環境、大丈夫ですか?
実は、腸内環境は私たちの免疫力に大きく関わっているんです。
「最近風邪を引きやすい…」
「なんだか疲れやすい…」
そんなあなた、もしかしたら腸内環境が乱れているのかもしれません。
今回は、そんな腸内環境を整え、免疫力を高める強い味方「プロバイオティクス」について、最新の研究をもとに徹底解説します!
研究紹介
2023年1月2日、イタリアのキアラ・マツオッタ氏らの研究グループは、プロバイオティクス細菌の免疫細胞に対する作用メカニズムと、ヒトの健康への有益な効果について、これまでの研究をまとめたレビュー論文を発表しました。
その結果、プロバイオティクスは腸内の免疫細胞や、そこに住み着く微生物たちと相互作用することで、免疫機能を調整し、私たちの健康に良い影響を与える可能性があると報告しました。
プロバイオティクスが免疫力を高めるメカニズム
プロバイオティクスが免疫力を高めるメカニズムは、実はまだ完全に解明されていません。

しかし、これまでの研究から、主に以下の3つの働きが考えられています。
- 腸内フローラのバランスを整える: プロバイオティクスは、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことで、腸内フローラのバランスを整えます。
- 腸内フローラ:腸内に生息する多種多様な細菌の集まりのこと。
- 免疫細胞を活性化: プロバイオティクスは、腸内の免疫細胞(マクロファージや樹状細胞など)を活性化し、外敵から体を守る力を高めます。
- マクロファージ:体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を食べて処理する免疫細胞。
- 樹状細胞:免疫細胞に異物の情報を伝え、攻撃の指令を出す司令塔のような役割を持つ免疫細胞。
- 炎症を抑える: プロバイオティクスは、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)の産生を抑え、過剰な炎症反応を抑制します。
- サイトカイン:細胞間の情報伝達を行うタンパク質。免疫反応や炎症反応を調節する。
様々な病気の予防・改善への期待
プロバイオティクスは免疫力を高めることで、様々な病気の予防や改善に役立つ可能性があると期待されています。
具体的には、以下のような病気に対する効果が研究されています。
- アレルギー: プロバイオティクスは、アレルギー反応に関わる免疫細胞のバランスを整え、症状を緩和する可能性があります。
- 下痢: プロバイオティクスは、腸内環境を整え、下痢の期間を短縮する効果が報告されています。
- 炎症性腸疾患 (IBD): プロバイオティクスは、腸の炎症を抑え、IBDの症状を改善する可能性があります。
- 炎症性腸疾患 (IBD):クローン病や潰瘍性大腸炎など、腸に炎症が起こる病気の総称。
- 感染症: プロバイオティクスは、免疫力を高め、感染症にかかりにくくする可能性があります。
- その他: 特定のがんなど。
積極的にプロバイオティクスを摂取するには?
プロバイオティクスは、ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品に多く含まれています。これらの食品を積極的に摂取することで、プロバイオティクスを補給することができます。

また、サプリメントとしてプロバイオティクスを摂取することも可能です。ただし、サプリメントを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 菌の種類: プロバイオティクスの効果は菌の種類によって異なります。自分の目的に合った菌種を選びましょう。
- 菌の数: 十分な効果を得るためには、ある程度の菌数が必要です。
- 品質: 品質管理がしっかりしているメーカーの製品を選びましょう。
まとめ
プロバイオティクスは、腸内環境を整え、免疫力を高めることで、私たちの健康に様々な良い影響をもたらす可能性があります。 今回の研究結果からも、プロバイオティクスの可能性が改めて示されました。
毎日の食事に発酵食品を取り入れたり、サプリメントを活用したりして、積極的にプロバイオティクスを摂取し、免疫力をアップさせましょう!
参考文献
- Mazzotta, C.; Trotta, T.; Lu, M.; Del Re, B.; Delvecchio, W.; Modesto, M.; Giammanco, A.; De Simone, C.; Silvestrelli, G.; Paparella, A.; et al. The Mechanisms of Action of Probiotic Bacteria on Immune Cells and the Resultant Effects on Human Health. Cells 2023, 12, 184.
健康・医学関連情報の注意喚起
本記事は、プロバイオティクスに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 疾患の診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。