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臨床中の痛み軽減効果-下降性疼痛抑制系-

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はじめに

こんばんは。今日も休みだったのですが、家から出ませんでした・・・。いろいろ暇だったのですが、勉強やら読書やらしておりましたね。そしたらあっという間に一日終わりそうです。とりあえず、本日14日に開催予定の疼痛の勉強会の準備をしていたわけですが、主に下降性疼痛抑制系についての勉強をしました。

日々の臨床において疼痛とどう関わっているか

リハビリ中に患者さんにいろいろなアプローチを行うわけですが、痛みが軽減する人とそんなに軽減しない人がいるのは、理学療法士なら誰しも経験しているのではないでしょうか。

痛みが改善しやすい人の中には、特別疼痛に対してアプローチしていないのに痛みがよくなったという方もいますよね。たまにえっ!?って思うこともありますね笑

また、きちんと評価して、疼痛誘発する動きを見つけ、しっかりアプローチすることで、普段は痛みがあまり変わらなかった人も、痛みが軽減することもあります。

そして、あらゆる評価を尽くし、疼痛誘発を行っても、痛みが軽減しない人が存在します。

こういった、人によって感じ方が異なり、改善効果も異なるのが疼痛治療の難しいところであり、理学療法士の腕の見せ所であり、奥が深く、やりがいがあるところでもあるのかもしれません。患者さんの良くなったときの喜びをなんとか引き出したいところです。

なので、理学療法士は、疼痛についての知識を更新し、新たな知見を得て、実際の介入に結び付けて結果を出すところまでしっかりやるべきだと考えます。

今回のPT勉強会では、痛みの最新知見から具体的アプローチまでを簡単に説明することが目標になりました。それも15分程度(自分の使える時間)

下行性疼痛抑制系について

上記のように疼痛患者の反応の違いは、実は神経系の影響があるわけです。

徒手療法(マニュアルセラピー)や温熱療法などの介入は当然、感覚受容器を介して脊髄を介して脳へ伝わるわけですね。

これらの介入により、疼痛の軽減が生じるわけですが、それらの効果は梢から一度脳を介し、中脳中心灰白質(PAG)というところから、下降性疼痛抑制系により、脊髄後根神経(痛みを脳へ伝える神経細胞)を抑制することで、痛みの信号を脳へ伝ること自体を抑制することで疼痛が軽減するとのことです。

つまり、臨床中の介入効果として下降性疼痛抑制系により痛みが軽減するということになります。

今回勉強した資料にはありませんでしたが(おそらく疼痛のことだけを考えた場合の講習会資料のため)、別の講習会などでは、結合組織などの硬度を改善し、運動性の改善と腹内側系(腹圧を高めるなどの作用がある)により運動性改善と安定性の向上を図ることで、動作の改善を図ることができると考えています。つまり、患者さんのことを考えれば、やはりモビライゼーションにより身体の状態を変えていくことがもとめられると思います。

話がそれてしまいましたが、脳の基質的変化がない患者さんについては、こういった下降性疼痛抑制系による効果などが表れやすいのだと思います。

慢性疼痛患者の場合、下降性疼痛抑制系が働きにくい

しかし、

慢性疼痛患者では脳、特に前頭前野などに萎縮や灰白質の減少を認めることや、それと関連して下降性疼痛抑制系の減弱、DNIC(広汎性侵害抑制調節)の減弱を認めること、さらに、Mesolimbic dopamine system という報酬系からの側坐核を活性化し、下降性疼痛抑制系を促通する経路も情動障害により抑制されてしまうことが言われておりました。

こういった理由で、臨床中に疼痛の軽減効果が得られにくいのだというわけですね。

疼痛が軽減しにくい患者への対応

では、どういった介入が有効か?

その一つは、快刺激であり、運動療法であるとのことです。

快刺激は、快適な音楽や好きな写真などでの疼痛軽減を認めたりする文献もあるようです。介入では触る際などに特に注意が必要かなと思います。

運動療法は、慢性疼痛部位ではなく、その他の部位に対して行うことが有効とのことでした。実際に経験したことがありますが、まったく疼痛と関係ない自主練習を行うことで疼痛が軽減することがあります。

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