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【厚生労働省推奨】快適なデスク環境を作るための完全ガイド‐理学療法士が解説‐

デスクワークの疲労撃退 姿勢・光・動きの科学的アプローチ
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Aさん

はぁ…。最近、夕方になると目の奥が重いし、肩もガチガチで…。

Bさん

わかる。

在宅ワークが増えてから、余計に腰痛がひどくなった気がしない?

PTケイ

お二人とも、その辛さは『気合』や『年齢』のせいではありませんよ。

実は、毎日向かっているその『環境』が、
体に合っていないサインかもしれません。

みなさん、こんにちは。心身健康ラボの管理人のPTケイです。

「良い椅子を買えば解決する」と思っていませんか?
実はデスクワークの疲労は、「姿勢」「光」「空気」そして「動き」の組み合わせで決まります。

この記事を読めば、あなたのデスク周りを「疲れを溜めないコックピット」に変えるための科学的なポイントと、明日からできる具体的な対策がわかります。

目次

1分でわかる要約

🌱 この記事の結論:環境を「自分」に合わせる

  • ✅ 【姿勢】足裏は「床」につける 椅子と机の高さは、肘が90度、足の裏が床にべったりつく位置が正解です。調整できない場合は、足台やクッションで「自分を合わせる」のではなく「環境を自分に合わせ」ましょう。
  • ✅ 【光】明るすぎはNG、ルールは「20-20-20」 画面は書類より明るくならないように。そして20分ごとに20フィート(約6m)先を20秒見ることで、眼精疲労の蓄積を防ぎます。
  • ✅ 【動き】「ちょこっと運動」で痛みは減る 座りっぱなしは万病の元。仕事の合間のたった3分の運動(ストレッチやスクワット)を2ヶ月続けるだけで、腰痛と気分の改善効果が実証されています。
  • 🕊 PTケイのひとこと: 環境設定は、一度やってしまえば効果がずっと続く「最強の投資」です。まずは今、モニターとの距離を測ることから始めてみませんか?

研究紹介

2019年・2024年、日本の厚生労働省や和歌山県立医科大学の研究者らが発表したガイドラインおよび研究によると、情報機器作業(VDT作業)における環境調整と運動介入が、心身の健康に与える具体的な影響が示唆されています。

今回は、これらの公的なガイドラインと最新の研究を紐解いていきましょう。


1. 「姿勢」の科学:身体を拘束しないセッティング

デスクワークにおける身体的負担、特に筋骨格系(首・肩・腰)の痛みは、作業環境の「拘束性」に大きく依存します。身体に合わない環境で長時間作業することは、常に小さなストレスを身体に与え続けているのと同じです。

厚生労働省のガイドラインでは、以下の基準が推奨されています。

  • 椅子の高さ:
    深く腰掛けた状態で、足の裏全体が床に接するようにします。
    目安は床から37cm〜43cmの範囲です。
  • デスクの高さ
    椅子に座って手を置いたとき、肘の角度が90度以上になる高さが理想です。
    調整機能がない場合、平均的な目安は65cm〜70cmですが、
    合わない場合はフットレスト(足台)などで調整が必要です。
  • 空間の確保
    机の下には、脚が自由に動かせる広さを確保してください。
PTケイ

理学療法士として食堂や会議室でいろいろな人の座位姿勢を見てしまいます。(職業病?w)
興味深いのは、足の裏を床にしっかり設置している人がほとんどいないことです。

足が床についていないと、体重の支えが不安定になり、腰への負担が激増します。
もしオフィスの椅子が高すぎるなら、空き箱や雑誌を重ねて「即席の足台」を作るだけでも、腰は驚くほど楽になりますよ。

2. 「光」の科学:脳と眼を守る明暗コントロール

眼精疲労、いわゆる「疲れ目」は、単なる目の問題にとどまらず、頭痛や肩こり、さらには自律神経の乱れにもつながります。これを防ぐポイントは「明暗差」と「距離」です。

  • ディスプレイの距離と高さ
    眼から40cm以上離し、画面の上端が眼の高さと同じか、やや下になるように設置します。
    視線が下がることで、まぶたが下がり、目の乾燥(ドライアイ)を防ぐことができます。
  • 照度(明るさ)のバランス
    手元の書類やキーボードは300ルクス以上、ディスプレイ画面は500ルクス以下が推奨されています。
    画面が明るすぎると、それが「グレア(まぶしさ)」となり眼への負担になります。
  • 20-20-20ルール
    欧米や日本のガイドラインでも推奨されているのが、「20分おきに、20フィート(約6メートル)先を、20秒間見る」というルールです。
    これにより、凝り固まった目のピント調節筋をリラックスさせることができます。
PTケイ

うつ病で休職していた時、パソコンの光が突き刺さるように辛かったのを覚えています。

光は脳への強い刺激になります。
私は、夜間は基本的にPC作業は行わないようにしています。

3. 「動き」の科学:座りっぱなしをリセットする

どれほど良い椅子を使っても、「長時間座り続けること」自体が健康リスク(血流悪化、代謝低下、メンタル不調など)を高めます。

  • 作業サイクル
    「1時間の作業+10〜15分の休止」が基本です。
    さらに、作業中にも1〜2回の小休止を入れることが推奨されています。
  • 効果的な運動プログラム
    和歌山県立医科大学の研究(2024年)によると、デスクワークの合間に「片脚立ち、スクワット、ストレッチ、深呼吸」を組み合わせた3分程度の運動を行うプログラムを実施した結果、腰の痛みやだるさが改善し、気分の友好度も向上しました。
  • 継続の目安
    この研究では、2ヶ月間で70回以上(1日約1.7回)実施したグループで腰痛軽減の効果が見られました。
PTケイ

「職場でスクワットなんて恥ずかしい」と思いますよね。
私もそうでした。でも、ト例えばトイレに立ったついでに個室で深呼吸をしたり、給湯室でアキレス腱を伸ばしたりするだけでいいんです。

大事なのは「固まった姿勢を一度リセットする」こと。
トイレに行く回数が増えることは、実は最高の健康法なんですよ。


【PTケイのQ&A】

ノートパソコンだけで仕事をしていますが、首が痛くなります。どうすればいいですか?

「外付け」を活用して視線を上げましょう。

ノートPCは画面とキーボードが一体化しているため、どうしても視線が下がり、
猫背やストレートネックの原因になります
(※ストレートネック:本来カーブしている首の骨が真っ直ぐになってしまう状態)。

ガイドラインでも、長時間作業時は外付けのディスプレイ、キーボード、マウスの使用が推奨されています。もし難しい場合は、ノートPCスタンドを使って画面を目線の高さまで上げ、外付けキーボードを使うだけでも負担は激減しますよ。

スタンディングデスクは導入すべきですか?

「座りっぱなし」を防ぐ手段として非常に有効です。

立つ姿勢と座る姿勢を交互に行うことで、気分転換や生産性の維持につながります。
ただし、「立ちっぱなし」も足腰への負担になります。
「座り姿勢10分+立ち姿勢5分」や、30分に1回は立つなど、「姿勢を変えること」を目的に導入するのがおすすめです。

忙しくて休憩をとるのを忘れてしまいます。

「環境」に休憩を教えてもらいましょう。

集中している時に自力で休むのは難しいものです。
私の経験上、タイマーをセットするか、「飲み物をコップ半分しか入れない」という方法が有効です。

飲み物がなくなれば、強制的に立ち上がって給湯室へ行く理由ができますよね。
Stop-Drop-Flop(手を止めて、置いて、ダラダラする)」を合言葉に、強制的なリセット時間を組み込んでみてください。


まとめ

本日のまとめ:最強のコックピットを作る
  • 🪑 「足裏」が命 良い椅子を買う前に、まずは足が床についているかを確認してください。雑誌一冊の高さ調整が、腰痛劇的改善のカギになります。
  • 👀 目に「休息」を 画面の明るさを下げ、20分に1回は遠くを見る。「20-20-20ルール」で、酷使している目のピント調節筋を解放してあげましょう。
  • 🚶‍♀️ 3分の「投資」 1時間に3分の運動は、時間の浪費ではなく、生産性と健康への投資です。トイレに行くついでに、少し体を伸ばすだけで十分です。

毎日の仕事、本当にお疲れ様です。 私たちはつい、仕事のために自分の体を犠牲にしてしまいがちです。でも、あなたが壊れてしまっては、仕事も人生も楽しめません。 まずは今日、「モニターを少し遠ざける」あるいは「足元に空き箱を置く」。 そんな0円でできる小さな調整から始めてみてください。その優しさを、あなたの体はきっと待っていますよ。


参考文献 & 注意喚起

参考文献

  1. 厚生労働省. 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン. 2019.
  2. 上野美由紀, 谷野多見子, 森岡郁晴. デスクワーカーの座位行動中における運動プログラムの構築. 産業衛生学雑誌. 2024; 66(6): 292-302.
  3. 株式会社BE NOBLE. VDT作業(情報機器作業)の予防・対策|職場の健康管理ガイド. OFFICE CARE. 2023.

注意喚起

本記事は、デスクワーク環境の調整に関する情報提供を目的としており、医学的アドバイスを提供するものではありません。症状の診断や治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

デスクワークの疲労撃退 姿勢・光・動きの科学的アプローチ

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