
PTケイこんにちは、理学療法士のPTケイです。
今日は、私自身が闘病している「ベーチェット病」と、その治療薬である「コルヒチン」についてお話しします。



PTケイさん、実は僕も最近、ベーチェット病って診断されて「コルヒチン」を処方されました。
でも、仕事は休めないし、口内炎は痛いし、薬を一生飲み続けるのかと思うと不安でたまらないです。
副作用でお腹が痛くなるって話も聞いて、おじけづいているところです。



その気持ち、痛いほどわかります。私も最初は原因不明の足の腫れと痛みに襲われ、「一生このままなのかな」と暗闇の中を歩くような気分でした。
ネットで調べても、難しい医学用語ばかりで余計に不安になりますよね。



そうなんです。
だから、実際に飲んでいる人の「生の声」が聞きたいと思っていました。



任せてください。
私は「理学療法士としての知識」と「患者としての痛み」、その両方を知っています。
この記事では、私が実際にコルヒチンを服用してどう症状が変化したかという体験談と、それを裏付けを、最新の科学的根拠(エビデンス)をセットでお伝えします。
読み終わる頃には、「薬とどう付き合っていけばいいか」の羅針盤が手に入り、少しだけ肩の荷が下りているはずですよ。
一緒に見ていきましょう。
1分でわかる要約 (1-Minute Summary)


🌱 この記事の結論:コルヒチンは「完治」の薬ではないが、「生活を守る」頼れる相棒になる
- ✅ 【効果の実感】 私の体験では、特に「関節(足)の腫れ」に著効しました。口内炎や紅斑は、塗り薬との併用でコントロール可能なレベルに落ち着いています。
- ✅ 【副作用と調整】 代表的な副作用は「下痢」です。私も経験しましたが、医師と相談し服用量を調整することで克服できました。自己判断での中止は避けましょう。
- ✅ 【科学的視点】 国際的なガイドラインでも、皮膚・粘膜病変に対する第一選択薬とされていますが、飲み合わせ(特にクラリスロマイシン等の抗生物質)には厳重な注意が必要です。
- 🕊 PTケイのひとこと: 「疲れやすさや痛みは、あなた一人のせいじゃありません。薬という『武器』を正しく知って、少しずつ日常を取り戻していきましょう。」
私の体験談(Main Content)
私が「ベーチェット病」という診断にたどり着くまでには、長い回り道がありました。
謎の足の腫れから、診断、そしてコルヒチンへ


最初に異変を感じたのは「足の腫れ」でした。 理学療法士として、自分の歩き方や靴の影響を疑いましたが、休んでいても、座っていても、食事の後でも腫れてくる。整形外科的な痛み(足底筋膜炎など)とは明らかに違う、骨の髄から来るような強い痛みでした。
皮膚科で痛み止めをもらって凌いでいましたが、転機は人間ドックでした。 血液検査で炎症反応(CRP)が高く出ていたこと、そして足の腫れを見た医師の助言で膠原病内科を紹介されました。
検査の結果、HLA-B51という遺伝子タイプが陽性、抗リン脂質抗体も陽性。その他のマーカーや他の検査を総合し、ついに「ベーチェット病」と診断されたのです。そこで処方されたのが「コルヒチン」でした。
🧪 科学の視点:ベーチェット病の診断と治療選択
2021年、Hatemiら(EULAR:欧州リウマチ学会)の推奨によると: ベーチェット病におけるコルヒチンは、特に再発性の粘膜皮膚病変(口内炎や陰部潰瘍など)や関節病変の予防として「第一選択(first to be tried)」と位置づけられています。安全性と忍容性が比較的良好であるため、初期治療として広く用いられています。
実際に感じた効果と、副作用「下痢」との戦い


コルヒチンを飲み始めてから、私を苦しめていた「足の腫れ」は劇的に少なくなりました。以前は何もしていなくても腫れ上がっていた足が、薬のおかげで落ち着いた状態をキープできるようになったのです。


一方で、口内炎や皮膚にできる赤いしこり(結節性紅斑)は、完全に消えたわけではありません。 仕事のストレスがかかったり、体調が崩れたりすると、やはり症状は顔を出します。
しかし、以前のような激痛で動けなくなることは減り、「ジフルプレドナート軟膏」や「ロコイド軟膏」といったステロイド外用薬とコルヒチンを併用することで、なんとか仕事と生活を回せるレベルでコントロールできています。


ただ、副作用には悩まされました。 代表的な副作用である「下痢」です。 一時期、ストレス過多な時期に、処方量が「1.5錠」に増えた際、明確にお腹が緩くなりました。


このとき、ストレスによる影響で、私の持病である過敏性腸症候群の影響で下痢になっている可能性もありました。
そこで、現状を主治医に相談し、過敏性腸症候群では、普段はポリフル錠を1日3回1錠飲んでいましたが、このときは、更に追加でミヤBMも処方していただき、その上で、コルヒチンを1錠へ戻すことで下痢へ対応しました。
これにより、下痢は多少軽減方向へ向かうことができました。(最終的には仕事の調整や工夫なども含めて対応して、下痢は消失させることができました!)
薬の量は「多ければ効く」という単純なものではなく、自分の体との対話が必要だと痛感した出来事です。
🧪 科学の視点:コルヒチンの効果と限界
2020年、Cabrasら(イタリア・カリアリ大学など)のシステマティックレビューによると
コルヒチンは疾患活動性スコアを有意に低下させる報告がある一方で、口腔潰瘍の消失率に関してはプラセボ(偽薬)と比較して有意差が見られないとする研究(Aktulga et al., 1980など)も存在します。つまり、「万能薬ではないが、関節や全体の病状コントロールには一定の価値がある」というのが科学的な見解です。
副作用として消化器症状(下痢、悪心)が多く報告されており、これが治療継続のハードルになることも示唆されています。
ライフステージの変化:妊活と「疲れやすさ」


30代となると、仕事だけでなく「妊活」などのライフイベントも重なります。 私は男性ですが、第二子を考えた際、コルヒチンの影響が気になり主治医に相談しました。
先生からは「男性の場合はそこまで影響しない可能性が高いが、念のため服用を止めて3ヶ月経ってから妊活するのが無難」というアドバイスをいただきました。 明確なリスクがあるわけではないものの、迷う部分でした。結果として、一時的に休薬する選択をしました。
また、薬で痛みは抑えられていますが、「異常な疲れやすさ」は残っています。
これが病気のせい(もしくは他の持病のせい)なのか、薬の影響なのか、あるいは仕事のストレスなのか、自分でも判別がつかないのが正直なところです。
それでも、コルヒチンという「お守り」があることで、最悪の事態(歩行困難など)は防げているという安心感は、精神的な支えになっています。
🧪 科学の視点:妊孕性(にんようせい)への影響
一般的にコルヒチンは、細胞分裂を阻害する作用を持つため、生殖細胞への影響が懸念されることがあります。
しかし、近年のリウマチ学会等のガイドラインでは、低用量であれば男性・女性ともに不妊の直接的な原因になるリスクは低いとされるケースも増えていますが、個々の病状や用量によるため、必ず主治医との相談が必要です。
PTケイのQ&A (Q&A Section)
ここでは、当時の私が抱いていた疑問、そして読者の皆さんが気になっているであろう疑問に答えます。
まとめ (Conclusion)


- 🔍 【まとめ1】コルヒチンは初期治療の要 足の腫れや関節症状に特に効果を感じやすいです。口内炎には個人差がありますが、ステロイド外用薬と併用してうまく付き合いましょう。
- 🎯 【まとめ2】副作用は医師と二人三脚で 下痢などの消化器症状が出た場合は、量を調整することで継続できることが多いです。自分一人で抱え込まず、すぐに相談を。
- 🕊 【まとめ3】飲み合わせには要注意 特にクラリスロマイシンなどの抗生物質との併用は危険です。お薬手帳は常に携帯し、自分の身を守ってください。
【読者への最後のエール】 ベーチェット病は見えない疲れや痛みを伴う孤独な戦いになりがちです。でも、あなたは一人ではありません。私たちがこうして情報を共有し、科学の力を借りることで、コントロールできる未来は必ずあります。焦らず、今日できるケアを一つずつ積み重ねていきましょう。
参考文献と免責・注意事項
参考文献
- Hatemi G, Christensen R, Bang D, et al. 2018 update of the EULAR recommendations for the management of Behçet’s syndrome. Ann Rheum Dis. 2018.
- Cabras M, et al. Value of colchicine as treatment for recurrent oral ulcers: a systematic review. J Oral Med Oral Surg. 2020.
- Abolhasani A, et al. Colchicine use in Behçet’s disease. Rom J Intern Med. 2022.
免責事項と注意喚起
本記事は、理学療法士の国家資格を持つ筆者の知識と経験、および執筆時点での信頼できる文献に基づいて作成されていますが、医学的な診断や治療を提供するものではありません。
現在、医師の治療を受けている方は、主治医の指示を優先してください。
痛み、しびれ、強い疲労感などがある場合は無理を行わず、速やかに専門の医療機関を受診してください。
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