・カルテ記載に時間がかかり、残業が常態化しているセラピスト
・他職種への申し送りや記録の書き方に悩んでいる若手PT
・リスク管理の標準化と業務効率化を両立させたい人
「丁寧な記録=良いカルテ」という思い込みを捨て、誰に何を伝えるべきか明確にし、テンプレート化で業務を効率化する法則を解説します。
理学療法士としての「臨床推論・リスク管理の知見」 × パフォーマンス崩壊を経験した当事者としての「実体験」
必要最小限かつ必要十分な記録をシステム化し、多職種から信頼されつつ定時退社できる働き方を実現する。
ずんだもん毎日カルテと申し送りに追われて、
残業ばかりでツラいのだ…



わかるよ、抜けがないように
丁寧に書こうとすると全然終わらないよね。



ダラダラと長いだけのカルテなんて、
忙しい他職種は誰も読んでないわよ。



気合で書くのはやめましょう。
「伝わる記録」をシステム化して
残業を減らす方法を解説していきます!
1分でわかるこの記事の結論
【最小の労力で最大の信頼を得る記録術】
- ✅ ① 丁寧さより「誰に何を伝えるか」
- ✅ ② リスク管理はテンプレで標準化
- ✅ ③ 気合を捨ててシステムに任せる



丁寧なだけじゃダメなんて、
どういうことなのだ?



目的が曖昧な記録は、
ただの自己満足になりがちってことよ。
なぜあなたのカルテは読まれないのか?記録とリスク管理のリアル
残業沼にハマった過去…「丁寧な記録」の落とし穴
かつて私は、「教科書通りにすべてを詳細に書くこと」こそが正義とまでは言いませんが、カルテというものは、その時の患者さんの状態をしっかりと記載することが重要だと考えていました。
しかし、その丁寧な記述というものは学生時代は評価されるものだったかもしれませんが、実際の臨床では、病院という組織に属している以上、業務を効率的に終えることも非常に重要になります。
カルテを丁寧に書くことは、当然時間がかかりますし、職場から評価されるものではなかったのです。
文字数=仕事の質ではない
どんなに時間をかけて長文を書いても、看護師や医師から「結局、歩行器で行けるの?介助は必要なの?」と聞かれる始末。つまり、私の書いたカルテは誰にも伝わっていなかったのです。
(そもそもリハビリの紙カルテを他の職種はほとんどみていない(?)という現実もあったかもしれません)
カルテ記載に求められるのは、気合の入った長文ではなく、「誰が読んでも一瞬で判断できる情報」であることに気づきました。
ISOAP(アイソープ)のフレームワークで整理して記述
ISOAP(アイソープ)とは、医療・看護・リハビリなどの現場で世界的に広く使われているカルテの記録方式「SOAP(ソープ)」の先頭に、「I(Introduction:導入・基本情報)」を追加した記録フォーマットです。
チーム医療や申し送り(ハンドオーバー)の際、情報の抜け漏れを防ぎ、多職種間で患者さんの状態を正確かつスムーズに共有するために活用されています。
ISOAPの5つの項目と書き方
ISOAPは、記録すべき情報の英単語の頭文字をとったものです。それぞれの意味と具体的な記載例は以下の通りです。
| 項目(頭文字) | 意味・役割 | 記載する内容 | 具体的な記載例 |
| I Introduction/Information (導入・基本情報) | カルテを読むにあたっての「前提」となる基本プロフィール | 年齢、性別、主訴(来院理由)、基礎疾患、アレルギーなど | 「本日T字杖購入。」「本日より病棟内手支持なし歩行自立」 |
| S Subjective (主観的情報) | 患者さんやご家族の「自覚症状」や「実際の言葉」 | 痛み、気分などの訴え(※医療者の推測を交えずありのままに記載) | 「今日は疲れています」「運動が楽しいです」など |
| O Objective (客観的情報) | 診察や検査で得た「客観的な事実やデータ」 | バイタルサイン(体温・血圧等)、検査結果、視診・行動の様子など | 「BBS:46/56点(詳細別紙)」「前腕支持歩行車歩行時、右MStにてトレンデレンブルグ兆候+」など |
| A Assessment (評価・アセスメント) | SとOの情報に基づく、医療者による「分析や評価」 | 所見の考察、ゴール(時期・内容)、根本的な問題の抽出など | 「歩行自立により病棟での活動量は向上する方向」「右中殿筋筋力低下残存」など |
| P Plan (計画) | A(評価)に基づいて決定した、今後の「治療方針やケア」 | 主にリハビリのプラン内容、追加プランや変更点など。 | 「側臥位での股関節外転運動追加」「(現プラン)継続」「歩行練習を平行棒→車輪付き歩行器へ変更して行っていく」など |
伝わるカルテ=無駄な記載をなくすシステム化が重要
私の14年の臨床経験からカルテ記載を考えたとき、伝わるカルテに必要なのは、「記録とリスク管理は、個人の頑張りに依存せずシステム化すべき」であるという結論です。
「必要十分」を見極める
専門用語を並べ立てた自己満足のカルテではなく、他職種が「今すぐ知りたい情報(介助量、リスク、今後の予測)」をフォーマット化し、埋めるだけで完成する仕組みを作ることが、真の業務効率化へと繋がります。



なるほど!相手が知りたい情報を
先回りして書くのが大事なんだね。



その通り。
次は、具体的にどうシステム化していくか
ステップを見てみよう。
PTケイ流!多職種から信頼される「伝わる記録」3つのポイント
ここからは、明日からすぐに使える具体的な業務改善のアクションプランをお伝えします。気合や根性を使わず、ツールと仕組みで解決していきましょう。
ポイント1: 目的の明確化と「必要十分」の見極め
カルテ記載の目標は『必要最小限かつ必要十分な記載』です。
これを達成するには、以下の「3つの視点」で情報を分類することが重要です。
誰のための記録か?「3つの視点」と具体例
カルテ記載における『必要最小限かつ必要十分な記載』をマスターするためには、「今書いているこの文章は、誰に向けて書いているのか?」を意識することが重要です。
- 患者さんのための記載:評価結果、プログラム、自主トレ指導など、リハビリのプロセスを明確にする。
- 他のPT向けの記載:代行時などに必要なリスク管理や予見義務を果たすための情報。
- 他職種向けの記載:看護師や医師に向けた、病棟生活での介助量や今後の予後予測。
ポイント2: 職種別・伝わる記録の書き方
相手に合わせて情報の粒度を変えることが、スマートな記録のコツです。
他PTへの引き継ぎとリスク管理
「着座動作が性急なため、座面の低い場所では転倒リスクあり。要見守り」など、結果予見義務を果たし、具体的な対策がイメージできる記載を心がけましょう。
看護師・医師が求める情報とは
専門的な筋力評価の数値よりも、「トイレ動作は現状2人介助が必要」「移乗動作は〇月〇週までに軽介助を目指す」といった、病棟生活に直結する具体的なゴールと介助量を明記することが最も喜ばれます。
ポイント3: リスク管理の標準化とテンプレート活用
リスク管理は毎回ゼロから考えるのではなく、チェックシートやテンプレートを活用して「システム化」しましょう。
システムとしての安全管理体制
例えば、PCのメモ帳、Wordや院内のシステムを活用し、以下の項目をテンプレート化しておきます。
- バイタルサインの基準:活動前後の変化と中止基準。
- 転倒リスク:環境整備と必要な歩行補助具。
- 具体的な対策:チェックがついた場合に「どう行動するか(例:歩行時は必ず付き添う)」を紐付ける。
これにより、抜け漏れを防ぎつつ、爆速でカルテを完成させることが可能になります。



テンプレートを使えば、
早く正確に書けそうなのだ!



明日から他職種向けに分かりやすい言葉を
選ぶように意識してみるね!
【疑問解決】PTケイのQ&A (Q&A Section)
本日のまとめ:必要最小限かつ必要十分な記載をマスターしよう



気合で乗り切ろうとしてた
自分が恥ずかしくなってきたのだ…。



気づけたなら上出来よ。
あとはシステムに落とし込むだけね。



効率化できた時間で、患者さんの治療に
もっと向き合えそうじゃん!



その通り!システム化の恩恵は、
目の前の臨床に還元していけるとよいですね!
- 🔍 1. 長文・気合のカルテは誰にも読まれない
- 🎯 2. 「誰に何を伝えるか」をテンプレ化する
- 🕊️ 3. 効率化で生んだ時間を患者還元へ
無駄な作業を手放し、セラピストとしての本来の役割に集中しよう!
こちらの本もおすすめです。基礎から更に詳しく学びつつ、施設別・疾患別にカルテの書き方が分かります。
自分の置かれている場所や環境によって必要とされる情報も変わりますので引き出しを増やしていきましょう。
参考文献・免責事項
※この記事はPTケイの経験を中心に記載しています。
【お知らせと免責事項】
■ キャラクター絵:
坂本アヒル 様(ずんだもん・四国めたん・春日部つむぎ)
■ AIの活用:
本記事は筆者の14年間の臨床知見をベースに、より分かりやすく情報を整理するため一部AIを活用し、筆者(理学療法士)監修のもと作成しています。
■ ツール・商品の紹介基準(プロモーション):
当ブログで紹介するツール等は、筆者が実際に業務効率化システムに組み込み助けられたもの、または解剖学・人間工学的なエビデンスに基づき「同業者の皆様の負担軽減に繋がる」と確信したもののみを厳選しています。
■ 情報の鮮度:
執筆時点での最新の知見や文献に基づき作成しておりますが、今後の研究やガイドラインの改訂等により解釈が変わる可能性があります。
本記事の情報は専門的知見に基づきますが、あらゆる症例に対する絶対的な治療効果を保証するものではありません。
- 臨床応用と個別性:紹介するアプローチの解釈や効果には患者様ごとの個別性があります。対象者の個別リスクを考慮の上、各自の責任においてご判断ください。
- リスク管理:実際の臨床現場で活用される際はリスク管理を徹底し、必要に応じて主治医等の指示を優先してください。
- 自己研鑽の補助:本記事はあくまで専門家向けの参考情報・自己研鑽の補助としてご活用ください。
※当サイトの情報を利用して生じた臨床上のトラブルや不利益等について、管理人は一切の責任を負いかねます。ご自身の臨床判断のもと、自己責任の範囲でご活用ください。






