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モンキーウォークの歩行効率性と大殿筋活動

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新人A

今脳出血の方を担当しています。歩行練習で困っているのでちょっと聞いてもいいですか?

大丈夫ですよ!一緒に考えましょう!

目次

症例紹介

脳出血(被殻)両麻痺(3年前くらいに左麻痺、今回右麻痺、運動麻痺:左<右)

  • 歩行見守りレベルですが、歩行中の右膝関節の不安定性を認めている
  • 特に右膝にロッキング傾向を認め、自己にて修正困難
  • 膝周囲筋の活動はハムストリングス優位で、大腿四頭筋の活動が乏しい状態
  • ロッキングを減らし、大腿四頭筋の活動促通する目的にモンキーウォークを指導
  • それにより膝のコントロールが少し良くなってきている

モンキーウォークとは?

  • 両膝を軽く曲げて、腰を落として歩きます。
  • 背筋を伸ばし、腰を落としたまま歩きます。
  • 途中で腰が浮き上がらないように注意しましょう。

歩容改善の視点から考えるモンキーウォーク

  • 歩行効率の点で考えるとモンキーウォークは力学的エネルギーが保存されないため、非常に効率の悪い歩行になることがデメリットとなります。
  • 大腿四頭筋の活動を強調しすぎてしまい、膝関節を固定的に使うような状態になりやすく、特にミッドスタンスにおける位置エネルギーの蓄えが不十分になってしまいます。
  • さらに、大殿筋の活動が得られにくくなるため、イニシャルコンタクト~ローディングレスポンスにおける遠心性活動が起こりにくく、ロッカー機能はほとんど機能していない状態になってしまいます。

上記症例での考察

上記の症例では、徐々に膝関節のロッキングは軽減していることになりますが、歩容面では課題が多いです。

  • 入院時から現在まで、モンキーウォークなどにより、大腿四頭筋の活動を得られてきており、ロッキングを制御している状態です。
  • 今後については、歩行距離の向上と歩行速度の向上を目標としていましたが、そのためにも、歩容の改善が重要と考えています。
  • 倒立振子モデルのような力学的絵ベルギーを保存し効率的な歩行へ改善を図っていくことが求められると思います。
  • そんためには準動歩行への促しと、膝関節コントロール向上が必要と考えます。

つまり、ゆっくりとした歩行ではなく早い歩行へ促していき、MStでの膝伸展を促し、TStで十分な前足部への体重移動を促していくようにアプローチしていくことが必要と考えます。

今後の介入についての提案

  1. ブリッジ練習:大殿筋・コア活動↑
  2. 骨盤の前後傾:体幹活動
  3. 起立着座練習:stop standingや反復起立誘導(慣性力+)
  4. 立位オシレーション:コア賦活、加速度入力
  5. ステップ練習orトレッドミル:大殿筋タッピングor誘導

静歩行・準動歩行の観点や、力学的エネルギーなどの観点を踏まえて考察ました。ボバースコンセプトやBiNIアプローチをプランに入れています。徒手的介入や誘導もいれつつ、介入していきます。

引き続き、リハビリを進め、EPDCAサイクルを回していきたいと思います。

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