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運動をやりたくない人に向けたアプローチ【理学療法士としての経験をもとに】

運動 やりたくない
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私は理学療法士として9年目で、今までいろいろな方のリハビリテーションに携わってきました。中には、リハビリに対して拒否的な方も多く、試行錯誤してきましたが、今回はその経験を整理する機会があったので、ブログの記事にもしていきたいと思います。

今回の記事は、以下のような疑問に答えます。

  • 周囲に運動をして欲しい人がいるけど、どう促したが良いかわからない
  • 運動に対して拒否的な人に対してどう対すればよいか知りたい
  • 運動の意欲の低い方に対して効率の良い介入の方法を知りたい
目次

対象者の話をよく聞いてあげるところから始めよう

今から運動を促したい人はどういった方でしょうか?それを知らなければ、適切なアプローチは行えないと言っても良いでしょう。相手の思っていることをよく聞いてあげるところから始めましょう。

例えば、以下のような質問をして話を聞いてみましょう。

  • 今困っていることは無いですか
  • 動いていて大変だと思うときは無いですか
  • 痛いところはありますか
  • 何か運動をされていた経験はありますか
  • よく寝れていますか
  • 食事は食べられていますか

こういった質問を投げかけて、対象者がよく話をしてくれるものを探していきます。よく話をしてくれるものについては、対象者にとって重要なことである場合が多いです。対象者にとって重要なことから運動の重要性を関連付けて説明した方が、効果的であり、理解を得やすい場合が多いのです。以下にディスカッションの例を参考にしていただけると良いかと思います。

澁澤

〇〇さんは今家で動くときに大変なことはありますか?

〇〇さん

床に座る時が大変だね。

澁澤

自宅で床に座る時があるんですね。

〇〇さん

いやないよ。今は大変だから高い椅子を使っているんだよ。

澁澤

なるほど。椅子を使うことで今は大丈夫なんですね。

〇〇さん

でも、椅子に座ったり立ったりも結構大変なんだよな。

ここで、実生活において大変な動作を見つけることができたと思います。そこから運動に関連付けていきます。

澁澤

立ち座りは意外と足の力が必要なんですよね。太ももの前の筋肉が特に必要ですね。

〇〇さん

あー。結構弱くなっているよ。こんなに細くなったもん。

澁澤

太ももの筋肉を鍛えてあげると立ち座りが楽になりますよ!

〇〇さん

どういう運動がいいんだい?

このように、運動に少し興味を持ってもらえるように誘導してあげることが重要です。このやり取りは、一応実際に今日いた患者さんとのやり取りです。運動が嫌いな方でお、運動が重要であることくらいはたいてい知っています。自分にとってどういう運動をするとどうなるのかというビジョンが見えると、やってみようと思える場合があると思います。

権威性にあった発言をすることが重要

よくテレビなどのコメントをする際に〇〇大学教授などと書かれますが、こういった社会的に地位が高い、専門性を有している、偉い人などの行っていることは信じやすいというのが権威性です。権威性を利用することで、指示に従いやすいです。

理学療法士は運動のことに対して専門家なので、ある程度の権威性を発揮することが可能です。しかし、経験が浅かったりすると、権威性をうまく発揮できない場合があります。

上記のような、そういったときの対処法をお伝えします。

ポイントは 『引用』+『ギブ&テイク』です。

専門家や文献など客観的なデータなどを引き合いに出して、自分以外の権威の高い方も行っていますがと話をしていきます。

ただ、それだけでは聞き入れにくかったり信用してもらえない場合があるので、ギブ&テイクを利用することをおすすめします。

つまり、言い方としては

澁澤

〇〇さんのことを考えて、どういう運動があっているか調べてきました。〇〇大学の先生が書いた論文では、〇〇さんのように太ももの筋肉が弱くなった場合は、こういった運動を〇〇回やるといいと言う事でした。続けていくと立ったり座ったりが楽にできるようになりますよ!

このように、少しワクワクした感じで伝えてみてはいかがでしょうか。きっと自分のために調べてくれたことに対する感謝の気持ちと頑張ってみようかなと思いやすいと思います。ギブに対してテイクしなければと思う方は多いです。

最初にやる運動は、できる限りハードルを下げた、リズム運動をおすすめします

ほとんど今まで運動をしていなかったり、習慣がなかったりする場合、すごく大変なことをするのではないかと警戒している場合が多いです。

目標を達成するために、いきなり大変なことをすると長続きしないように、最初から大変なイメージを付けてしまうと、継続することが大変になってしまいます。

そこで、スモールステップで行っていくようにしましょう。

対象の方に負担が少なく、楽しく運動できることが理想的です。運動が大変じゃないか配慮をしつつ、気遣いながら、丁寧に指導していただくことで運動が嫌にならないように介入していくようにしましょう。

また、どういった運動を行うとよいかについては、対象者の身体状況によって異なると思いますが、できるだけリズム運動を取り入れてあげるほうが良いです。

軽いリズム運動でも、セロトニンという物質が脳内で生成される可能性があります。しばらく運動をしていない方は、セロトニンが少なく、意欲や向上心が失われている場合が多いです。なので、リズム運動をできれば笑顔で行うことで、セロトニンの分泌を促し、笑顔で行うことで運動が楽しかったと記憶してもらうように促します。

内分泌系は、分泌が比較的遅いですが、持続時間も長いようなので、翌日や次回の運動にも繋げやすい印象があります。

このように、できるだけハードルを下げて、楽しく体を動かす体験を行い、良い記憶として残しつつ、セロトニンによる効果をねらいます。実際どうなっているか見えませんが、患者さんの中には、ある地点をきっかけに、運動拒否していた方が前向きになり、拒否がなくなる事例は何例も経験してきました。

まとめ

運動をしたくない人は、周りから運動をしろ!と何度もいわれている場合が多いです。そういった背景があるのかどうかも含め、対象者の方にとってどういった声かけが適切なのか考えていくことが非常に重要だと思います。

今回のアプローチは私の経験の中でも特に効果的な方法だと自負しておりますが、他にもいろいろな方法があると思います。

認知症などが含まれてくると、話が変わってきてしまう場合もありますが、できるだけ自発的にやる気を出せるようなコーチングを行うことを第一選択としてやっていただけると良いかと思います。

是非、今周りに運動の意欲が出ない方がいる場合は試していただければと思います。

運動 やりたくない

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