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理学療法卒後教育-OSCEの実践について現状分析と課題-

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今回は、職場で行われているOSCEの実践とその現状分析と課題について整理していきたいと思います。OSCEというと学生時代を思い出す方も多いかと思いますが、卒後教育の一環として、OJT(On the job training)に組み込む方法なども書籍で紹介されているものもあります。

今回の記事は以下のような方に向けて書いています。

  • 理学療法管理者やグループのリーダーなどの中堅の理学療法士
  • 管理教育の方法を学び職場に導入したい
  • OSCEをどう活用しているのかを知りたい
目次

OSCEの現状

私の病院では、OSCEは入職後すぐに実施していきます。内容としては、以下の項目に分けて臨床技能の最低限の確認と注意点を踏まえて行えるように新人職員の教育の一環として行います。

  • 起居・移乗動作評価
  • トイレ動作評価
  • 歩行評価
  • BBS評価
  • 介入(申し送り通りに行えるか)

以上5つになります。これらにおいて、模擬患者を想定して、評価者兼被験者を実施するものと新人の2人で実施します。事前に学習は臨床の見学の中で伝え、その技術をOSCEで確認するという流れになっています。(インプット・アウトプット)

5つの項目については、模擬患者の介助量は中等度介助~軽介助に設定しており、実際に評価を行い看護師や他部署の人に伝えることを想定して連絡箋を出すことも行います。また、リスク管理や痛みの配慮などについてもOSCEの評価として行います。

現状分析と課題解決

OSCEの項目は適切なのか

項目を見返してみると、BBS評価についてなぜ含まえれているか疑問な部分がある。起居、トイレ、歩行に関しては、介助技術と評価の視点として重要であるので良いと思う。しかし、BBSについては、他の評価項目より比較的計測回数が多い点が項目に含まれた理由と考えるが、それであれば、病院で行われている他の評価指標についてもある程度確認が必要と考える。この場合、OTで行われている評価の見学・評価・自立の流れが適切に行えるかどうかを職場のシステムとして導入することが望ましいと考える。

BBS項目の改善案としては、他の評価指標を整理し、すべての評価を継続して確認し、自立できるように各グループで管理するなどの方法を検討する。(見学→評価→自立)

介入については、今年度より追加したものであるが、要素として治療技術を含むものがないため重要な項目として起こしておくべきと考える。

インプットについて

現在、OSCEの実践において臨床見学を行い、いきなりOSCEの評価を行う流れとなっている。OSCEに必要なインプットは、臨床見学の中で学ぶことになるが、実際に適切なケースがいない場合は、OSCEでのアウトプットからスタートとなる場合が少なくない。実際は、一回目のOSCEを行い適切にフィードバックを行い、次のOSCEで修正するというような流れになる。しかし、適切にフィードバックできないと、何度もOSCEを行う必要が生じたり、なんとなく合格を出してしまう恐れも正直ある。

最初の評価を行う前段階として適切なOSCEの方法について動画や資料にまとめておき、その資料を参考に新人同士で練習を行ってもらうことで、効率的な学習が行えると考える。

OSCEのインプットに関する改善案としては、事前資料(動画か紙資料)を作成し、新人同士で行う練習が効率的に行えるように支援できるように対応していくことを検討する。まずは紙資料を作り込み、ある程度形になったら数年後に動画にしていくのが良いか。

まとめ

今回職場でOSCEの方法の改善について、意見を求められているので、考えを整理してみました。新人教育を効率的に行うことができれば、新人スタッフの負担が減り、他の業務を覚えることに時間を使えるので重要です。新人スタッフが覚えることは膨大なので、一つ一つを効率的に的確に覚えることができるように職場を整備していくことができるとより良いかと思います。

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