今回は、理学療法の質と質変化のマネジメントという文献から、EPDCAサイクルの重要性について整理していきたいと思います。
今回の記事は以下のうような方に向けて書いています。
- 理学療法士におけるEPDCAサイクルの活用について知りたい
- 理学療法の質の向上のための管理で悩んでいる
- 部下の指導をどう行うっていくか悩んでいる
なぜ、EPDCAサイクルを基盤にするのか
こちらの文献を引用していますが、EPDCAサイクルは評価、計画、実行、再評価、修正のプロセスをケースマネジメントにおいて実施することです。
EPDCAサイクルを基盤にする上で重要なこと
今回読んだ文献には、EPDCAサイクルを基盤にする上で重要なことが2点整理して記載されていました。
医師と同じ治療者としてのEPDCAの思考過程を、先輩が後輩にトレーニングすること
日々の臨床で常にケースマネジメントでEPDCAのサイクルを回し続けることが重要です。
事前情報や理学療法評価、医学的情報、個人・環境因子などから患者の全体像を把握し、予後予測を行い、現状の問題点、ゴール設定を行い、計画を立て、理学療法を行い、定期的に振り返り、計画修正をしつつ退院へ向かっていきます。
こういった、EPDCAのサイクルの流れにそって、漫然とした理学療法を提供していないかなど日々の臨床で十分に確認しながらその能力を高めていく努力が必要です。
ゴールレベルといった状態で入院している方でも、今他にでいることがないか?考えて、目標をもって理学療法を行うことは必ず必要なことです。
EPDCAサイクルをできるだけはじめの数年間で多くの職域で経験すること
急性期、回復期、生活期の様々な病期と疾患で経験することで、生活における課題を中心とした予後予測や目標設定の能力を身につけることができます。また、その病期に応じた多職種との連携について経験することで理学療法のマネジメント能力が向上していくと考えられます。
私も3年間回復期、2年間急性期、その後回復期5年目となっていますが、最近の3年間はバイトでデイサービスでのリハビリや計画書の確認を行ったり、市で行っているサロンなどに参加することで生活期の方と関わる機会を得ています。
理学療法の質の向上
私の職場では、入職3年間で1回異動を経験するようになっています。グループの中で急性期、回復期、生活期(デイサービス、訪問リハビリ)と一通り揃っているので、こういった学習環境を変えることが可能です。
EPDCAサイクルをしっかり考えて行うためには、頭の中ですべて行うのではなく、一度紙に書き出して整理していく方が良いと考えています。経験年数を重ねると、書かなくても対応可能ですが、ケース数が多くなると漏れが生じてきてしまうこともあるので、しっかりメモ書きのように書き出し、書き出す速さを上げていくというのが私としてはおすすめの方法になります。
理学療法士の仕事は、目に見えない頭の中で考えることが多いので、ちゃんと考えて行っているかどうかはわかりにくいことがあります。部下の指導を行うときに、なるべくEPDCAサイクルを意識してその流れの中で、失敗している点や漏れている点がないかを確認しながら、指導することで指導レベルアップにもつながると思います。よく、再評価の段階が漏れていたり、全体像の把握で躓いていることもあるので、指導をしていくとそういった部下の特徴の見得てくるかもしれません。ぜひためしてみていただければと思います。