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【2025年版】リーダーの「頑張りすぎ」がチームを壊す?私の失敗から学ぶ、部下が育つ指導法

【2025年版】リーダーの「頑張りすぎ」がチームを壊す?私の失敗から学ぶ、部下が育つ指導法
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目次

はじめに:「良かれと思って」の指導が、なぜ裏目に出てしまうのか?

新年度を迎え、新たなチーム体制でリーダーシップを発揮しようと意気込むものの、「どう指導すれば部下は育ってくれるのだろうか」「自分のやり方は本当に正しいのだろうか」と悩むリーダーの方は多いのではないでしょうか。

2018年、私自身もリーダーとしての一年間を振り返り、多くの反省点に直面していました。

良かれと思ってやっていたことが、結果的に部下のモチベーションを下げてしまったり、指導が空回りしてしまったり…。

当時の私は、まさに「頑張りすぎてしまう」リーダーの典型でした。

この記事では、そんな私の過去の失敗談を元に、なぜリーダーの「頑張りすぎ」がチームにとってマイナスに働くのか、そして、部下の主体性を引き出し、共に成長できるチームを築くための具体的な思考法とアプローチについて、2025年の視点から情報をアップデートし、深掘りしていきます。

1. 2018年、私が直面したリーダーシップの壁 – 7つの反省点

当時、年度末に自身のリーダーとしての行動を振り返った際、多くの課題が浮き彫りになりました。

これらは、多くのリーダーが一度は経験する「あるある」かもしれません。

  1. リアクティブな指導: ミスが起きてから指摘する「後追い指導」が中心で、ネガティブフィードバックが多くなりがちだった。
  2. 一方的な指示: こちらから先行して指導する際に、自分の考えを「押し付ける」形になり、部下の意見を聞けていなかった。
  3. 伝わらないフィードバック: 長所や課題点を整理して書面で渡しても、意図が伝わらず、うまく活用してもらえなかった。
  4. 改善しない繰り返し: 同じ内容の指導を繰り返しても、部下の行動がなかなか改善しないケースがあった。
  5. 非効率な指導: 本来指導が不要な部分にまで時間をかけてしまい、本当に重要な点に集中できていなかった。
  6. 曖昧な期待値: 部下に求めるレベル(「最低限ここまで」と「できればここまで」の境界線)が不明確で、混乱を招いていた。
  7. 形骸化するルール: 一度決めたグループのルールが、いつの間にか誰もやらなくなり、それを放置してしまっていた。

これらの反省点を整理して見えてきたのは、「指導の主体が、部下ではなく指導者(私)になっていた」という根本的な問題でした。

私が頑張れば頑張るほど、部下は受け身になり、モチベーションが低下するという悪循環に陥っていたのです。

リハビリテーションも同じですが、対象者とセラピストの間に目標や意欲のズレがあると、決して良い結果には繋がりません。

2. 脱却!「指導者中心」から「部下主体」へのパラダイムシフト

この大きな反省を踏まえ、私が新年度の指導計画として掲げたのは、指導のあり方を根本から見直すことでした。

  • 旧計画(頑張りすぎていた私):
    • リーダーが全てを把握し、正しい答えを教え、細かく指示を出す。
    • リーダーが基準を決め、部下をそこに引き上げようとする。
  • 新計画(目指すべき姿):
    1. 部下主体で目標を達成できることを最終目標とし、指導者はそのプロセスを支援する。
    2. 指導者は模範となる行動を示しつつ、部下のモチベーションを高める環境作りに注力する。
    3. 部下が質問しやすい雰囲気(心理的安全性)を確保し、OJT(職場内訓練)とOff-JT(職場外研修)の両面から自己研鑽を促す。

このように、「私が部下を育てる」から「部下が自ら育つのを、私が支援する」へと、主語を転換することが、リーダーシップの質を変える上で最も重要なポイントでした。

3. 「部下主体」の指導を実践するための3つのアクション

では、具体的にどのようにして「部下主体」の指導を実践していけば良いのでしょうか。

2018年の計画を元に、具体的なアクションを3つ提案します。

アクション1:目標を「共有」し、「伴走者」に徹する

  • 共同での目標設定: 年度初めやプロジェクト開始時に、一方的に目標を与えるのではなく、部下自身のキャリアプランや興味関心を聞き出し、本人の目標とチームの目標が重なる部分を一緒に探します。「やらされる目標」ではなく、「やりたい目標」にすることで、内発的な動機付けが生まれます。
  • 進捗管理と支援: 目標達成までの道のりを部下自身に計画させ、リーダーはその計画の妥当性を確認し、必要なリソース(情報、時間、権限など)を提供します。定期的な1on1ミーティングなどで進捗を確認し、「困っていることはないか?」「何か手伝えることは?」と、管理するのではなく支援するスタンスで関わります。

アクション2:指導者の「背中」と「言葉」でモチベーションを高める

  • 自らが模範となる: リーダー自身が常に学び、成長し、高いパフォーマンスを発揮する姿を見せることは、何よりの動機付けになります。自己研鑽を怠らず、そのプロセスや成果をオープンに共有しましょう。
  • ポジティブフィードバックの徹底: 部下の小さな成功、努力のプロセス、成長の兆しを見逃さず、具体的に承認し、伝えます。「〇〇さんのあの発言のおかげで、議論が深まったよ、ありがとう」といった具体的なフィードバックが、部下の自信と貢献意欲を高めます。
  • 「なぜ」を共有し、意義付けを行う: 業務を依頼する際には、その作業内容だけでなく、「なぜこの仕事が必要なのか」「チームの目標にどう繋がるのか」という目的や意義を丁寧に伝えます。自分の仕事に意味を見出すことが、モチベーションの源泉となります。

アクション3:「質問しやすい雰囲気」と「学びの機会」をデザインする

  • 心理的安全性の確保: 「こんなことを聞いたら馬鹿にされるかも」といった不安を感じさせない、オープンで風通しの良い雰囲気を作ることが重要です。「おひたし(怒らない、否定しない、助ける、指示・承認する)」のコミュニケーションを心がけ、部下がいつでも気軽に相談できる存在であることを示しましょう。
  • OJTとOff-JTのバランスを促す:
    • OJT(On-the-Job Training): 日々の業務の中で、適切な権限委譲を行い、少し挑戦的なタスクを任せることで、実践的なスキルアップを促します。臨床代行や同行訪問も有効なOJTです。
    • Off-JT(Off-the-Job Training): 部下の興味関心やキャリアプランに合わせた外部研修会への参加を奨励したり、資格取得を支援したりすることで、体系的な知識の習得と視野の拡大を促します。

4. 目標達成の鍵は「アウトカム」の明確化にあり

部下主体の指導を行う上で、リーダーが明確にすべきことがあります。

それは、「どのような状態になれば目標が達成されたと言えるのか」というアウトカム(成果)のイメージを、指導の初期段階で部下と具体的に共有しておくことです。

2018年の記事で「指導で対象者にどこまでを求めているのかが明確ではなかった」と反省しましたが、アウトカムが曖昧だと、部下は何を目指せば良いのか分からず、リーダーも適切な評価ができません。

「この書類作成では、〇〇という点が明確に伝わることがゴール」「この患者さんのリハビリでは、△△が安全に自立できることが目標」といったように、アウトカムを具体的に定義し、共有することで、指導者と部下の間の認識のズレを防ぎ、効率的かつ効果的な指導が可能になります。

まとめ:リーダーの成長が、チームの成長を加速させる

2018年当時、私はリーダーとして多くの壁にぶつかり、自分の未熟さを痛感しました。

しかし、その失敗と反省があったからこそ、指導のあり方を見つめ直し、「部下主体」という重要な視点にたどり着くことができました。

リーダーの役割は、部下を自分の思い通りに動かすことではありません。

部下一人ひとりの可能性を信じ、彼らが自ら成長できる環境を整え、そのプロセスを力強くサポートすることです。

この記事が、かつての私と同じように、リーダーシップに悩み、試行錯誤している方々にとって、少しでもヒントとなれば幸いです。

私たちリーダー自身が学び、成長し続けることが、チームを、そして組織をより良い未来へと導く最大の力となるはずです。

【2025年版】リーダーの「頑張りすぎ」がチームを壊す?私の失敗から学ぶ、部下が育つ指導法

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