「来年の手帳、どれにしようかな?」――そろそろそんな声が聞こえてくる季節ですね(2021年10月現在)。
毎年、新しい手帳に期待を込めて使い始めるものの、気づけば真っ白なページが増え、「また使いこなせなかった…」と自己嫌悪。
あるいは、「スケジュール管理はしているけど、それだけじゃ物足りない。もっと手帳で自分を成長させたい!」と感じている方もいるのではないでしょうか?
もし、あなたが手帳を単なる「予定表」としてしか使っていないとしたら、それは非常にもったいないことかもしれません!
手帳は、正しく理解し、自分に合わせて使いこなせば、目標達成、習慣形成、思考整理、そして日々の充実感を劇的に高めるための、あなただけの強力な「セルフマネジメントツール」になり得るのです。
この記事では、理学療法士でありながら、過去に何度も手帳活用に挫折してきた私が、いかにして手帳を「絵に描いた餅」から「最強の相棒」へと進化させるか、その秘訣を熱く語ります。
特に、既製品に満足せず、自分自身のニーズに合わせて手帳をカスタマイズ(時にはリフィルを自作!)することの重要性と、その具体的な方法について、私の実践例を交えながら詳しく解説していきます。
手帳ジプシーから卒業し、これから先の1年を最高の一年にしたいあなたへ。
人生を変えるかもしれない手帳術の世界へ、ようこそ!
あなたは手帳を「何」に使っていますか?衝撃の事実
まず、あなたに質問です。あなたの手帳の主な役割は何ですか?
多くの方が、「会議の予定を書く」「友達との約束をメモする」「締め切りを管理する」といった、いわゆる「スケジュール管理」を挙げるのではないでしょうか。
もちろん、それも手帳の大切な機能の一つです。
しかし、もし手帳の役割がそれだけだとしたら、それは手帳が持つポテンシャルの、ほんの一部しか活用できていないと言っても過言ではありません。
現代の手帳術において、手帳の真の価値は、単なるアポイントメント記録係ではなく、あなた自身の人生をより良くナビゲートするための「セルフマネジメントツール」として機能させることにあるのです。
手帳は人生の羅針盤!「セルフマネジメントツール」としての可能性
「セルフマネジメントツール」と言われても、ピンとこないかもしれませんね。
具体的に、手帳は私たちの自己管理や自己成長のために、どのような役割を果たせるのでしょうか?
私が考える、そして実践しようとしている手帳の機能を、思いつく限り挙げてみました。
- 長期的な目標・ビジョンの管理: 人生の目的や数年後のなりたい姿を書き出し、常に意識できるようにする。
- 目標のブレイクダウン: 長期目標を、年・月・週・日の具体的な行動計画に落とし込む。
- 価値観・自分軸の明確化: 自分が大切にしたい価値観や行動原則(ミッションステートメントなど)を記し、日々の判断基準とする。
- 思考の整理・アイデアの保管: 思いついたアイデアや悩み、考えを書き出す(マインドマップなどを挟むのも有効)。
- 計画と振り返りのサイクル(PDCA): 毎日の計画を立て、一日の終わりに振り返りを行い、改善点を見つける。週次・月次レビューも同様。
- 習慣化のサポート: 身につけたい習慣をリスト化し、実行できたかをチェックする(ハビットトラッカー)。
- 体調・メンタルヘルスの記録: 睡眠時間、気分、体調の変化などを記録し、セルフケアに役立てる。
- 学習・練習記録: 読書記録、研修内容のメモ、スポーツや楽器の練習記録など、自己投資の記録。
- タスク管理・プロジェクト管理: やるべきこと(ToDo)をリスト化し、進捗を管理する。
…いかがでしょうか? これはほんの一例ですが、手帳が単なるスケジュール帳ではなく、人生の目標達成と自己成長を力強くサポートする「羅針盤」や「相棒」のような存在になり得ることが、少しイメージできたのではないでしょうか。
私の手帳”挫折”史と「GTD×手帳」への気づき
偉そうなことを言っていますが、何を隠そう、私自身はこれまで手帳をうまく活用できず、何度も挫折を繰り返してきました。
毎年意気込んで新しい手帳を買うものの、最初の数ページだけ気合が入っていて、あとは白紙…という経験は数知れず。
一方で、タスク管理自体はデビッド・アレン式GTD(Getting Things Done)を取り入れて、デジタルツール(主にNozbeやTodoistなど)である程度管理できていました。
しかし、GTDで整理された「次にやるべきこと(Next Action)」を、具体的に「いつやるか」という日々のスケジュールに落とし込む部分が弱く、「やるべきことは分かっているのに、実行に移せない」という課題を感じていました。
そんな中で、「一日一日をもっと大切に、計画的に過ごしたい」という思いが強くなり、日々の行動計画とその振り返りを行うためのツールとして、改めて「手帳」の重要性に気づいたのです。
GTDで管理しているタスクと、手帳でのスケジュール・行動計画をうまく連携させることが、私の課題解決の鍵だと考えました。
【理学療法士向け】現場で使える!手帳カスタマイズのポイント
さて、手帳をセルフマネジメントツールとして活用しよう!と決意したものの、ここで問題になるのが「どんな手帳を使うか?」です。
特に、私たち理学療法士のような専門職には、特有の働き方やニーズがあります。
<理学療法士の手帳に求められる要素(私見)>
- 携帯性: 臨床中にサッと確認したり、思いついたことをメモしたりできるよう、白衣のポケットに入るサイズ(A6など)が理想的。常に持ち歩けることが重要。
- 即時性: 患者さんの状態変化や、他のスタッフからの指示などを、忘れないうちにすぐに書き留められること。
- 情報セキュリティ: 患者さんの個人情報は絶対に記載しない、という鉄則を守れる運用。(これはカスタマイズ以前の大前提!)
これらのニーズを満たしつつ、前述したセルフマネジメント機能を盛り込もうとすると、市販の手帳フォーマットではなかなかピッタリくるものが見つかりません。
そこで私は、「自分の仕事に最適化されたリフィルを自作する」という結論に至りました。
<私が考えた「理想の仕事用手帳(A6自作リフィル)」の要素>
- 日付と曜日
- 通勤時間タスク欄: 自動車の車内などでできるタスク(オーディオブックなど)を記入。
- 時間軸付きデイリースケジュール(業務時間のみ): 8:30~17:30など、必要な時間帯だけを詳細に。アポイントメントや予定を記入。
- 今日の業務タスクリスト: その日に行うべき具体的な業務内容をリストアップ。
- 業務記録欄:
- カルテ記載にかけた時間
- 獲得単位数(目標と実績)
- 担当患者ごとのリハビリ内容と所要時間
- 学び・気づきメモ欄: 臨床での発見、調べたこと、研修内容などを自由にメモ。
- 1日の振り返り欄: PDCAを意識し、良かった点、改善点、明日の行動目標などを記入。
さらに、プライベート用の手帳(A5サイズ)も別に用意し、そちらには長期目標や価値観、週次・月次レビュー、プライベートな予定やタスク、体調記録などを記入。そして、仕事用のA6リフィルを、プライベート用のA5リングノート(後述)の間に挟み込んで持ち歩く、という運用を現在試行錯誤中です。
既製品では満たせない!だから「自作リフィル」に挑戦する
上記のような、かなり特殊なニーズを満たすリフィルは、残念ながら市販品では見つけることができませんでした。「ならば、自分で作ってしまえ!」ということで、私は手帳リフィルの自作に挑戦することにしたのです。
「自作なんて難しそう…」と思われるかもしれませんが、心配は無用です。最初はExcelやWordで簡単なフォーマットを作り、自宅のプリンターで印刷するだけでも十分。慣れてきたら、よりデザイン性の高いアプリ(Canvaなど)を使ったり、手書きでオリジナルのフォーマットを作ったりするのもよいかもしれません。
私がリフィルを自作する上で愛用しているのが、リヒトラブの「ツイストノート」です。
これは、一見すると普通のリングノートですが、リングが簡単に開閉でき、中のリフィル(リーフ)を自由に追加・削除・入れ替えできるのが最大の特徴です。
システム手帳のような自由度を持ちながら、薄くて軽く、360度折り返して使えるというリングノートの利便性も兼ね備えています。
私は仕事用にA6サイズ、プライベート用にA5サイズのツイストノートを使い、それぞれ自作したリフィルを綴じて活用しています。
ページの順番を自由に変えられたり、不要になったページを外したりできるので、常に手帳を最適な状態に保つことができるのが魅力です。
手帳術のヒント満載!おすすめ参考書籍3選+α
手帳のカスタマイズやセルフマネジメントについて、さらに深く学びたい方のために、私が特に影響を受けた書籍をいくつかご紹介します。
- 『手帳で夢をかなえる全技術』(高田 晃 著) まさに「自作リフィル派」のためのバイブル! 手帳を単なるスケジュール帳ではなく、目標達成と自己実現のための「セルフマネジメントツール」として徹底的に活用する方法が、具体的なリフィルの作り方と共に解説されています。著者は手帳術に関するYouTubeチャンネルも運営されており、動画も非常に参考になります。著者が愛用する分厚いシステム手帳を見ると、システム手帳への憧れも掻き立てられます。
- 『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー 著) 自己啓発書の名著中の名著ですが、手帳術やセルフマネジメントを語る上で絶対に外せない一冊です。「目的を持って始める」「最優先事項を優先する」といった原則は、効果的な手帳活用の根幹となる考え方です。まだ読んだことがない方はもちろん、読んだことがある方も、定期的に読み返すことで新たな発見があるはずです。私もこの機会に再読しようと思っています。
- 『完訳 7つの習慣に学ぶ手帳術』(フランクリン・コヴィー・ジャパン 著) 『7つの習慣』の考え方を、より具体的に手帳(特にフランクリン・プランナー)に落とし込む方法を解説した書籍。フランクリン・プランナー自体も、『7つの習慣』を実践するために設計された高機能なシステム手帳として有名です。
これらの書籍は、手帳をより深く、効果的に活用するためのヒントや哲学を与えてくれます。
さあ、あなただけの「最強手帳」を作り始めよう!
ここまで読んで、「自分も手帳をもっと活用したい!」「カスタマイズしてみたい!」と感じていただけたでしょうか? もしそうなら、ぜひ今日から小さな一歩を踏み出してみましょう!
- あなたの手帳に求める機能は?: まず、あなたが手帳を使って何をしたいのか、どんなことを管理したいのかを自由に書き出してみましょう。(目標管理? 習慣化? 思考整理? 体調記録?)
- 今の使い方を分析: 現在手帳を使っている方は、その「良い点」と「改善したい点」を分析してみましょう。使っていない方は、なぜ使わなくなってしまったのか、その原因を探ってみましょう。
- 小さなカスタマイズから試す: いきなり全てを変える必要はありません。今の手帳に付箋を追加してタスク管理をしてみる、別紙に目標リストを書いて挟んでみる、など、簡単なことから試してみましょう。
- 自作リフィルに挑戦(興味があれば): Excelなどで簡単なデイリーログやハビットトラッカーのフォーマットを作ってみるのもおすすめです。
- ツール選びも楽しむ: システム手帳、リングノート、綴じ手帳、デジタルアプリ…それぞれのメリット・デメリットを比較し、今の自分に合ったツールを探すプロセスも楽しみの一つです。
大切なのは、「完璧な手帳」を探すのではなく、「自分にとって最適な手帳」を自分で創り上げていくという意識を持つことです。
まとめ:手帳は育てていく最高のパートナー
手帳は、単なる予定管理の道具ではありません。
それは、あなたの目標達成、自己成長、そして充実した毎日を力強くサポートしてくれる、最高のパートナーとなり得る存在です。
そのポテンシャルを最大限に引き出す鍵は、手帳を「セルフマネジメントツール」として捉え、自分自身のニーズに合わせて積極的にカスタマイズ(時には自作)していくことにあります。
市販の手帳に満足できないなら、あるいは手帳活用に挫折してきた経験があるなら、ぜひ「自分だけの手帳」を創り上げるプロセスに挑戦してみてください。試行錯誤を繰り返しながら、あなたと共に成長していく手帳は、きっとあなたの人生をより豊かに、そして確かな方向へと導いてくれるはずです。
さあ、あなただけの「最強の手帳」で、理想の未来を創造する旅を始めましょう!
参考文献
- 高田 晃『手帳で夢をかなえる全技術』(あさ出版)
- スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版)
- フランクリン・コヴィー・ジャパン『完訳 7つの習慣に学ぶ手帳術』(キングベアー出版)
健康・医学関連情報の注意喚起
本記事は、手帳術やセルフマネジメントに関する一般的な情報提供や個人の実践例を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 目標達成への意欲や計画性が過度なプレッシャーとなり、心身の不調を感じる場合は、無理をせず休息を取ることが大切です。特定の疾患などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。