4月から始まった新人指導も、早3ヶ月が経過しました。
私の病院では、多くの新人スタッフが配属され、指導者たちは奮闘中です。
3ヶ月が経ち、新人スタッフも仕事に慣れ始め、少しずつ余裕をもって見学や臨床に取り組めるようになってきた印象です。
指導者としては、新人スタッフの成長を促すために、目標設定のサポートと、適切な課題のレベルの見極めが特に重要になってきます。
新人スタッフの目標については、定期的に本人と相談しながら、課題を乗り越えることを通して成長できるよう支援していく必要があります。
私も、新人スタッフの年間目標を、より具体的な直近の目標に落とし込む作業をサポートしながら、目標志向をもって指導に当たっています。
指導者が悩む、目標の要求レベル設定
新人指導において、指導者が最も悩むことの一つが、目標の要求レベルをどう設定するか、ということです。

大きな病院では、目標の要求レベルがマニュアル化されていたり、明記されている場合が多いかもしれません。
しかし、当院では具体的な要求レベルは明記されておらず、新人指導担当のグループリーダーが、個別に要求レベルを設定しているのが現状です。
要求レベル(目標値)に関する考え方としては、新人の現在のレベルから2割~3割増しのレベルにすることが望ましいと言われていると思います。
↑こちらの本にも書いてあったと思います。私自身、新人指導に困ったときはこの本を参考にすることが多いです。
目標レベルは「ストレッチ目標」で!
目標の要求レベルを、新人の現在のレベルの2~3割増しに設定することは、ストレッチ目標という考え方にも通じます。
ストレッチ目標とは、現状維持ではなく、少し背伸びをすることで達成できる目標のことです。
ストレッチ目標は、達成感を味わいやすく、次の課題へのモチベーションを高める効果があります。
新人指導においては、無理なく達成できる目標を設定し、成功体験を積み重ねてもらうことが重要です。
しかし、ストレッチ目標は、達成が難しい目標ではありません。
適切なレベルの要求をすることで、本人の成長を促すことが大切です。
そのためには、本人のモチベーションを上げながら、正のフィードバックで強化しつつ、適切なレベルの要求をすることが望ましいと私は考えています。
目標レベル設定で大切なこと
新人指導において、目標レベルを設定する上で大切なことは、以下の3点です。

- 本人のレベルを正確に把握する
まずは、新人スタッフの現在のレベルを正確に把握することが重要です。
そのためには、評価や面談などを通して、強みと課題を客観的に把握する必要があります。
- ストレッチ目標を設定する
本人のレベルを把握したら、少し背伸びをすれば達成できるストレッチ目標を設定します。
目標設定の際は、具体的な行動目標と、達成時期を明確にすることが大切です。
- フィードバックを適切に行う
目標達成に向けて、適切なフィードバックを行うことも重要です。
良かった点は具体的に伝え、改善点は頭ごなしに否定するのではなく、一緒に考えていく姿勢が大切です。
おわりに
新人指導は、指導者にとっても学びの多い経験です。
新人スタッフの成長をサポートすると共に、自分自身の成長にも繋がると感じています。
新人指導を通して、目標設定やレベルの見極めについて深く考えることができています。
今後も、新人スタッフと共に成長していけるよう、日々精進していきたいと思います。