はじめに:「手帳は人生の羅針盤」- あなたにとって最適なツールとは?
「手帳は人生の羅針盤」という言葉があるように、手帳は私たちの日常生活や仕事をサポートし、目標達成へと導いてくれる強力なツールです。スケジュール管理はもちろん、日々の記録、アイデアのメモ、目標設定と進捗管理など、その活用方法は多岐にわたります。
私自身、長年にわたり紙のシステム手帳を愛用してきましたが、情報量の増加やライフスタイルの変化に伴い、デジタル手帳へと移行しました。この記事では、私が紙の手帳からデジタル手帳、特にMicrosoft OneNoteを「手帳アプリ」として活用するに至った経緯、その理由、そして具体的な活用方法について、2018年当時の考察を元に、2025年現在の視点からご紹介します。手帳選びに悩んでいる方や、デジタル手帳に興味がある方の参考になれば幸いです。
1. 愛用した紙のシステム手帳とその限界
かつて私がメインで活用していたのは、アシュフォード社のA5サイズ、25mmリング径のシステム手帳でした。この手帳を選んだ理由は、多くのリフィルを収納でき、仕事の記録、研修会のメモ、プライベートの予定など、あらゆる情報を一元管理できる点に魅力を感じたからです。
しかし、活用を続けるうちに、いくつかの課題に直面しました。
- 容量の限界: 日々の計画や振り返り、学んだことのメモなど、リフィルを追加していくうちに、25mmという比較的大きなリング径でも1年分の情報を物理的に収納しきれなくなってきました。半年程度でリングがいっぱいになり、過去のリフィルを別に保管する必要が出てきました。
- 携帯性の低下: リフィルが増えるにつれて手帳本体の厚みと重量が増し、日常的に持ち運ぶのが徐々に困難になりました。特に仕事中に白衣のポケットに入れておくには大きすぎ、必要な時にサッと取り出せないという状況も生じました。
- 活用頻度の低下: 持ち運びが億劫になると、必然的に手帳を開く頻度も減ってしまいます。せっかく一元化した情報も、見返さなければ意味がありません。結果として、手帳の活用頻度が徐々に低下してしまいました。
これらの課題は、私自身の使い方や求める機能と、紙のシステム手帳という媒体の特性との間にミスマッチが生じ始めたことを示していました。
2. デジタル手帳への再挑戦:きっかけと求めたもの
実は、紙の手帳に移行する以前にも、一度デジタル手帳(当時は具体的なアプリ名は失念)を試みたことがありました。しかし、当時は情報の整理方法や自分に合った使い方が確立できておらず、うまく活用できずに挫折した経験があります。
そんな私が再びデジタル手帳に目を向けたのは、紙の手帳で半年以上にわたり試行錯誤し、自分にとって必要な情報やリフィルの種類、情報の整理方法がある程度確立できたことが大きな理由です。「紙でできていたことを、より便利にデジタルで再現できないか?」と考え始めたのです。
また、手帳術に関する書籍を読む中で、デジタルツールの活用法や情報整理のスキルについても多くのヒントを得ました。特に、目標設定やタスク管理の方法論(GTDなど)を学ぶ中で、デジタルツールとの親和性の高さを感じたことも、再挑戦を後押ししました。
デジタル手帳に移行するにあたり、私が必須条件としたのは以下の2点です。
- マルチデバイス対応: スマートフォン、タブレット、PCなど、どの端末からでも同じ情報にアクセスし、編集できること。
- 手書き入力のしやすさ: アイデア出しや思考の整理には、依然として手書きの自由度が不可欠だと感じていたため、ストレスなく手書き入力ができること。
これらの条件を満たす環境として、画面が大きく手書き入力に適したタブレット端末に注目し、当時コストパフォーマンスに優れていた「Galaxy Tab S7」を導入しました。
3. OneNoteとの出会い:理想のデジタル手帳環境を構築
そして、手書き入力が可能で、かつマルチプラットフォームに対応しているアプリを探す中で出会ったのがMicrosoft OneNoteでした。OneNoteを選んだ決め手は、以下の3点です。
- 既存リフィルの取り込みやすさ: OneNoteの特筆すべき機能の一つに、「印刷イメージの取り込み」があります。PCで任意のファイル(PDF、Word、Excelなど)を印刷する際に、プリンターとして「OneNoteに送る」を選択するだけで、その内容が画像としてOneNoteのページに貼り付けられるのです。これにより、これまで紙で使っていたお気に入りのリフィルフォーマットや、過去の資料などを簡単にデジタル化し、OneNote上で引き続き活用することが可能になりました。これは、移行の手間を大幅に削減する上で非常に大きなメリットでした。
- 複数ページの同時参照・編集の容易さ: OneNoteは、複数のノートブック、セクション、ページを自由に作成・整理でき、それらをタブや別ウィンドウで同時に開くことができます。これにより、例えば「月間スケジュールを見ながら週間計画を立てる」「過去の会議メモを参照しながら新しいアイデアを練る」といった、紙の手帳では物理的に難しかった作業が、デジタル上でスムーズに行えるようになりました。PCでOneNoteを開きながらタブレットで手書き入力をすると、ほぼリアルタイムで情報が同期されるため、思考を中断することなく作業を進められます。この機能は、特に長期目標から短期目標への落とし込みや、複雑な情報の整理において非常に役立っています。
- Microsoft 365との親和性: 当時からMicrosoft 365(旧Office 365)を利用していたため、追加費用なしで高機能なOneNoteを利用できる点も魅力でした。Outlookカレンダーとの連携や、Word、Excelファイルとの親和性も高いです。
4. 私のOneNote手帳活用術(一例)
- デジタルリフィルの作成・活用: 既存のPDFリフィルを取り込んだり、OneNote上で自作のテンプレートを作成したりして、紙の手帳と同じような感覚で日々の記録や計画を行っています。
- 手書きメモとテキスト入力の併用: アイデア出しやラフなメモは手書きで、後から整理する情報や検索性を高めたい内容はテキストで入力するなど、状況に応じて使い分けています。
- 情報の一元化と検索性の向上: あらゆる情報をOneNoteに集約し、強力な検索機能で必要な情報をすぐに見つけ出せるようにしています。
- マルチデバイスでのアクセス: 外出先ではスマホで予定を確認し、自宅や職場ではPCやタブレットでじっくりと情報を整理・編集するなど、場所を選ばずに手帳を活用しています。
まとめ:手帳は進化する!自分に最適な「情報整理術」を見つけよう
私が紙の手帳からデジタル手帳(OneNote)へ移行した主な理由は、
- 紙の手帳では、情報量の増加に伴う携帯性の限界を感じたこと。
- 物理的な制約から見返す頻度が減り、活用度が低下してしまったこと。
- デジタルであれば、情報の一元化、共有、検索が格段に容易になること。
- OneNoteの機能が、既存の紙ベースの情報をスムーズに移行させ、かつ柔軟な活用を可能にしてくれたこと。
でした。
手帳は、単なるスケジュール帳ではなく、目標を達成し、日々の生活を豊かにするための強力なパートナーです。紙の手帳には紙の良さがあり、デジタル手帳にはデジタルの利便性があります。大切なのは、それぞれの特性を理解し、自分自身のライフスタイルや目的に合ったツールを選び、主体的に活用していくことです。
私の経験が、皆さんの手帳選びや情報整理術を見直すきっかけとなり、より充実した毎日を送るための一助となれば幸いです。