こんばんは。途中で寝てしまい、目が覚めました。生活のリズムがやや不安定です。
22日の午後より大雪となりましたが、現在は降っていないようです。しかし、少し凍ってきそうで、朝もかなり冷えるらしいです。
雪道を歩くときは、リュックを背負って、手袋を装着し、転倒してもけがをしにくい装備にしておくとよいようです。また、フラット着地で歩幅を狭くして歩くことを心掛けると安全です。
さて、遅い時間なのでさっそく本題へ!
本日は、EBPTとクリニカルリーズニングについてです。
①一見相反している?
EBPTというと、文献検索をして、根拠に基づく介入をしていくことがまず第一に浮かんできます。そして、クリニカルリーズニングは臨床推論ともいわれ、臨床で評価~治療までの介入を考察していくようなイメージで行われているので、両者は一見相反しているような、印象をもっていました。しかし、理学療法士協会は両方推奨しており、両者は共存可能なものであることがわかりました。
②EBPTついて再確認
EBPTについては過去の記事もご参照ください。(この日もすぐ寝てしまっている)
EBPTとは臨床の行動指針であり、ただ単に文献検索して外的なエビデンスに基づいて臨床を進めるわけではありません。これは、間違った認識です。
EBPTを進めるうえで、外的エビデンスを考えることは重要ですが、これは集団の平均値であり、注意すべきは目の前の患者様に適応しているのかをしっかり判断することになります。また、外的エビデンスを適応するうえで重要になるのが、セラピストのスキル、リハビリを行う環境(施設の設備)、患者様の考え方・キャラクターなどになります。セラピストのスキルがないのであれば、徒手的な介入に関する効果は不十分になり、外的エビデンスで示された効果を発揮できない可能性があります。エビデンスで示された方法通りに実施できない可能性があります。リハはビリを行う環境については、当然外的エビデンスで示された器機や道具がなければ実施できません。この場合、外的エビデンスを検索する際に、今の環境で行えるものの中から、最適なものを実施するようにするような考え方でよいとされています。患者様の考え方にあっているかも重要であり、本人の過去の経験により、よいもの、わるいものがある場合があるので、悪いと思っているものを無理に進めていくことはナンセンスです。患者様の合併症などにより外的エビデンスに当てはまらない可能性もあるため、注意が必要です。
EBPTは、簡単にいえば、その場、その状況により最適な理学療法を実施するための行動指針であるため、外的エビデンスを根拠とし、評価を基に当てはまっている外的エビデンスを活用していくことになります。そのため、PICOなどの活用が推奨されています。そして、もう一つ重要なのは外的エビデンスは、理論・基礎研究・動物研究では不十分である点です。患者様を対象として効果を示している文献に当たることです。
③クリニカルリーズニングの再確認
クリニカルリーズニングは臨床推論のことであり、ある程度臨床のフロー(流れ)を示してあり、それに沿って実施することで臨床で必要なことが漏れないようにしめされているものもあります。徒手療法などの勉強会では特に重要視されているような印象があります。
↑これは、Jonesの共同的推論モデル
このモデルでもわかるように、リーズニングでは、初回評価や情報収集などの結果から統合的に考え仮説を構築し、問題となる部位を明確にし、介入し、その効果について吟味し、治療内容について検討していく過程を繰り返して行います。PDCAサイクルなども話に上がることがよくあります。それに加え、患者様側についても考察し、患者様が自身の疾患についてどう考えているか、どのように治療することがよいと考えているかなどを考察することで、自主練習やセルフケア、臨床の内容などを考慮する必要があります。しっかり評価することにより、その内容を検討することで効果をあげていくことが可能だと思われます。
クリニカルリーズニングを要素に分けると7つあるといわれています。
①診断学的リーズニング
病態生物学的メカニズムの把握、医学的原因の分析など一般的に重要視されている印象があります。膝の疼痛だけでなく、評価結果からどの組織によるものか?疼痛が関節内か関節外からくるものか?などを考察することです。
②双方的・共同的リーズニング
患者との信頼関係に基づく共同意思決定。理学療法は人を相手にするため、相手側の要素がかならず影響します。これはEBPTとクリニカルリーズニングの共通点でもあります。患者様とゴールを共有し、寄り添いながら行う介入がよいのではないでしょうか。
③語りによるリーズニング
患者の心理的側面(過去の経験等)、個人の経験を理解すること。①との併合により効果的治療な治療が行えるとされています。②に近いところもありますが、③は患者様側の怪我や病気についての考え方を整理しておくことの重要性をしめしています。
④予測的リーズニング
予後予測的要素について考察します。評価や外的エビデンスの活用により、ある程度これができると改善の見込みがあることや改善の見込みが少ない場合は、高齢であったり認知症が高度であったりすることがわかります。どのように予測すべきかはその状況により異なり、自身の持っている指標を構築しておくことが必要だと思われます。
⑤教育的リーズニング
患者の理解力、マネジメント能力を把握、行動変容の推進について。自己管理がどのくらいできるか?自主練習を行えるか?自主練習の難易度は?提示されたものをその通りに実施できるのか?自己流になりやすいのか?などを推測します。
⑥倫理的リーズニング
医療倫理についてどのような考えをもっているのか。
⑦現実的リーズニング
対象者の社会的状況や環境を考慮したうえで、取り除かなければいけない要素を判断し、現実的な介入をおこなうことが必要。
これら7つの要素がリーズニングで考慮すべき点とされています。
クリニカルリーズニングは、臨床での思考面がどうあるべきかを示しているのではないかと思います。
④EBPTとクリニカルリーズニングをどう解釈するか。
EBPTは行動指針、クリニカルリーズニングは臨床思考であると考えます。
つまり、臨床を進めるうえでは、クリニカルリーズニングで示されているフローなどを活用し、情報収集、評価などから、問題点を抽出します。この際にどのような評価を活用するかについては診療ガイドラインなどを参考にえらぶことでEBPTの実践になると思います。また、問題点から治療を選択する際に、問題となる原因組織を抽出することが診断学的リーズニングであり、その具体的なアプローチとして対象者に対して、最善な介入について検討することがEBPTの実践なわけです。
ベースはクリニカルリーズニングの考え方で臨床をすすめ、ところどころで適切な評価の選択、適切な治療の選択を考える際に、セラピストのスキル、リハビリ環境、患者様側の要素を考慮した上での外的エビデンスの活用をしていくことでEBPTの実施が可能です。
こう考えると、クリニカルリーズニングを実施しながら、EBPTを実践することは可能であり、両者をしっかり行うことで質の高い理学療法の実践が可能であるといえます。といいますか、これこそが理学療法の真の姿ではないかと思います。
以上でEBPTとクリニカルリーズニングの考察を終了します。文章が長くなりましたが、整理できたのではないでしょうか。あとは、実践あるのみといったところでしょうか。頑張ります。
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