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【睡眠の乱れは心の乱れ?!】研修医を襲う「睡眠負債」の意外な落とし穴

【睡眠の乱れは心の乱れ?!】研修医を襲う「睡眠負債」の意外な落とし穴
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皆さん、こんにちは!理学療法士のPTケイです。

毎日、忙しく働いている皆さん、睡眠時間は足りていますか?「忙しくて、寝る時間なんてないよ!」という方も多いかもしれません。

実は、睡眠不足だけでなく、「睡眠の質の乱れ」が、私たちの心に大きな影響を与えている可能性があるんです!今回は、そんな「睡眠の質の乱れ」と「うつ病」の関係について、最新の研究結果をもとに解説していきます。

睡眠の「質」が心の健康を左右する?

2021年NPJ digital Medicineに掲載された論文において、 ユー・ファン氏らの研究グループは、研修医の睡眠パラメータの日々の変動性と、うつ病リスクについて前向きコホート研究を行いました。その結果、睡眠の変動性とうつ病との有意な関連を報告しています。

この研究では、2000人以上の研修医を対象に、

  • 腕時計型のデバイスで睡眠時間を計測
  • スマホアプリで毎日の気分を記録
  • 定期的にうつ病のアンケートを実施

という方法で、長期間にわたって睡眠と心の状態を追跡調査しました。

研究でわかったこと:睡眠の「質」が重要な理由

この研究から、睡眠時間が短いことだけでなく、睡眠時間や起床時間が日によってバラバラになること(=睡眠の変動性が大きいこと) が、うつ病のリスクを高め、日々の気分を悪化させる要因となることが示唆されました。

以下に、主な結果を表にまとめます。

睡眠の変化うつ病リスク/気分の変化
睡眠時間が短くなるうつ病リスク増加 / 気分悪化
就寝時間が遅くなるうつ病リスク増加 / 気分悪化
睡眠時間や起床時間がバラバラになるうつ病リスク増加 / 気分悪化
睡眠時間が増える気分改善
起床時間が遅くなる気分改善
就寝時間が早くなる気分改善
睡眠時間や起床時間のバラつきが少なくなる気分改善

数字から見えてくる注意点

この研究は、「睡眠の質の乱れ」と「うつ病」の関連性を示していますが、直接的な因果関係を証明するものではありません。

なぜなら、この研究は「観察研究」と呼ばれるデザインだからです。観察研究では、研究者が参加者の生活に介入せず、データを集めて分析します。そのため、「睡眠の乱れがうつ病を引き起こす」のか、「うつ病だから睡眠が乱れる」のか、あるいは「別の要因が両方に影響している」のかを区別することが難しいのです。

例えば、ストレスが多い人は、睡眠が乱れやすく、同時にうつ病にもなりやすいかもしれません。この場合、ストレスが原因で、睡眠の乱れとうつ病の両方が結果として生じている可能性があります。

したがって、この研究結果だけでは、「睡眠の質を改善すれば、必ずうつ病が予防できる」とは言い切れないことに注意が必要です。

今日からできる!睡眠の質を高める3つの習慣

この研究結果を踏まえて、今日からできる、睡眠の質を高めるための3つの習慣をご紹介します!

1. 規則正しい生活リズムを意識する
  • 毎日同じ時間に寝起きする: 週末の夜更かしや朝寝坊は、体内時計を乱し、睡眠の質を低下させる原因になります。
  • 日中はしっかり太陽の光を浴びる: 太陽光は、体内時計を整える上で非常に重要な役割を果たします。
  • 寝る前のカフェインやアルコールは控える: カフェインやアルコールは、睡眠を妨げる可能性があります。
2. 睡眠環境を整える
  • 寝室を暗く、静かに、涼しく保つ: 快適な睡眠環境は、質の高い睡眠に不可欠です。
  • 寝る前にスマホやパソコンは見ない: ブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。
  • 自分に合った寝具を選ぶ: 枕やマットレスの硬さ、素材などは、睡眠の質に大きく影響します。
3. 日中に適度な運動をする
  • ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動: 適度な運動は、睡眠の質を高める効果があります。ただし、寝る直前の激しい運動は避けましょう。
  • ストレッチやヨガ: リラックス効果があり、寝つきを良くする効果が期待できます。

まとめ:睡眠の質を改善して、心も体も健やかに!

今回の研究結果は、睡眠の質が、私たちの心の健康に、いかに大きな影響を与えるかを示しています。

「最近、気分が落ち込みやすい…」 「仕事のパフォーマンスが上がらない…」

そんな悩みを抱えている方は、もしかしたら、睡眠の質に問題があるのかもしれません。

今日から、睡眠の質を高める習慣を実践して、心も体も健やかな毎日を目指しましょう!

参考文献:

  • Fang, Y., Forger, D. B., Frank, E., Sen, S., & Goldstein, C. (2021). Day-to-day variability in sleep parameters and depression risk: a prospective cohort study of training physicians. NP 1 J digital medicine, 4(1), 1-9.

健康・医学関連情報の注意喚起:

本記事は、うつ病に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 うつ病などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。

【睡眠の乱れは心の乱れ?!】研修医を襲う「睡眠負債」の意外な落とし穴

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