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股関節シリーズ5:変形性股関節症に伴う隣接関節障害-Hip spine syndrome-

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変形性股関節症の隣接関節障害パート2:Hip spine syndrome

変形性股関節症の隣接関節障害についてです。昨日のCoxitis kneeに続いて本日は、Hip Spine syndromeです。ちなみに昨日のCoxitis kneeについては下の記事になっていますので、まだ見ていない方は是非!!

股関節と骨盤と脊柱の関係性により、障害が起こりうるのがHip spine syndromeです。

昨日のように脚長差などにより骨盤の傾斜を伴うこともあります。

今回は骨盤の前後傾により、大腿骨の骨頭がどの程度臼蓋に覆われるかが重要になります。これが、Hip spine syndromeの概念として重要だと思います。

Hip spine syndromeの要点

まず、把握しておきたいのがこちら。

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上図:左の骨盤について説明

骨頭被覆は増加し、臼蓋にかかる圧力は広い範囲に分散され、圧の集中が起こりにくい状態になります。骨頭は臼蓋に多く収まることにより安定しやすくなります。

骨盤前傾→骨頭被覆増加→圧の集中を避けられるということになります。

上図:右の骨盤について説明

右の図については、骨盤が後傾することで、左の図と逆のことが起こります。

つまり、骨頭被覆が減少し、圧の集中が起こり、骨頭、臼蓋に負担がかかります。当然骨頭の安定性も低下します。

骨盤後傾→骨頭被覆減少→圧の集中により骨頭・臼蓋に負荷がかかるというわけです。

Hip spine syndromeは2パターンで整理できる

①変形性脊椎症→変形性股関節症パターン

加齢などにより脊柱の変形→脊柱の後彎→骨盤は後傾位→骨頭被覆が減少→臼蓋と骨頭に圧の集中→関節裂隙の狭小化や骨硬化などが起こる→変形性股関節症を引き起こす可能性

②臼蓋形成不全→変形性股関節症(膝・腰部への隣接関節障害)

臼蓋形成不全=骨頭被覆が減少している→骨盤を前傾して代償→骨頭被覆増加→骨頭の安定性向上

臼蓋形成不全=骨頭と臼蓋に圧の集中しやすい→変形性股関節症に移行しやすい

骨盤前傾による運動連鎖→股関節内旋→患側股関節の内反拘縮などが惹起→膝への隣接関節障害(Coxitis knee)へ移行、脚長差の代償として骨盤の傾斜、腰椎の側弯が起こりうる

考察

Hip spine syndromeについて重要だと思う点としては、上記の骨盤の前後傾により骨頭被覆が変化することです。

骨頭被覆の減少は圧の集中にむずびつき、結果として変形性股関節症への移行へつながるリスクになることがわかりました。高齢女性で農家の方などは円背が極端につよい方もいますが、股関節の疼痛などを要する場合は、Hip spine syndromeの概念は参考になりそうです。股関節の疼痛の原因などの考察の際にも役立ちそうだなと思いました。また、変形性股関節症に伴う隣接関節障害と書きましたが、どちらかというと伴うというより関係するくらいな表現の方が正しいかもしれないなと思いました。

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