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【権力感・幸福感・精神疾患】「プロアクティブ・コーピング」との関係性

【権力感・幸福感・精神疾患】 「プロアクティブ・コーピング」との             関係性
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こんにちは。PTケイです。

「最近、仕事でうまくいかないことが多くて…」

「将来のことを考えると不安で…」

そんな悩みを抱えていませんか? 

もしかしたら、それは「心の強さ」が関係しているかもしれません。

今回は、「心の強さ」と「幸せ」の関係について、最新の研究をもとにご紹介します!

研究紹介

2020年、韓国のヒョン氏とクー氏の研究グループは、権力感、プロアクティブ・コーピング、幸福感、および精神疾患の関係について、調査と実験を用いて検討しました。

その結果、権力感はプロアクティブ・コーピングを促進し、それが幸福感の増加と精神疾患の減少につながることを報告しました。

  • 権力感:他者に影響を与えたり、自律的に行動したりする感覚のこと。
  • プロアクティブ・コーピング: 将来起こりうる問題に対して、事前に対応すること。

心の強さが幸せと関係があるって本当?

研究では、まず、150人の韓国の成人を対象に調査を行いました。 その結果、

  • 「自分には力がある」と感じている人ほど、積極的に問題解決に取り組む傾向がある。
  • 積極的に問題解決に取り組む人ほど、幸福度が高く、うつ病や不安などの精神的な問題を抱えにくい。

ということがわかりました。

さらに、研究グループは、143人の成人を対象に実験を行いました。 参加者を「力がある」と感じるグループと「力がない」と感じるグループに分け、その後の心の状態を調べたのです。

すると、

  • 「力がある」と感じたグループは、そうでないグループに比べて、積極的に問題解決に取り組むようになった。
  • 積極的に問題解決に取り組むことで、幸福感が高まり、うつ病や不安などの精神的な問題が軽減された。

という結果が得られました。

なぜ、心の強さが幸せにつながるの? メカニズムを解説!

研究グループは、「心の強さ(権力感)」が幸せや心の健康につながるメカニズムを、次のように説明しています。

  1. 権力感:「私にはできる!」という自信 まず、「自分には力がある」「問題を解決できる能力がある」と感じることが出発点です。 これを「権力感」と呼んでいます。 たとえば、仕事で新しいプロジェクトを任されたとき、「よし、私ならきっとうまくできる!」と思えるかどうか。 この自信が、積極的に行動する原動力になります。
  2. プロアクティブ・コーピング:未来を見据えた「先回り」の行動 権力感があると、「問題が起こる前に、何かできることはないか?」と自然に考えるようになります。 これが「プロアクティブ・コーピング」です。 例えば、
    • プレゼン前に、予想される質問を考えて、事前に回答を準備しておく
    • 体調を崩しやすい季節の前に、予防接種を受けたり、十分な睡眠をとったりする
    • 人間関係のトラブルを避けるために、日頃からコミュニケーションを大切にする
    など、未来を見据えて「先回り」の行動をとることで、問題を未然に防いだり、スムーズに解決したりできるようになります。
  3. 幸福感:達成感と自信がもたらす「幸せ」 プロアクティブ・コーピングによって問題がうまく解決できると、「やった!」「できた!」という達成感や、「自分はできるんだ」という自信が生まれます。 これらのポジティブな感情が、私たちの「幸せ」につながります。 例えば、準備万端でプレゼンに臨み、成功したときの喜びや、健康管理をしっかりして風邪をひかずに済んだときの安心感などが、幸福感を高めてくれます。
  4. 精神疾患:ストレス軽減で「心の健康」をキープ 問題が起こる前に対処したり、スムーズに解決できたりすれば、問題を抱え込んで悩む時間が減ります。 その結果、ストレスが軽減され、心の健康が保たれやすくなります。 つまり、プロアクティブ・コーピングは、心の健康を守る「盾」のような役割も果たしてくれるのです。

このように、「自分には力がある」という感覚(権力感)が、「先回り」の行動(プロアクティブ・コーピング)を促し、それが達成感や自信、そして心の健康(幸福感、精神疾患の予防)につながっていく、というわけです。

【実践編】心の強さを育むには?

この研究結果を踏まえて、私たちは日々の生活でどのように行動すれば良いのでしょうか? 研究では、具体的な方法については触れられていませんが、「自分には力がある」と感じることが大切だと示唆されています。

そこで、今日からできる、3つのステップを紹介します。

  1. 小さな成功体験を積み重ねる: 簡単な目標を立て、それを達成する経験を積み重ねることで、「自分にはできる」という自信を高めましょう。
  2. 自分の強みを見つける: 自分の得意なことや、人から褒められたことを振り返り、自分の強みを認識しましょう。
  3. 肯定的な言葉を使う: 「私ならできる」「大丈夫」など、自分を励ます言葉を積極的に使いましょう。

これらのステップを実践することで、徐々に「自分には力がある」と感じられるようになり、積極的に問題解決に取り組めるようになるはずです。

まとめ

今回の研究から、「自分には力がある」と感じることが、私たちの幸せや心の健康に大きく関係していることがわかりました。 日々の生活の中で、小さなことからでも良いので、「自分には力がある」と感じられるような行動を心がけてみましょう。

参考文献

  • Hyun, S., & Koo, J. (2020). How does power affect well-being and psychopathology? The mediating role of proactive coping. Australian Journal of Psychology, 73(1), 84-93.*

健康・医学関連情報の注意喚起

本記事は、権力感と幸福感/精神疾患に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の医学的アドバイスを提供するものではありません。 うつ病などの診断や治療については、必ず医療従事者にご相談ください。

【権力感・幸福感・精神疾患】 「プロアクティブ・コーピング」との             関係性

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