日々の臨床業務に記録・書類作成・自己研鑽まで重なると、「あのタスクやったっけ?」と抜け漏れが出たり、目の前の忙しさに追われて本来の目標が見えなくなったりすることがありますよね。
今回は、私自身が長年実践している「GTD(Getting Things Done)」というタスク管理メソッドの基本と、具体的な運用方法をご紹介します。
GTDメソッドとは

GTDとはGetting Things Doneの略で、デビッド・アレン氏が提唱したタスク管理手法です。過去の認知心理学の知見なども踏まえてまとめられた、より効率的に物事を成し遂げるための考え方です。
GTDは簡単に言えば、『自分の考えていること、気になっていることをすべて脳の外(紙やデータ)に一度出してしまい、それらの一つ一つについて吟味し、やるべきかどうかを判断していくもの』です。
GTD初級レベルとして、5ステップのフローが有名ですので今回はこれをご紹介したいと思います。日々の臨床業務に加えて記録・勉強会準備・委員会の宿題まで抱えやすい理学療法士ほど、このシステムの恩恵を感じやすいはずです。
GTDフローチャートの概略

GTDフローチャート説明
- 頭にあることすべてをInboxへ入れ把握する
- Inboxの中身を1つ1つを見極める
- 行動に起こすべきか、行動しないなら捨てるべきか、保留すべきか、資料として残すべきか整理する
- 行動に起こすべきタスクをプロジェクトに入れておき、定期的に確認し更新する
- 次に取るべき行動、即実行、誰かに任せる、後でやるを選択する
プロジェクトへの矢印について:行動すべきタスクを1度プロジェクトに入れてプロジェクトプランから次に取るべき行動を更新していく場合がある。この、一度プロジェクトを見直す機会を週一回実施することを週次レビューといい、GTDシステムを機能させる上で重要とされている。
上記がGTDのフローチャートです。実際どう行うのかなんとなくイメージしていただけたでしょうか。
GTDの具体的な方法

①把握
よく2時間以上かけてやると言われます。休日などを使って(できれば2日とれとか書いてありますが)行います。
私は週1回(基本的には日曜日)に20分~2時間程度かけて実施します。しばらく行えない期間が続くと少し長くなりやすい傾向です。
ある程度把握すると、次に把握する時間は少なくてすみます。
ゼロから把握するとかなりの時間を要すため、できるだけ毎週実施することが大切です。
方法は、紙に書いてもいいし、アプリケーションを使ってもいいと思いますが、とにかく、思いついたことをInboxというものにとりあえず放り込みます。
私は一度NOZBEというアプリケーションの中のinboxへ打ち出します。
私の場合は、患者様の記録の下書きメモ、次の勉強会で発表する内容、後輩指導で伝えたいポイントなども、思いついた時点でまずここに放り込むようにしています。
その際にトリガーというものが便利です。書籍『ストレスフリーの整理術』の中に書いてありますが、家族ー記念日ーや友達ー電話ーなどリストを見ながら考えると、思わぬところでやることがあることを思い出したり、買わなければいけないものに気づきます。
②見極めて整理する
すべてを書き出したら、今度は、一つ一つ上から確認していき、Inboxが空になるまで実施します。
- まず、その考えや気になることはすぐに実行して終わらせられるのかを考え、2分以内で終わればその場で実行します。
- 2分以上かかる場合は、今すぐやるべきかどうかを考えます。後でやる場合や参考資料の場合は、後でやるリストや参考資料リストへタスクを移動させます。
- また、行動に移していく必要がある場合は、そのタスクが1つのタスクなのか?それとも複数のタスクからなるものなのかを考えます。
例えば、一つのタスクからなるものは、『明日忘れないようにカバンの中にPCを入れる』などですかね。
複数のタスクからなるものはプロジェクトといいます。
例えば、『明日のお弁当を作る』がプロジェクトであり、『スーパーで買い物をする』がその中に含まれるタスクになります。お弁当を作るためには、買い物して料理する必要がありますからね。
この時、タスクはできるだけ細分化するべきです。スーパーで買い物をする前に、自宅で買い物リストを作成する→銀行でお金を引き出すなどより細分化することで行動する際に判断する必要がなくなり、高速で実行できます。
また細分化することでやることが明確で簡単になるため行動しやすい利点もあります。
Inboxの中身がタスクでない場合は、上記のフローチャートの通り、捨てる、保留、資料に分けますが、私の場合は、保留はNOZBEというアプリにあとでやるリストがあるのでそこにいれます。資料は基本的にevernoteというアプリケーションに入れます。
見極める段階で、同時に行動に移していくものについては、すぐやるべきであれば次にやることリストに入れるようにします。
③更新する
GTDの5ステップで一番重要なのは更新です。私が行う方法は月、週、日ごとにレビューする方法です。
- 月次レビューでは、手帳やNOZBEを見ながら、今月にやるべきことを考えながら①~③のステップを実施します。大まかにやるべきことを出します。
- 週次レビューでは、GTDの最も重要な鍵となるものです。私は、ウィークリーの手帳を使って、具体的に行動を考えます。必要に応じてポップアップ(自動的に次やることリストに上がるようにする)させる日にちを設定しておきます。
- 日次レビューは単純に明日の予定、具体的行動を決めます。やるべきことを実行します。
④選択する
次にやることや整理したカテゴリーを参照しながらとにかくタスクをこなしていくわけです。重要なのは整理することに時間を使うのではなく、物事を成し遂げるためです。
まとめ

今回はGTDの大まかな概要について分かりやすく説明してきたつもりです。
見極める、整理する、更新するあたりがややわかりにくいので今後需要があれば、より分かりやすく細かく説明していければと思っています。
臨床業務・記録・勉強会準備など、抱えるタスクの種類が多い理学療法士の日々の業務にも活かせる考え方だと思いますので、ぜひ取り入れてみてください。
参考文献
デビッド・アレン. 新装版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術. 二見書房; 2025.





