専門分野の学習、特に解剖学のように覚えるべきことが多い分野では、「インプットしたはずなのに、いざとなると出てこない…」という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
今回は、理学療法士認定試験(運動器)の準備を進める中で、股関節の解剖学の復習を通して見えてきた、効果的な学習のヒントをご紹介します。
学習の前提:集中できる時間の確保
効率的な学習のためには、まず集中できる時間を確保することが重要です。
私の場合、前夜に少し早めに就寝することで、翌朝かなり早い時間に目覚めることができました(昨日は21:30就寝→2:40起床!)。予想外の早起きでしたが、静かな早朝の時間は誰にも邪魔されず、読書や学習に集中できる貴重な機会となりました。
毎日続けるのは難しいかもしれませんが、「学習時間を確保する」という意識を持つことが第一歩です。
専門学習の開始:テーマを絞り、基礎から復習
疼痛に関する勉強会が一段落したため、今月は認定試験に向けて「股関節の理学療法」に焦点を当てることにしました。学習範囲が広い場合、このように期間を決めてテーマを絞ることは、知識を体系的に整理する上で有効です。
まずは基本となる解剖学の復習からスタート。教科書や資料を読み込み、以下の項目について知識をインプットしました。
- 靭帯: 腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯
- 関節包周辺: 転子包、腸恥包
- 寛骨臼・大腿骨頭周辺: 寛骨臼窩、臼蓋横靭帯、大腿骨頭靭帯
- 骨形態: 頚体角、前捻角
- 筋・神経: 梨状筋、坐骨神経
学習効果を高める鍵:「アウトプット」の重要性
さて、ここからが重要です。インプットした知識を「自分のもの」にするためには、能動的なアウトプット(想起練習)が欠かせません。
今回、上記の解剖学的名称を何も見ずに書き出そうと試みました。結果は…残念ながら、一部は資料を見ないと正確に書けませんでした。
しかし、この「思い出そうと試みる(そして、思い出せない箇所を確認する)」プロセスこそが、記憶を定着させる上で非常に効果的なのです。
- 理解度の確認: どこを覚えていて、どこが曖昧なのかが明確になる。
- 記憶の強化: 思い出そうと努力することで、関連する知識へのアクセスが強化される。
- 学習の方向修正: 弱点がわかるため、次に何を重点的に復習すべきかが見える。
単に資料を読み返す(インプット)だけでは、分かった「つもり」になってしまうことが多いですが、実際に書き出してみる(アウトプット)ことで、本当の理解度が試され、知識がより深く刻まれます。
今後の学習計画:インプットとアウトプットの繰り返し
今回の経験を踏まえ、股関節に関しては1〜2週間を目安に、以下のサイクルで学習を進める予定です。
- インプット: 教科書や資料を読み込み、知識を取り入れる。
- アウトプット: 何も見ずに書き出す、図を描く、口頭で説明するなど、様々な方法で想起練習を行う。
- 確認・修正: アウトプットの結果を確認し、不正確な部分や曖昧な部分を再度インプットする。
まずは知識を頭に入れることが先決ですが、早い段階からアウトプットを取り入れることで、より効率的に学習を進められると考えています。
まとめ:学習は「思い出す」練習から
解剖学のような複雑な内容を学習する際は、単に知識を詰め込むだけでなく、「覚えたことを思い出す練習」を意識的に取り入れることが、記憶の定着と深い理解につながります。完璧にできなくても、まずは試してみることが大切です。
この記事が、皆さんの専門分野の学習や資格取得に向けた取り組みのヒントになれば幸いです。