Bさんはぁ…また先輩に理不尽なこと言われちゃった。家に帰ってもイライラが止まらなくて、結局ヤケ食いして自己嫌悪…。私、ストレスに弱いのかなぁ。



わかります。僕は逆に、考え込みすぎて眠れなくなるタイプです。『もっとうまくやれたはず』って反省ばかりで、休まらなくて…。



お二人とも、毎日本当にお疲れ様です。
ストレスへの反応は人それぞれ違いますし、「これが正解」というものはないんですよ。
大切なのは、自分が「どんな風にストレスと戦おうとしているか(=戦い方のクセ)」を知ることです。
今日は、最新の科学的モデルを使って、あなたの「心の守り方」のタイプを診断してみましょう。
自分のタイプがわかれば、もっと楽に生きられるようになりますよ。
1分でわかる要約 (1-Minute Summary)


🌱 この記事でわかること:あなたの「心の守り方」診断
- ✅ ストレス対処に「正解」はない 「問題解決」だけが良いわけではありません。「逃げる」ことも「寝る」ことも、立派な戦略の一つです。大切なのはバランスです。
- ✅ あなたはどのタイプ?8つのスタイル 最新の科学モデル(CCM)に基づき、ストレス対処法を8つに分類。記事内のチェックリストで、自分の「戦い方のクセ」がわかります。
- ✅ 「自分を知る」だけで心は軽くなる 「なんで私はダメなんだろう」ではなく、「今はこういう対処をしているんだな」と客観視することが、メンタル回復の第一歩です。
研究紹介 (Research Introduction)


2019年、ポーランドの心理学者Stanisławski(スタニスワフスキー)氏らは、ストレス対処(コーピング)に関する画期的な統合モデルを発表しました。 これまでバラバラに議論されていたストレス対処法を、「問題への向き合い方」と「感情の処理」という2つの軸で整理し、「コーピング・サーカムプレックス・モデル(CCM)」として体系化したのです。
今回は、この「心の地図」を使って、あなたの心を紐解いていきます。
1. ストレス対処の新しい地図「CCMモデル」とは?
これまで、ストレス対処法といえば「問題解決型(原因を絶つ)」か「情動焦点型(気晴らし)」かの二択で語られがちでした。しかし、人間の心はもっと複雑です。 CCMモデルでは、以下の2つの軸で心を分析します。
- 問題対処軸(縦軸): ストレスの原因に立ち向かうか、避けるか?
- 感情対処軸(横軸): 感情をポジティブに保つか、ネガティブに陥るか?
この2つの軸を組み合わせることで、私たちの行動は8つのスタイルに分類できるのです。



僕がリハビリの現場で見てきた患者さんも、本当に千差万別でした。
「とにかくリハビリ頑張ります!」と燃える人もいれば、「痛いのは嫌だ」と塞ぎ込む人もいる。
でも、どちらが良い悪いではないんです。
このモデルは、そんな「心の多様性」を認めてくれる優しい地図なんですよ。
2. 【タイプ診断】あなたはどれ?8つのストレス対処スタイル
診断結果を元に、以下のタイプ別の特徴を見てみましょう!
① 効率タイプ (P+E+):スーパーポジティブな戦士


- こんな人: 「ピンチはチャンス!」が口癖の人。
- 特徴: 冷静に問題を分析しつつ、ユーモアも忘れない最強のバランス型。
- 心の声: 「大変だけど、これを乗り越えれば成長できる!失敗しても次があるさ!」
② 問題解決タイプ (P+):感情無用のロジカルマシン


- こんな人: 「泣いていても解決しない」と考える合理主義な人。
- 特徴: 感情を脇に置き、淡々とタスクをこなす。
- 心の声: 「落ち込んでる暇はない。原因は何だ?対策は?よし、実行しよう。」
③ 問題への没頭タイプ (P+E-):焦燥の努力家


- こんな人: 「やらなきゃいけないのに不安で仕方ない」人。
- 特徴: 頑張っているけれど、心は不安や焦りでいっぱい。完璧主義者に多い。
- 心の声: 「なんとかしなきゃ!でも失敗したらどうしよう…いや、やるしかないんだ!」
④ ネガティブ感情対処タイプ (E-):自分責め・イライラ爆発


- こんな人: ストレスを感じると、自分や周りに当たってしまう人。
- 特徴: 問題そのものより、湧き上がる不快な感情に飲み込まれてしまう状態。
- 心の声: 「もう最悪!なんで私ばっかりこんな目に遭うの?私がダメだからだ…」
⑤ 無力感タイプ (P-E-):全てを諦めた世捨て人


- こんな人: 「どうせ何をやっても無駄だ」と感じている人。
- 特徴: 問題からも自分の感情からも目を背け、エネルギーが枯渇している状態。
- 心の声: 「もう、どうにでもなれ…。布団から出たくない…」
⑥ 問題回避タイプ (P-):先送り・現実逃避のプロ


- こんな人: 「嫌なことは明日考えよう」がモットーの人。
- 特徴: ストレス源を見ないようにして、やり過ごす。
- 心の声: 「あー、その話はやめて。今はテレビ見て忘れよう。明日の自分、頑張れ。」
⑦ 快楽的離脱タイプ (P-E+):その場しのぎの快楽主義


- こんな人: 「むしゃくしゃしたからパーっと買い物だ!」という人。
- 特徴: 買い物、やけ食い、お酒などで、一時的に嫌なことを忘れる。
- 心の声: 「ストレス発散にケーキ食べちゃお!楽しいことだけ考えよう!」
⑧ ポジティブ感情対処タイプ (E+):なんとかなるさの楽観主義


- こんな人: 深刻な時ほど冗談を言いたくなる人。
- 特徴: 具体的な解決策はなくても、まずは自分の機嫌をとって心を落ち着ける。
- 心の声: 「まぁ、命まで取られるわけじゃないし!笑って吹き飛ばそう!」
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3. この「地図」をどう使う? 正解の使い分け方


自分のタイプ、なんとなく掴めましたか? ここで重要なのは、「どのタイプも悪くない」ということです。



実はわたしは、うつ病のどん底にいた時は、完全に「無力感タイプ」でした。
何もできない、したくない。でも、そこから回復する過程で「今日はとりあえず寝て忘れよう(問題回避)」とか、「美味しいシュークリームを食べよう(快楽的離脱)」とか、小さな「逃げ」や「気晴らし」を許せるようになっていったんです。(※シュークリーム好きです)
いきなり「効率タイプ」を目指さなくていい。
今の自分の心のエネルギー残量に合わせて、「今の自分にはこの戦い方が合っている」と選んであげることが大切なんです。


- エネルギーがある時: 「問題解決」や「効率」で原因を取り除く。
- 疲れている時: 「快楽的離脱」や「問題回避」でとりあえず嵐が過ぎるのを待つ。
- どうしようもない時: 「ポジティブ感情対処」で、見方を変えてみる。
コントロールできない問題(天災や他人の性格など)に対して、必死に「問題解決」しようとすると疲弊します。
逆に、解決できる問題(仕事のミスなど)を「問題回避」し続けると、事態は悪化します。
「このストレスは、戦うべき相手か? それとも受け流すべき相手か?」 地図を見ながら、そう問いかけてみてください。
【PTケイのQ&A】 (Q&A Section)
まとめ (Conclusion)


- 🗺 8つのスタイルを知る 自分は「戦う派」?「逃げる派」?「楽しむ派」? 自分のクセを知るだけで、ストレスへの恐怖心は減ります。
- 🛡 逃げることも「戦略」 常に「問題解決」を目指す必要はありません。心が疲れている時は、「回避」や「離脱」が正解の時もあります。
- ⚖ 状況に合わせて使い分ける 自分のエネルギー残量と、問題の種類に合わせて、手持ちのカード(対処法)を切り替えていきましょう。
「もっと強くならなきゃ」と、一人で歯を食いしばっていませんか? 心の強さとは、決して折れないことではありません。 折れそうになった時に、「今は休もう」「誰かに頼ろう」と、自分の守り方を選べる柔軟さこそが、本当の強さです。 あなたが今日、自分自身に「よくやってるね」と優しく声をかけてあげられますように。
参考文献 (References) & 注意喚起 (Disclaimer)
参考文献
- Stanisławski, K. (2019). The Coping Circumplex Model: An Integrative Model of the Structure of Coping With Stress. Frontiers in Psychology, 10, 694.
注意喚起
本記事は、ストレス対処法に関する情報提供を目的としており、医学的アドバイスを提供するものではありません。症状の診断や治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。また、うつ病などの精神疾患の治療中の方は、主治医の指示に従ってください。


PTケイからの心の羅針盤