理学療法士として働いていると、「今の職場、本当にこのままでいいのかな」と一度は頭をよぎるものですよね。
かといって、転職という二文字を意識した瞬間に、なんとも言えない不安が押し寄せてくる方も多いのではないでしょうか。
「怖い」という感情の裏には、必ず具体的な理由が隠れています。
この記事では、その怖さの正体を一つひとつ分解しながら、12年目の現場経験を踏まえて、あなたが安心して次の一歩を踏み出せるようにサポートしていきますね。
理学療法士が転職を「怖い」と感じる3つの理由(人間関係・スキル・収入)

まずは、多くの理学療法士が転職に対して「怖い」と感じてしまう理由を整理していきましょう。
日本理学療法士協会のデータによると、理学療法士の年間離職率は約10〜15%と推移しています[1]。
つまり、10人に1人以上は毎年職場を変えているというのが実態なんですね。
これだけ多くの人が転職しているという事実がある一方で、「怖い」という感情がなくなるわけではありません。
その理由は、大きく3つに分けられるといったところですね。
1. 新しい職場の人間関係になじめるかという不安
転職の怖さの中で、圧倒的に多いのが人間関係への不安です。
- 新しいスタッフとの相性がわからない
- 既存のチームに自分が入れるかどうか心配
- 上司や先輩との関係構築がゼロからスタートになる
理学療法士は病院や施設という限られたコミュニティの中で、毎日同じメンバーと顔を合わせる仕事ですよね。
だからこそ、「合わない人がいたらどうしよう」という不安は、当然のように大きくなってしまうものです。
(とはいえ、これは転職前にどれだけ想像しても答えが出ない部分でもあるんですよね…)
2. 自分の臨床スキルや知識が他施設で通用するかの自信不足
2つ目の理由は、臨床スキルへの自信不足です。
- 今の職場でしか通用しない「独自のやり方」に慣れてしまっている
- 他施設の治療プロトコルや設備に対応できるか不安
- 転職先で「使えない人」と思われることへの恐怖
長く同じ職場にいると、その環境に最適化された動き方が身についてしまいますよね。
それが悪いことではないのですが、「これって他の病院でも通用するのかな」と急に不安になる瞬間、ありませんか(笑)。
3. 年収ダウンや労働環境悪化への懸念
そして3つ目が、収入と労働環境に関する懸念です。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士の平均年収は約440万円とされています[2]。
転職によって給与が上がるケースもあれば、下がるケースもあるというのが正直なところなんですね。
さらに、医療従事者の需給に関する検討会(厚生労働省)の資料では、理学療法士の供給数は年々増加しており、将来的な需要と供給のバランスの変化が指摘されています[3]。
つまり、これから理学療法士の数が増えていく中で、給与や待遇の競争が激しくなる可能性もあるということですね。
こうしたデータを踏まえると、「転職=収入が下がるかもしれない」という不安は、決して的外れなものではないというのが実情です。
私が現場で直面したリアルな壁
正直に言うと、私自身も転職を考えたとき、この3つの不安すべてに押しつぶされそうになった経験があります。
当時勤めていた病院で、朝から晩まで患者さんのリハビリに追われながら、「このままでいいのか」という思いと「でも転職したら今より悪くなるかもしれない」という恐怖が常に頭の中でせめぎ合っていたんですね。
(今思えば、その悩んでいる時間こそが一番もったいなかったな…と反省しています)
結局、行動を起こすことができず、休職して最終的には再度休職して退職するということになってしまいました。(厳密には退職後に転職した感じです。)
その経験があったからこそ、今こうして皆さんに具体的なアクションをお伝えできるとも思っています。
転職の「怖い」を克服するための4つの具体的なアクション

不安の正体がわかったところで、次はその怖さを乗り越えるための具体的な行動を見ていきましょう。
感情論だけで動くのではなく、一つずつ具体的なステップを踏むことが、不安を小さくする一番の方法です。
1. 転職の目的(ワークライフバランス、収入アップ等)を明確にする
まず最初にやっていただきたいのが、転職の目的をはっきりさせることです。
- ワークライフバランスを改善したいのか
- 収入を上げたいのか
- 専門性を高めたいのか
- 人間関係のストレスから離れたいのか
目的が曖昧なまま転職活動を始めてしまうと、途中で「これで本当に良かったのか」と迷いが生じてしまいますよね。
逆に、目的が明確であれば、転職先を選ぶ基準もブレなくなっていきます。
2. 自分の市場価値を客観的に把握する(職務経歴書の棚卸し)
次に大切なのが、自分自身の市場価値を客観的に知ることです。
- これまで担当した症例の種類や件数
- 取得している資格や研修受講歴
- 得意とする疾患領域や治療技術
- マネジメント経験の有無
これらを職務経歴書に落とし込んでいく作業を、私は「棚卸し」と呼んでいます。
実際に書き出してみると、「意外と自分にはこんな強みがあったんだ」と気づくことも多いんですね。
(これは自己満足のためではなく、面接で自分の価値を正しく伝えるための準備でもあります)
3. 転職先の内部事情(人間関係や離職率)を徹底的にリサーチする
3つ目は、転職先の内部事情をとにかく調べ尽くすことです。
- 施設の離職率はどの程度か
- スタッフの年齢層や男女比
- 教育体制やフォロー体制の有無
- 実際の残業時間や休日出勤の実態
ホームページやパンフレットだけではわからない情報を、できるだけ多角的に集めていただけると嬉しいです。
「入ってから知った」という後悔を防ぐためには、この段階での情報収集がとても重要になってきますね。
4. 働きながら転職活動を行い、金銭的・精神的リスクを最小限に抑える
最後にお伝えしたいのが、在職中に転職活動を進めるという選択です。
- 収入が途切れるリスクを避けられる
- 焦って転職先を決めてしまうリスクを減らせる
- 精神的な余裕を持って比較検討ができる
退職してから転職活動を始めると、経済的な不安がプレッシャーになって、条件の悪い職場でも「もう決めてしまおう」と妥協してしまうケースが少なくありません。
(実際、そういう選択をして後悔している同業者の声も、これまで何度も聞いてきました…)
だからこそ、在職中に情報収集と応募を進めていくという視点を持ってみるのもおすすめです。
転職に失敗しない!理学療法士におすすめの安全な転職方法

ここまでのアクションを踏まえて、さらに具体的な「安全な転職の進め方」を2つご紹介していきますね。
リハビリ職専門の転職エージェントを活用して非公開情報を得る
理学療法士の転職において、専門の転職エージェントを活用することは非常に有効な選択肢です。
- 一般には公開されていない求人情報を得られる
- 施設の内部事情(離職率や人間関係の傾向)を教えてもらえる場合がある
- 条件交渉を代理で行ってもらえる
- 面接対策や書類作成のサポートを受けられる
リハビリ職に特化したエージェントであれば、業界特有の事情にも詳しいため、的確なアドバイスをもらいやすいというメリットもありますね。
一人で悩みながら転職活動を進めるよりも、専門家の視点を借りることで、不安をかなり軽減できるはずです。
職場見学を必ず実施し、実際の雰囲気や設備を自分の目で確かめる
そして、もう一つ絶対に欠かせないのが、職場見学を実施することです。
- スタッフ同士のコミュニケーションの様子
- リハビリ室の設備や広さ
- 患者さんへの対応の仕方
- 実際に働いているスタッフの表情
面接だけでは見えてこない部分が、見学に行くことで一気に見えてくることがあります。
「求人票では良さそうだったのに、実際に見学したら雰囲気が全然違った」というケースも決して珍しくないんですね。
可能であれば、複数回・複数の時間帯で見学させてもらうことを強くおすすめします。
PTケイが語る!初めての転職のリアルな体験談と乗り越えた壁

ここからは、少し個人的な話をさせていただきますね。
私が初めて転職を考えたのは、理学療法士として働き始めて数年が経った頃のことでした。
当時の職場は決して悪い環境ではなかったのですが、キャリアの方向性に迷いが生じ、「このままでいいのか」という思いがどんどん大きくなっていったんですね。
正直なところ、転職活動を始めてからも、何度も心が折れそうになりました。
- 求人票と実際の条件のギャップに戸惑ったこと
- 面接でうまく自分の強みを伝えられなかったこと
- 「今の職場を辞める」という決断そのものに対する罪悪感
特に、これまで一緒に働いてきたスタッフや患者さんへの申し訳なさは、想像以上に重くのしかかってきました。
(辞める、というだけでこんなに悩むものなのかと、当時は本当に驚きました…)
それでも、一つひとつ情報を集め、職場見学を重ね、自分の目的を何度も見直していく中で、少しずつ「これでいいんだ」という確信が持てるようになっていったんですね。
最終的に転職先で新しい環境に飛び込んだとき、想像していたよりもずっとスムーズに馴染むことができました。
その理由は、事前の情報収集と準備を丁寧に行っていたからだと、今振り返っても強く感じています。
この経験があったからこそ、「怖い」という感情は、正しい準備によって確実に和らげることができるということを、皆さんにお伝えしたいと思っています。
まとめ:理学療法士の転職への「怖い」を克服して新たな一歩を踏み出そう

ここまで、理学療法士の転職に対する「怖い」という感情の正体と、その克服方法についてお伝えしてきました。
最後に、内容を振り返っておきますね。
- 転職の怖さの正体は「人間関係」「スキル」「収入」の3つに集約される
- 目的の明確化と自己分析(棚卸し)が不安を減らす第一歩
- 内部事情のリサーチと在職中の転職活動でリスクを最小化できる
- 転職エージェントと職場見学を組み合わせることで、失敗のリスクをさらに下げられる
理学療法士の年間離職率が約10〜15%というデータ[1]からもわかるように、転職はごく一般的なキャリアの選択肢の一つです。
怖いと感じるのは、決してあなただけではありません。
大切なのは、その怖さを「なんとなくの不安」のままにせず、一つひとつ具体的な行動に変えていくことですね。
あなたのキャリアが、少しでも前向きな方向に進んでいくことを、心から願っています。
参考文献
- [1] 日本理学療法士協会. 統計情報. 公益社団法人 日本理学療法士協会. https://www.japanpt.or.jp/activity/data/ 2026. 2026年8月12日.
- [2] 厚生労働省. 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html 2024. 2026年8月12日.
- [3] 厚生労働省. 医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回). 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000132674_00001.html 2019. 2026年8月12日.





