グループホームに入居しているご家族の体力が落ちてきた気がして、「訪問リハビリを追加でお願いできないかな」と考えている方、意外と多いんですよね。
結論からお伝えすると、介護保険の訪問リハビリは原則として併用できないんですが、諦める必要は全くありません。
この記事では、グループホーム入居中でも実際に使えるリハビリの選択肢と条件を、現役理学療法士の視点から整理していきますので、読み終える頃には施設やケアマネさんへの相談もぐっとスムーズになるはずですよ。
グループホーム入居者は訪問リハビリを原則利用できない

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居している方は、原則として介護保険の訪問リハビリを利用できません。「なんとかリハビリを受けさせてあげたい」というご家族の想いはよく分かるのですが、この点は制度上はっきりしています。
グループホームは地域密着型サービスにあたり、基本報酬に日常生活上の機能訓練が含まれています。そのため厚労省告示では、入居中は「訪問リハビリテーション費は算定しない」と定められ、外部サービスを個別に重ねて使うことは給付調整上できません。
ただし、すべてのケースで一切利用不可というわけではなく、
- 特別訪問看護指示書の交付や厚生労働大臣が定める疾病該当時の医療保険による訪問リハビリ
- 施設職員による機能訓練
- 生活機能向上連携加算による外部PT・OTの助言
- 訪問看護ステーションとの契約による医療連携体制加算
など、限定的・例外的な手段は残されています。「誰でも簡単に使える」わけではない点は知っておいていただけると嬉しいです。
(詳しくはこちら。記事は準備中です)
施設職員による機能訓練で身体機能を維持できる

グループホームでは訪問リハビリの利用が原則できない分、施設に配置されている機能訓練指導員による機能訓練が、身体機能を維持するための基本的な手段になりますね。
機能訓練指導員が個別プログラムを作成する
機能訓練指導員は、理学療法士や作業療法士、看護師などが担うことができる職種です。
- 入居者一人ひとりの状態に合わせた個別プログラムの作成
- 日常生活動作の中に運動要素を取り入れる工夫
- 定期的な状態の見直しと調整
といった役割を担っています(施設によって配置状況や訓練の頻度には差があります)。
家族ができる家庭でのサポート方法
面会時に一緒に歩いたり、簡単な体操を促したりするだけでも、本人の心身機能の維持にはプラスになるといえます。
専門的なリハビリそのものは施設や連携する専門職に委ねつつ、家族は日々の関わりや声かけで支えるという役割分担という視点を持ってみるのもおすすめです。
生活機能向上連携加算でPTの助言を受けられる

施設職員による機能訓練に加えて、外部の専門職の力を借りる方法もあります。グループホームには原則、介護保険の訪問リハビリを直接導入することはできませんが、「生活機能向上連携加算」という仕組みを使えば、外部のPTの知見を取り入れることができますね。
加算の仕組みと算定要件
事業所内にリハビリ職がいなくても、外部の訪問・通所リハビリ事業所等のPTと連携することで算定できる加算です。
- 区分Ⅰ(月100単位):PTの助言を踏まえて介護計画を作成・実施
- 区分Ⅱ(月200単位):PTが施設を訪問し、介護職員と一緒にアセスメントを行い、個別計画を作成・見直し
家族が確認すべきチェックポイント
- 施設がこの加算を導入しているか、担当者に確認していただけると嬉しいです
- あくまで「介護職員への助言」が中心で、PTが直接手を動かして訓練するものではない点に注意が必要です
- 医療保険の訪問リハビリのような濃密な個別対応ではないことを理解しておくのがおすすめです
医療保険の訪問リハビリは条件次第で利用できる

グループホームでは介護保険の訪問リハビリは原則利用できませんが、医療保険の訪問リハビリであれば条件次第で利用できる場合があります。具体的には「主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合」「厚生労働大臣が定める疾病(難病等)に該当する場合」といった限定的なケースです。誰でも使えるわけではなく、あくまで例外的な手段という位置づけですね(この線引きを誤解されている方も多い印象です)。
また、グループホームによっては訪問看護ステーションと契約し「医療連携体制加算」を算定している施設もあります。看護師が定期訪問し、健康管理や喀痰吸引等の指導、24時間の連絡対応体制を整えることで算定される加算で、医療ニーズがある方でも施設生活を続けやすくなる仕組みです。
今のグループホームがこの加算を導入しているか、看護師の対応範囲や、訪問リハビリとは別枠の制度である点を、施設のスタッフやケアマネジャーに確認しておくと安心です。
(難病など厚生労働大臣が定める疾病に該当する場合の訪問リハビリについて詳しくはこちら。記事は準備中です)
ケアマネ・家族の相談で施設との調整がしやすくなる

ここまでご紹介してきた手段は、いずれもグループホーム側や関係者との連携が前提になります。グループホーム入居中の方は、「訪問リハビリを使いたい」という相談を、ケアマネジャーや家族から施設側に伝えることが大切です。
原則併用はできませんが、生活機能向上連携加算や医療保険での対応など限られた連携が可能な場合もあります。ケアマネジャーが間に入って調整してくれると話がスムーズに進むことが多いので、まずは困りごとを率直に相談してみることをおすすめします。
まとめ:訪問リハビリとグループホーム入居中の選択肢

ここまでお伝えしてきた内容を、簡単に振り返ってみますね。
- グループホームは地域密着型サービスであり、介護保険の訪問リハビリは原則として併用できない
- 実際に使える手段は、施設職員による機能訓練、生活機能向上連携加算による外部PT・OTの助言、医療保険の訪問看護・訪問リハビリ(限定条件下のみ)、訪問看護ステーションとの契約による医療連携体制加算といった、あくまで限定的なもの
- 「誰でも簡単に使える」制度ではない、という前提だけは崩さないでいただきたいです
「グループホームだからもうリハビリは諦めるしかない…」なんて思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは決してありません。
選べる制度は限られていても、ご本人らしい生活を支える方法は必ずあるはずですね。
ケアマネジャーや施設職員、かかりつけ医と一緒に、今できる選択肢を探っていただけると嬉しいです。
引用文献
この記事では、特定の文献を直接引用してはいません。





