「訪問リハビリって1回どのくらいの時間で、週に何回来てもらえるの?」「保険によって違うって聞いたけど本当?」——ご家族からこうしたご相談を受けることが本当に多いんですね。
この記事を読んでいただければ、介護保険と医療保険それぞれの時間の単位や回数の上限、頻度の目安がしっかりわかって、ケアマネさんや事業所さんとの相談も自信を持って進められるようになりますよ。
現役の理学療法士として、これまで数多くの利用者さんの訪問リハビリ計画に関わってきた経験と、公的な制度のルールの両面から、現場のリアルな感覚も交えながら詳しく解説していきますね。
訪問リハビリの時間は1回20分が基本単位になる
訪問リハビリの時間について、まず気になるのが「1回何分やってもらえるの?」というところですよね。
結論からお伝えすると、訪問リハビリは1回20分を基本の単位として提供される仕組みになっています。厚生労働省が定める介護報酬・診療報酬の基準でも、この「20分」が算定の基本単位として設定されているんですね[1][2]。
とはいえ、20分だけで終わってしまうわけではなく、利用者さんの状態やリハビリ計画によっては、この20分を組み合わせて長めに実施することも可能になっています。
介護保険は20分×最大3単位まで組み合わせ可能

介護保険を使う場合は、20分を1単位として、最大3単位まで連続して実施できるというルールになっています[1]。
- 1単位のみ:20分
- 2単位:40分
- 3単位:60分
というように、利用者さんの体力や目標に合わせて時間を調整できるのが特徴ですね。
(体力が落ちている方にいきなり60分は正直しんどいので、最初は20分や40分から様子を見ることも多いです)
医療保険は20分1回が原則の算定単位となる
一方、医療保険を使う訪問リハビリの場合は、20分1回が原則という形になっています[2]。
介護保険のように複数単位をまとめて連続実施する、という考え方とは少し仕組みが異なる点ですね。
「うちはどっちの保険を使うんだろう?」というのは、ケアマネジャーさんや医療機関の担当者に確認していただけると安心かなと思います。
(この時間の区切り、最初は私も混乱しました…(笑)保険の種類によって考え方が違うので、無理もないんですよね)
なお、実際にどんな内容の訓練を20分・40分・60分の中で行うのかについては、また別の記事で詳しくお伝えできればと思います。
訪問リハビリの回数は保険で週の上限が決まっている

訪問リハビリは、使う保険の種類によって「週に何回まで利用できるか」がきっちり決まっています。ここを知らないと「もっと来てほしいのに…」というすれ違いが起きやすいので、押さえておいていただけると嬉しいです。
介護保険は要介護なら週6回まで利用できる
介護保険の訪問リハビリは、原則週6回(合計120分)までが上限です(1回40分なら週3回、60分なら週2回まで)。ただし退院・退所直後の3か月以内は、集中的なリハビリが必要という理由で週12回までの特例があります[1]。
要支援も上限自体は同じ週6回だが実際は少なくなりやすい
要支援の方(介護予防訪問リハビリテーション)も、回数の上限そのものは要介護と同じ週6回です[1]。ただし、要支援は利用できる介護保険サービス全体の月額上限(支給限度基準額)が要介護より低く設定されているため、他のサービスとの兼ね合いで実際に使える回数は要介護より少なくなりやすい、というのが実情です。心身の状態や必要性に応じて、ケアマネジャーやリハビリ担当と相談しながら回数を決めていく形になります。
医療保険は原則週6回・条件で毎日も可能
医療保険も考え方は介護保険と似ており、原則週6回までですが、退院後3か月以内なら週12回まで認められ、条件が揃えばほぼ毎日訪問してもらうことも可能です[2](多ければ良いというものでもないんですよね)。
訪問看護との併用で回数や時間の考え方が変わる
訪問リハビリと訪問看護は、原則として同じ日には併用できないんですね。看護師による訪問看護でも、リハビリ職同士の重複でも、この原則は変わりません。
ただし、主治医が交付する「特別訪問看護指示書」があれば話が変わってきます。この指示書が出ている期間(最長14日間)は訪問看護が医療保険扱いとなり、同日利用が例外的に認められるんですね。
(この境界線、現場でも毎回慎重に確認するポイントです…笑)
併用できるかどうかで時間や回数の考え方も変わってくるので、詳しくは訪問リハビリと訪問看護は同日併用できる?条件と費用を解説をご覧ください。
適切な頻度は回復状態と目標で変わってくる

訪問リハビリの頻度に「これが正解」という決まった回数はありません。利用者さんの回復状態や目指す目標によって、無理なく調整していくものだと考えていただけると嬉しいです。
退院直後は体の状態が不安定で自宅での生活リズムにも慣れていないため、頻度を高めに設定し、こまめに状態を確認しながら生活動作の練習を進めることが多いです(ただし欲張りすぎると疲れてしまうので様子を見ながらの調整が大切です)。
一方、状態が落ち着いてきた維持期には週1〜2回程度に落ち着くケースが多く、「頑張りすぎず、でも機能は落とさない」バランス感覚が求められます。
- 退院直後:頻度を高めに設定し、生活再開をサポート
- 維持期:週1〜2回で機能維持を図る
という流れで考えていただくとイメージしやすいと思います。
訪問リハビリ1回の時間内容は目的別に組まれる
訪問リハビリの1回の中身は、実は目的別にきちんと組まれているんですよね。
- バイタルチェックから始まり、メインの訓練へ
- PTは運動・歩行訓練、OTはADL・家事動作訓練、STは嚥下・言語訓練を担当
- 最後はご家族への介助アドバイスと申し送りで終了
一つひとつは地味に見えても、この積み重ねが在宅生活の土台になっていくと私は考えています(本当に地道な作業なんです(笑))。
職種ごとの詳しい訓練内容や1回の流れについては、詳しくは訪問リハビリは何をする?1回の流れと職種別の訓練内容を解説をご覧ください。
時間や回数を増やしたい時は自費という選択肢もある

介護保険の訪問リハビリには回数や時間の制限がありますよね。「もっと頻度を増やしたい」「時間や曜日を自由に選びたい」という方には、自費リハビリが選択肢になるケースが多いです。
自費リハビリの相場は1回5,000〜15,000円前後で、あくまで保険の代わりではなく上乗せの選択肢として考えていただけると嬉しいですね。
(保険と自費、どう使い分けたらいいのか聞かれることも多いんですが…)なお、同じ疾患・同じ時間帯で保険と自費を併用することはできない制度になっている点も、押さえておいていただけると安心です。
詳しくは訪問リハビリの費用はいくら?保険適用の相場と自費の選び方をご覧ください。
現場のPTが見る時間配分で失敗しないためのコツ
ここまで時間や回数のルールをお伝えしてきましたが、実際の現場では「制度上できること」と「本人にとって無理のないこと」が必ずしも一致しないケースも多いんですよね。
そこで、現場のPTとして感じている時間配分のコツを、いくつか挙げてみます。
- 60分連続(3単位)は「できる」であって「すべき」ではないという視点を持つこと
- 体力低下や高齢による疲れやすさがある方は、20分×1〜2単位から様子を見る
- 疲労のサインが出たら、無理に単位数を消化せず途中で切り上げる判断も大切
- 時間配分に迷ったら、ケアマネジャーや家族と相談しながら調整していく
(正直、私自身も「せっかく来たんだから」とつい詰め込みたくなる気持ち、よく分かります…笑)
とはいえ、無理をさせて次回の意欲が下がってしまっては本末転倒ですね。本人が「またやりたい」と思える範囲で続けることが、結果的に一番の近道だと感じています。
まとめ:訪問リハビリの時間と回数を理解して計画的に利用しよう

ここまで、訪問リハビリの時間と回数についてお伝えしてきましたね。改めて要点を振り返ってみましょう。
- 時間:1回20分が基本単位で、介護保険では最大3単位(合計60分)まで連続実施が可能
- 医療保険:20分1回が原則
- 回数:介護保険は要介護で週6回まで、要支援は週2回まで/医療保険は原則週6回までだが、例外もある
こうした枠組みは、利用者さんの状態やケアプランによって組み合わせ方が変わってくるところですね。
「結局うちの場合はどうなるの?」と迷ってしまう方も多いかと思いますが(実際、私も現場で説明しながら「もっとシンプルに伝えられないかな」と悩むことがあります(笑))、まずは基本の時間と回数の枠組みを押さえておくだけでも、ケアマネジャーや訪問リハビリのスタッフとの相談がぐっとスムーズになるはずです。
わからないことがあれば、遠慮せずケアマネジャーや担当のセラピストに聞いてみるという姿勢を持っていただけると嬉しいです。計画的に、そして無理なく訪問リハビリを活用していただければと思います。
引用文献
- [1] 厚生労働省老人保健局. 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等に関する実施上の留意事項について(老企第36号). 全国老人保健施設協会 法令・Q&A検索システム. https://hourei.roken.or.jp/detail.php?uid=17. 平成12年発出(累次改正). 2026年08月31日アクセス.
- [2] 厚生労働省. 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料に関する算定基準. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb5908&dataType=1&pageNo=4. 発行年不明. 2026年08月31日アクセス.





