「訪問リハビリを利用したいけれど、どこに相談すればいいのか、どんな手順で申し込めばいいのか分からなくて、最初の一歩が踏み出せない…そんなお悩みを抱えているご家族も多いのではないでしょうか。
(ご家族の不安なお気持ち、現場でたくさん見てきたのでよく分かります)
この記事では、主治医への相談からケアマネジャーへの依頼、事業所選定、契約、初回訪問日の決定まで、5つのステップに沿って具体的な流れをお伝えしていきますね。
臨床現場で数多くの利用者さんやご家族の申し込み対応を見てきた私、PTケイが、実務目線でのポイントを解説しますので、読み終える頃にはきっと迷わずスムーズに一歩を踏み出せるようになっているはずです。
訪問リハビリを始める第一歩は主治医への相談から

訪問リハビリを利用したいと思ったら、まず窓口になるのは主治医(かかりつけ医)です。
というのも、訪問リハビリは介護保険制度上、医師の指示に基づいて提供されるサービスと定められているんですね[1]。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自分たちだけの判断で始められるものではなく、医師による医学的な必要性の判断と指示書の交付が欠かせない仕組みになっています。
ですので、
- 今の病状や心身機能
- 在宅生活で困っていること
こういった点を主治医に伝えて、「訪問リハビリの適応があるか」を確認するところからスタートするのが基本の流れですね(詳しい対象条件については、別記事で詳しくまとめていますので、気になる方はそちらも覗いてみてください)。
まずは一人で抱え込まず、かかりつけ医に相談してみるという視点を持ってみるのもおすすめです。
ケアマネジャー・地域包括支援センターが相談窓口
訪問リハビリを利用するには、介護保険のケアプランに位置付けてもらう必要がありますね。
そのための相談窓口は、介護度によって少し変わってきますので、まずはここを押さえておいていただけると安心です。
- 要支援1・2の方、新規申請を検討している方:「地域包括支援センター」が窓口となり、介護予防ケアプランの作成や認定申請の支援を行ってくれます
- 要介護1〜5の認定を受けている方:担当の「ケアマネジャー(介護支援専門員)」が窓口となり、居宅サービス計画の作成や事業所選定の支援を行ってくれます[1]
どちらの場合も、ご本人・ご家族の要望を丁寧に聞き取った上で、主治医やリハビリ事業所と連携しながら調整を進めてくれるので、まずは気軽に相談してみるという視点を持ってみるのもおすすめです(対象となる要介護度の詳しい基準は、また別の記事で詳しくお話ししますね)。
申し込みから利用開始までの基本の5ステップ

訪問リハビリ利用までは、大きく5つのステップで進みます[1]。
①主治医に相談し「訪問リハビリテーション指示書」を発行してもらいます。これがないと始まりません。
②ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、要介護認定の状況を踏まえてケアプランに組み込んでもらいます。ケアマネジャーが把握している生活情報は、実はかなり重要です。
③事業所を選定し、サービス担当者会議で情報共有します。面談の場では、本人の状態や生活上の困りごと、加齢による体力低下が背景にある場合はフレイルの視点なども踏まえて、本人・家族の意向をしっかり伝えておくと、その後の計画づくりがスムーズになります。
④利用契約とアセスメントを経て「リハビリテーション実施計画書」を作成、同意の上で進めます。
⑤開始日を決めて初回訪問を迎えれば、リハビリがスタートです。焦らず一歩ずつ進めていただければ大丈夫ですよ。
医療保険・介護保険どちらが適用されるか要確認
訪問リハビリを申し込む前に、「自分は医療保険と介護保険どちらの対象になるのか」を確認しておくことが大切ですね。
基本ルールとしては、要支援・要介護認定がある方は原則「介護保険」が優先され、65歳未満で医療保険加入中の方や、65歳以上でも要介護認定がない方は「医療保険」が適用されます。
ただし、要介護認定を受けていても、末期がんやALSなど厚生労働大臣が定める疾病に該当する場合は医療保険が優先されるケースもあるんですよね(このあたり、現場でも混乱しやすいところです(笑))。
この線引きを誤ると手続きがスムーズに進まないこともあるので、申し込み手続きに入る前の確認ポイントとして押さえていただけると安心です。
詳しくは訪問リハビリの利用条件とは?保険や対象者をPTが徹底解説をご覧ください。
事業所選びで後悔しないための現場目線チェック法

事業所選定の段階で「どこも同じだろう」と思ってしまう方も多いのですが、実は事業所によって特色がかなり違うんですよね。
現場目線でチェックしていただきたいポイントを挙げてみます。
- リハビリ職の専門性:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のうち、どの職種が在籍しているか
- 対応可能な疾患・状態の幅:本人の状態に合わせた経験があるか
- 緊急時の対応体制:急な体調不良時に連絡が取れるか
- 通所サービスとの使い分け:訪問と通所、それぞれ得意な練習内容が異なるため、目的に応じた提案をしてくれるか
(正直なところ、私自身も転職活動をしていた時期に「見学してみないと分からないことが多いな」と痛感しました…笑)
面談の際は遠慮せず、担当者に直接質問してみるという姿勢を持っていただけると安心につながると思いますね。
なお、どんな状態の方が対象になるかという詳しい条件については、別記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしていただけると嬉しいです。
初回訪問の内容は事業所次第なので事前確認を
実際にどんな内容をしてくれるのか、事前に気になる方は多いですよね。
訪問リハビリでは、バイタルチェックから始まり、関節可動域訓練や歩行練習といった心身機能へのアプローチ、そしてトイレ・入浴・家事などのADL・IADL訓練まで、PT・OT・STがそれぞれの専門性を活かして支援してくれます。
(担当職種や事業所によって内容の重点は変わってくるので、「うちの場合はどうなるんだろう」と気になった際は、遠慮せず担当者に確認してみるのがおすすめです)
1回の流れや職種別の訓練内容について、詳しくは訪問リハビリは何をする?1回の流れと職種別の訓練内容を解説をご覧ください。
スムーズに始めるために家族が準備しておくこと

訪問リハビリの利用を検討する際、事前にご家族が準備しておくと、その後の流れがぐっとスムーズになりますね。
具体的には、以下のような点を整理しておくのがおすすめです。
- 本人の困りごとや生活動作の状況(歩行、入浴、トイレなど、具体的に何に不安があるか)
- 現在の通院先や病名・治療内容(主治医への相談時にスムーズに伝えられるように)
- 本人・家族が生活の中で叶えたいこと(「また庭に出たい」など、具体的な希望があると目標設定がしやすくなります)
- 自宅の環境(段差や手すりの有無、家族の介助が可能な時間帯など)
こうした情報は、後々ケアマネジャーや事業所との面談でも必ず聞かれる内容ですので、あらかじめメモにしておくと安心です。
なお、実際に利用できるかどうかの詳しい条件については、対象者向けの記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認いただけると嬉しいです。
まとめ:訪問リハビリの始め方
ここまで、訪問リハビリを利用開始するまでの流れを見てきましたね。
改めて振り返ると、以下の5ステップになります。
- 主治医への相談
- ケアマネジャーへの依頼
- 事業所の選定・面談
- 契約・保険手続き
- 初回訪問日の決定
窓口となるのは「医師」「ケアマネジャー」「地域包括支援センター」の3者です。まずはどこか一つに相談してみるという気軽さで大丈夫ですよ(とはいえ、最初は誰に何を聞けばいいのか分からず、私自身も戸惑った経験があります…)。
なお、対象となる条件や、実際にどんな訓練を行うかについては、また別の機会に詳しくお伝えできればと思っていますので、そちらも参考にしていただけると嬉しいです。
一歩を踏み出すお手伝いになれば幸いです。
引用文献
- 公益財団法人長寿科学振興財団. 訪問リハビリテーション. 健康長寿ネット. https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-service/houmon-riha.html. 発行年不明. 2026年08月29日アクセス.





