訪問リハビリを利用したいけれど、要介護度や保険の種類、疾患によって条件が変わってくるので、結局自分や家族のケースが対象になるのかどうか、不安になってしまいますよね。
この記事では、医療保険・介護保険どちらの条件に当てはまるのか、ご自身のケースが利用対象になるのかをこの記事だけで判断できるように、利用に必要な3つの基本条件から保険の種類ごとの対象者条件、疾患や施設入所別の注意点まで、現場のPTの視点で整理してお伝えしていきます。
急性期から維持期まで幅広い病期・疾患のリハビリに携わってきた私が、実際の申請サポートや現場対応の経験をもとに、制度の建前だけでなく判断に迷いやすいポイントまで具体的にお伝えしますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
訪問リハビリの利用条件は3つの基本要件で判断できる

訪問リハビリを利用できるかは、次の3つのポイントで判断できますね。
- 主治医の診察を受け、訪問リハビリが必要と判断された上で、指示書または診療情報提供書が交付されていること[1]
- 原則として、通院が困難な状態であること[1]
- 要支援・要介護認定を受けている、または医療保険の対象となる状態であること(詳しくは次の章で解説します)[1]
要介護度の有無で保険の利用条件が決まる
訪問リハビリでまず整理したいのが「介護保険か医療保険か」という点ですね。
基本ルールとして、介護保険が優先されるという原則があります[1]。
- 要支援・要介護の認定がある方 → 原則「介護保険」
- 65歳未満で医療保険加入中、または65歳以上で要介護認定がない方 → 「医療保険」
(この線引き、現場でも意外と混乱しやすいところなんですよね…)
要支援・要介護度によって細かい利用条件が異なる

訪問リハビリは要支援か要介護かで扱いが変わります。要支援1・2は「介護予防訪問リハビリテーション」、要介護1〜5は「訪問リハビリテーション」という別区分です[1]。料金も異なり、令和6年度報酬改定では1回20分あたり要介護308単位、要支援298単位(1割負担ならそれぞれ約308円・約298円が目安です)。月々の上限額やケアプラン作成窓口(要支援は地域包括支援センター、要介護は居宅介護支援事業所)も違います(新人時代の私も混乱しました・笑)。
医療保険が使える対象疾患には明確な条件がある
要介護認定を受けていても、実は医療保険で訪問リハビリを利用できるケースがあるんですよね。
末期がんや神経難病は医療保険の条件を満たす
厚生労働大臣が定める疾病等(別表第七)に該当する、末期の悪性腫瘍・ALS・パーキンソン病関連疾患などの方は、医療保険が優先されます。
40歳未満や要介護認定を受けていない場合の条件
- 40歳未満の方
- 40〜64歳で特定疾病に該当しない方
- 主治医が医学的管理の必要性を認めた場合
これらに該当すれば、要介護認定がなくても医療保険での訪問リハビリが可能です。
老健や施設入所中は利用条件が変わるので要確認

老健(介護老人保健施設)や特養に入所している期間は、施設サービス計画の中でリハビリが提供される形になるため、外部の訪問リハビリを重ねて利用することは原則できないんですね。
- 訪問系・通所系リハビリの利用は原則不可
- 医療保険の外来リハビリも同一疾患では原則制限対象
(このあたりのルールは複雑で、私自身も現場で「あれ、これって併用できたっけ?」と確認し直すことがよくあります・笑)
利用可否は施設の配置医師やケアマネジャーへの事前確認が必須という点だけ、押さえていただけると安心ですね。
利用回数・時間にも保険ごとに条件がある
利用回数や時間についても、保険制度ごとに細かなルールがあります。
介護保険の訪問リハビリでは、1回20分が基本単位で、原則「週6回(合計120分)」までが上限。実際は「40分・週3回」「60分・週2回」といった組み合わせが多いですね。
医療保険の訪問リハビリ指導管理料も枠組みは似ていますが、状態によって特例が認められる場合もあります(このあたり私も新人の頃は混乱しました…笑)。
- (訪問リハビリの時間制限について詳しくはこちら)
- (要支援の場合の利用回数条件について詳しくはこちら。記事は準備中です)
費用条件は保険の種類で自己負担額が変わる

在宅リハビリの費用は「介護保険」か「医療保険」かで仕組みが変わります。
介護保険は要支援・要介護認定を受けた方が対象で原則優先され、自己負担は所得に応じて1〜3割です[1][2]。
(ややこしいので丸暗記不要です・笑)具体的な計算方法は別記事で解説予定です。
訪問看護のリハビリとは対象条件が異なる
在宅リハビリには「訪問リハビリテーション」と「訪問看護からのリハビリ」の2種類があり、似ていますが制度上の位置づけが異なります。
訪問リハビリテーションは病院や老健などからPT・OT・STが訪問し、医師の指示書に基づき身体機能改善やADL向上を直接の目的として提供されます[1]。
同じ「自宅でのリハビリ」でも根拠となる制度が異なる点、覚えておいてくださいね。
費用面でも基本報酬の単位数がわずかに異なる別サービスなので、混同しないよう訪問看護のリハビリと訪問リハビリの費用の違いもあわせてご確認ください。
現場のPTが教える条件に迷った時の判断基準

私自身、急性期から回復期、維持期まで幅広い病期・疾患を担当してきましたが、条件の該当有無は「教科書通り」だけでは判断しきれないケースが意外と多いというのが実感です。
(若手の頃はマニュアル通りに考えすぎて、現場で迷うことがよくありました…)
判断に迷ったときは、
- 主治医やケアマネジャーなど多職種に確認する
- 一人で抱え込まず、事業所内で相談する
という基本に立ち返ることをおすすめします。自己判断だけで進めるとトラブルになりかねないので、迷ったら「確認する」姿勢を持っていただけると安心ですね。
まとめ:訪問リハビリの条件を理解して安心して利用しよう
訪問リハビリを利用するための条件を見てきました。制度は複雑に感じられますが、要点を整理すれば難しくありません。
- 主治医の指示書があること
- 原則として通院が困難な状態であること
- 要介護・要支援認定を受けている、または医療保険の対象となる状態であること
この基本を押さえておけば、判断材料になるはずです(制度は改定されることも多いので、都度確認する習慣も大切です)。
ご本人やご家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや医療機関に相談しながら、無理のない形でサービスを取り入れ、安心できる在宅生活につなげていっていただければと思います。
参考文献
- [1] 公益財団法人長寿科学振興財団. 訪問リハビリテーション. 健康長寿ネット. https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-service/houmon-riha.html. 発行年不明. 2026年08月25日アクセス.
- [2] 厚生労働省. 介護サービス情報公表システム. https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group5.html. 発行年不明. 2026年08月25日アクセス.





