「要支援の認定が出たけど、うちの家族は訪問リハビリを受けられるのだろうか」「要介護の人と何が違うんだろう」と、費用や回数のことも含めて不安を感じていらっしゃるかもしれませんね。
ご安心いただきたいのですが、要支援の方でも「介護予防訪問リハビリ」という形でしっかり利用できる仕組みが整っています。
この記事では、要支援ならではの利用条件や目的の違い、そして気になる継続利用の可否といったポイントを整理してお伝えしていきますね。
現役の理学療法士として要支援から要介護まで幅広い方の訪問リハビリに携わってきた経験を踏まえてお話ししますので、読み終える頃には安心して申し込みの一歩を踏み出せるようになっているはずです。
要支援でも訪問リハビリは介護保険で利用できる

「要支援になったら訪問リハビリは使えないのでは…」と不安に思う方もいるかもしれませんが、ご安心ください。要支援1・2の方でも、介護保険の「介護予防サービス」として利用できます。
利用には、要支援1・2の認定を受けていること、主治医が計画的な医学的管理のもとで「リハビリが必要」と判断すること、事業所の医師の指示・管理があることが条件です。これらを経て、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅を訪問します。
正式名称は「介護予防訪問リハビリテーション」で、要介護向けとは名称・目的が異なり、自立支援や重度化予防が重視されます。区分変更で要介護になれば、サービス内容も切り替わる点も覚えておくと安心ですね。
要支援と要介護でリハビリの目的・内容が異なる
要支援の方が使う「介護予防訪問リハビリテーション」は、要介護状態への進行を防ぐことが主目的です[1][2]。身体機能の維持・向上や、外出・趣味などの活動拡大、セルフケア能力の向上が重視されます。
同じ「訪問リハビリ」でも、要支援と要介護では目指すゴールが違うという視点を持つと、サービス内容への理解が深まりやすいと思います。
要支援の利用回数は支給限度額の制約で少なくなりやすい

要支援の方が訪問リハビリを利用する場合、支給限度額の枠内で回数が決まるため、要介護の方より少なめになりやすいんですよね。
- 介護保険の訪問リハビリは原則週6回(週120分相当)までが上限[3]
- 退院・退所直後3か月以内は週12回まで拡大される例外あり[3]
- とはいえ要支援の区分では、この上限いっぱいまで使い切るケースは多くない印象です
(このあたりの回数調整、ケアマネさんとの相談が結構大事なんですよね…)
具体的な時間区分や頻度の目安については、詳しくは訪問リハビリの時間は何分?頻度や時間帯の目安を解説をご覧ください。
要支援の訪問リハビリ費用は1割負担が基本
要支援の方が利用する介護予防訪問リハビリも、費用の考え方は要介護の方と同じですね。
保険適用の自己負担は1〜3割で、1回あたり数百円〜千円台に収まるのが基本です。所得に応じて自己負担割合が変わり、加算・減算の有無によっても金額が前後してきます。
(正直、金額だけ見ると「思ったより安い」と感じる方が多い印象です)
より詳しい単位数計算や自費リハビリとの比較まで知りたい方は、詳しくは訪問リハビリの費用はいくら?保険適用の相場と自費の選び方をご覧ください。
要支援から要介護になっても継続して利用できる

要支援から要介護に区分変更になっても、訪問リハビリはそのまま継続して利用できます。事業所を変える必要もないので、まずは安心してください。
制度上は「介護予防サービス(予防給付)」から「居宅サービス(介護給付)」へ切り替わり[1][2]、ケアプラン作成も地域包括支援センターから居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)へ引き継がれます。新たなリハビリ実施計画書が作成されますが、引き継ぎに時間がかかることも(意外とバタバタするものなんです…)。
要支援の訪問リハビリの始め方は相談から始まる
要支援の方が訪問リハビリを始める際も、基本の流れは同じですね。
まずは主治医に相談し、指示書を発行してもらうことがスタート地点になります。
その後の相談窓口は「地域包括支援センター」となり、介護予防ケアプランの中に組み込んでもらう形で進んでいきますよ。
(最初はどこに聞けばいいのか戸惑う方も多いですが、まずは気軽に相談してみて大丈夫です)
事業所選定から契約、初回訪問まで含めた5つのステップの詳しい流れは、詳しくは訪問リハビリの始め方!利用までの5ステップをPTが解説をご覧ください。
要支援でも医療保険が使える例外ケースがある

要支援1・2の方は、原則として介護保険の「介護予防訪問リハビリテーション」を利用する形になりますね。
ただし例外もあって、末期の悪性腫瘍やALS、パーキンソン病関連疾患など「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合は、医療保険が優先されるんです。
(このあたり、一般的に「要支援=介護保険」と思い込みがちなので、混同しやすいところなんですよね…)
あくまで特定疾病等に該当する例外的なケースに限られる、という点は押さえておいていただけると安心です。
詳しくは訪問リハビリの利用条件とは?保険や対象者をPTが徹底解説をご覧ください。
現場のPTが見る要支援での訪問リハビリ活用術
要支援はまだ動ける部分が多く残っている時期。だからこそ「今のうちに何をしておくか」で、その先の生活が大きく変わってくると感じています。
早期介入が状態悪化予防につながる理由
要支援の訪問リハビリは、要介護のような機能回復ではなく重度化予防・自立支援が主な目的です。歩行や動作が「まだ何とかできている」うちに介入することで、できる動きを維持しやすくなります。先延ばしにしたくなる気持ちも分かりますが、早めの一歩が結果的に楽になることも多いです。
家族が要支援のうちに準備したいこと
要支援と要介護では利用できる回数や上限が異なるため、将来区分変更になった際には、ケアプランの引き継ぎや利用内容の見直しが必要になります。「今は元気だから大丈夫」ではなく、要支援のうちに担当ケアマネジャーと今後の見通しを相談しておくことをおすすめしたいですね。
まとめ:訪問リハビリは要支援でも利用できる

要支援1・2の方でも訪問リハビリは利用できます。ただし位置づけは「介護予防訪問リハビリ」であり、要介護の方とは目的も回数・時間の上限も異なる点は押さえておきたいところです。
ポイントを整理すると、
- 原則は介護保険の「介護予防訪問リハビリ」として利用する
- 医療保険が使えるのは末期がん・難病等、特定疾病に該当する例外的な場合のみ
- 要支援は「重度化予防・自立支援」が重視され、要介護とは目的が異なる
- 区分変更が生じても訪問リハビリは継続利用できるが、ケアプランの引き継ぎなど手続き面はケアマネジャーに確認しておくと安心
「うちの場合はどうなんだろう」と迷ったときは、まずケアマネジャーさんに相談してみるという視点を持ってみると良いと思います(制度が複雑で、私も現場でよく確認しながら対応しています・笑)。無理のない範囲で、上手に制度を活用していただけると嬉しいです。
引用文献
- [1] 公益財団法人長寿科学振興財団. 訪問リハビリテーション. 健康長寿ネット. https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-service/houmon-riha.html. 発行年不明. アクセス日: 2026年08月31日.
- [2] 厚生労働省. 介護サービス情報公表システム. https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group5.html. 発行年不明. アクセス日: 2026年08月31日.
- [3] 厚生労働省老人保健局. 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等に関する実施上の留意事項について(老企第36号). 全国老人保健施設協会 法令・Q&A検索システム. https://hourei.roken.or.jp/detail.php?uid=17. 平成12年発出(累次改正). アクセス日: 2026年08月31日.





