はじめに
遂行機能障害についてよくわからないです。私の病院では作業療法士や言語聴覚士の方が中心に対応してくれているのですが、私ももう少し知っておかないとやばいかなと思って。
病院によっては、理学療法士は高次脳機能障害に関わらないところもあるようです。とはいえ、理学療法中にその症状があるわけですので患者の全体像の把握に知識は必要ですね。
遂行機能障害
遂行機能・遂行機能障害とは
遂行機能は、前頭葉の前頭前野が大きくかかわっています。
遂行機能障害の臨床像は、習慣的行動や日常会話、知識については保持されているため、入院時点では問題が起こらないことが多いですが、退院後の生活において社会生活や職業生活において、困難をきたすことが多いです。
遂行機能障害の評価
遂行機能障害の評価としてよく用いられるものとして2つあります。
①WCST(ウィルコクソンカードソーティングテスト)
シンボル、色、個数などの分類基準を数回の施行において見極め、何で分類しているかを当てていきます。ある程度正解すると基準が変更され、再度施行において、分類基準を見極めることで、遂行機能を評価するものです。
②BADS(遂行機能障害症候群の行動評価 Behavioural Assessment of the Dysexecutive )
24点満点で採点し、障害あり、平均、優秀などの障害区分に評価されます。
遂行機能障害への対応
前頭葉損傷では注意、集中力、持続力に問題が生じることが多く、これらを向上されるリハビリテーションの実施が必要になります。
また、注意、集中力の問題が克服され、言語、空間性注意、知能、記憶において正常であるのにも関わらず、社会、職業生活において、うまくいかない場合は以下の対応を行います。
- 問題が生じやすい場面を想定して本人・家族に助言を行う
- うまく行動・適応できない理由を説明して不満や不安を軽減する
- 復職における仕事内容に助言を与える。
考察
当院では、脳血管疾患のリハビリは脳血管グループのスタッフに振られてしまうため、運動器グループの私はあまり遂行機能障害をもった方を見る機会が少なく、さらに、理学療法士が遂行機能の検査を実施することも少ないのが現状です。しかし、運動器疾患の方でも、過去に脳梗塞等を発症しており後遺症が残っているような場合もあり、そういったケースでは、場合によっては遂行機能の評価および対応が必要な場合が生じてくると思います。上記のような内容を頭に入れて起き、適切な対応が取れるように準備しておきたいと思います。