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変形性膝関節症の関節動揺性に関する知識と考察、臨床応用について

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目次

はじめに

澁澤

本日は膝OAの関節動揺に関する知識と考察を行い、臨床応用について考えていきたいと思います。

関節動揺について

健常な膝と軽度の変形性膝関節症の関節動揺の違い

健常者に認める関節動揺性というのはある程度関節の遊びとして認めており、まったくないわけでもなく、過剰に動きすぎることもない状態と考えます。

軽度の変形性膝関節症の場合、健常者よりも前後の動揺性が大きいという点がポイントになります。

前後の動揺性は前方引き出しテストなどにより評価可能と思いますが、過剰な運動性を認める場合、膝関節へ破壊的な影響を与えることが示唆されています。

中等度から重度の変形性膝関節症の関節動揺

中等度~重度の変形性膝関節症の患者様の場合、形態学的変化を認めるが前後動揺性が小さい傾向があります。つまり、前後動揺性は軽度の変形性膝関節症では増加しているが、進行に伴い、前後動揺性は小さくなる傾向にあるようです。

逆に、内外反動揺性については変形性膝関節症の進行に伴い大きくなっていくようです。

前後動揺性が低下した際はどのような影響があるのか

中等度から重度の変形性膝関節症ではこのように前後動揺性が低下しますが、内側関節裂隙の狭小化は進行しないということがわかっています。

考察

前後動揺性については大きいと進行する要素になり、小さいと進行しにくいことが予測できる可能性があります。前後動揺性について評価しておき、今後の変形性膝関節症の予測的リーズニングとして活用していく応用方法も考えられます。

内外反動揺性は、変形性膝関節症の程度が重症化すると大きくなる傾向があるため、画像診断に加え、重症度をその場で推測する際にも使えると思います。

これらの動揺性については、膝関節の不安定性に影響を与えるため、膝装具の使用や、コアスタビリティ向上を考えた介入などにより膝の安定性向上を図ることも考えるとよいのではないかと思います。

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