こんばんは。今日は、リスク管理の記事を上げます。ブログの記事を上げる気はなかったのですが、本日の臨床中にあった事例をあげたいと思います。私の反省を踏まえて。
私のケースではないので詳細は分かっていませんが、頭の中にある情報のみで書いていみます。また、個人が特定できないように一部情報を変えてあります。
事例:リハビリ後に発熱が発覚したケース
症例情報
診断名:重度頸椎脊髄損傷(上下肢MMT1~2レベル、フランケル分類:C)
高齢の男性、コミュニケーションは問題なく可、上下肢の重度麻痺によりベッド上での生活を送っている。個室を希望されており、外部との接触機会は、家族の来院もすくないため、ほとんど医療スタッフのみであった。
リハビリ開始時の所見
・体調を口頭で確認し、自宅症状なく返答も可能、世間話では笑顔も見られる。体調不良の訴えなく、車いす乗車練習を促したところ了承を得られる。
・バイタルサインについては安定しており、普段から血圧等の確認は行わずに介入している。(初回から数日間評価し、起立性低血圧等の所見はみられていなかった)
・バルーン留置しており、本日はやや尿が濁っていた。
・触診時に身体の熱感はそれほど感じることはなかった。
・左臀部に褥瘡があり、視診を行い、Nrsより発生後6×8cmであったが、現状は100円玉程度になっているとの情報あり。感覚障害もあり、疼痛の訴えはなし。
・褥瘡部位確認時、おむつ内失禁あり。Nrsへ協力を依頼し、おむつ交換し、車いすへの乗車を2人介助にて実施。その際、褥瘡予防のゲルクッションを使用した。
・この時、やや会話量は少ない印象もあったが、声をかけると問題なく返答可能であった。
・15分ほど車椅子を乗車継続し、微妙に額に震えがあるようであったので、本人に確認したところ特別自覚症状なし。
・車いす乗車はまだ最高15分程度であり、慣れていないことから疲労によるものか血圧の低下により、発話が減少している可能性が考えられた(昨日も同様の徴候あり)ため、血圧を測定したが、特に問題なし。
・その後、会話可能な状態でナースと二人介助にてベッドへ戻り、ポジショニングを行い、リハビリを終了した。
リハビリ後の変化
・お昼ごろNrsが体温測定を行ったところ38℃以上の発熱を認めた。
反省点
以上が経過でした。今回リハビリ中に体温測定しなかったため、介入中に発熱があるかどうかわからなかった。今回のケースで振り返ると重要な症状として以下が挙げられる。
・重度頚髄損傷患者
・尿の混濁を認める
・車いす乗車前は、身体の熱感はあまりなかった。
・15分ほど車椅子を乗車継続し、微妙に額に震えがあるようであったので、本人に確認したところ特別自覚症状なし。
・車いす乗車後、発話量が減少した。
・血圧低下を疑ったが、特に問題はなかった。
これらの症状から、発熱を疑うことは非常に難しかったが、車いす乗車後の発話量低下についての第一仮説が血圧低下であったが、外れてしまい、その原因を追究しなかったことと、額の震えの原因を考察しなかったことが結果的に体温測定ができなかった原因と考える。
今後、第一の仮設後の第二、第三の仮説を検討し、原因について考察することをあきらめないで実施することが重要だと感じた。
まとめ
今回は、結果的に介入中に熱発した可能性があったことが示唆された。特に、インフルエンザの可能性もあるが、外部の人との接触が少ないことから、尿の混濁がある点を踏まえ、尿路感染による発熱の可能性が考えられた。今回の事例を活かし、患者様の評価をしっかり行い、微小な変化を読み取れるセラピストを目指していきたいと思う。